映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

デヴィッド・リーチ 監督「ブレット・トレイン」3865本目

機内でなんとなく盛り上がりたいなと思って再見しました。

…やっぱひでぇ(←最高のほめ言葉)。めちゃくちゃだし人がバンバン殺されるし。でも見てよかった~。

ブラピもノリノリだし、「アンナ・カレーニナ」ではキーラ・ナイトレイを狂わせたイケメン、アーロン・テイラー・ジョンソン(みかん)も、ここでは「パルプ・フィクション」のジョン・トラボルタ張りの間抜けなイケメン殺し屋を生き生きと演じています。本人は気を悪くするかもしれないけど、サシャ・バロン・コーエンにも似てると思ってしまった。

レモンがいちいち機関車トーマスのキャラを引用するのも、マトリックスのモーフィアスのパロディみたいでケラケラ笑えてしまった。女子高生ふうジョーイ・キングの甘ったるいキャラも、今見ると、東京オリンピックのパロディみたいな巨大着ぐるみと同じように、マンガ的に楽しめました。

どうも、日本が原作や舞台だと(この場合その両方)、自分の認識している日本の理解が広くて深すぎるぶん、最初は逸脱のほうばかり気になってしまう。私以外のみんなも同じだと思うけど。それが、時間を置いて2回目に見ると、やたらと逸脱に寛容になっていて、そこをかえって楽しめてしまう。やっぱりこういう作品は2回は見るべきかもですね。

そして今、すごく原作の小説が読みたい。伊坂幸太郎だから、この荒唐無稽なアレンジを取り除いてもすごく面白い小説に違いない。オリジナル版のTVドラマとかも、あったら見てみたいな~(NHKあたりで原作に忠実に作ってみてほしい)