寺島しのぶがあまりにも素敵でした。知的できれいな若い女性なんだけど、肉親や恋人を立て続けに失って精神のバランスを崩している。気分とかじゃなくて病気なので、躁のときと鬱のときがあって自分ではコントロールできない。その、取り繕うところのない明るさや不快さの表情が惹きつけるんですよね。嫉妬したくなるほど魅力的で、映画のなかでも何人もの男たちが彼女に執着する。
私は具合が悪くても取り繕って平気そうに暮らすほうで、こんな風にあけすけになれたらなぁと思うけど、当人たちは私を見て、冷静でうらやましいと思うのかもな。なんだろうね、このブレーキのあるなしって。
彼女をとりまく男たちも、それぞれどこか崩れてる。なかでも松岡俊介が演じるEDの地方議員、このキャラクターは新鮮。正義感と自己顕示欲が強い一方どこか孤独で、彼の周りには大勢の人がいるようで誰もいない。うつ病のヤクザをなぜ妻夫木聡に演じさせようと思ったんだろう。いとこの豊川悦司、ネットで知り合った痴漢プレイ好きな田口トモロヲ。彼らの造形もみんな生きていて、それぞれ惹きつけるものがあります。彼らが男性が考え出したキャラクターだとしたらすごい、と思ったら、原作があって著者は女性でした。男性にも女性にも、異性にしか見せない顔があるからな…。納得です。
