映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

江口カン監督「サンクチュアリ 聖域」4018本目<KINENOTE未掲載〉

このところNetflixばかり見てます。(U-NEXTが技術的な問題でテレビで見られないので)

これも面白かったなぁ。一ノ瀬ワタルって「宮本から君へ」でやけにリアルなワルを演じてたのがすっごく印象に残ってて、まさに適役だと思いました。肉体改造も効果的で、彼本当はもう40歳なのに、見習いのグレた若者そのものです。どこから見てもこわもて、だけど笑顔がめちゃくちゃ可愛い。逸材だよな~。

染谷将太も、あまり強くなさそうな見習いの役をがんばってます。見習いだけならほかの役者さんでもいいけど、その後の挫折からの転身を考えると彼くらいの実力が必要なんだろうな。

忽那汐里(昨日「マーダーミステリー」で見たばっかり)も目ヂカラの勝利。一本気で正義感の強い、若干リアリティ低めの記者役だけど、彼女がやると生きてきます。

田口トモロヲ、きたろう、余貴美子(こういうのを体当たりの演技と呼んでほめてほしい)、岸谷五朗、仙道敦子、中尾彬、笹野高史、松尾スズキといった無責任な大人たち役もずっしりと存在感あるし、ピエール瀧はもう彼以外考えられないはまり役です。キャスティングがなんとも嬉しい。

監督の江口カンってまったくノーマークだったけど、経歴を見ると福岡を拠点にCMやドラマを制作していて、カンヌをはじめとして数々の世界的な賞を受賞しているそうです。さすがNetflix。いい人見つけてきたなぁ。

ドラマの初盤は、まぁこれはないだろうという見習いから親方への暴力などもあるけど、誇張のあるドラマとして見る分にはちょっとドキッとさせる効果があります。猿桜が成長し、髪もだんだん伸びて、本当の関取に見えるようになっていくにつれて、本人も周囲もさまざまなドラマが展開していくのですが、この人間ドラマがとても面白い。残虐に流れすぎず、お人よしすぎず、いい塩梅です。

あと、各話の尺が全部違うのがいいですね。映像監督は時間の自由を手にした、と感じます。作るほうも見るほうも、これに慣れたらもはや枠が最重要のテレビ放送にはもう戻れないんじゃないだろうか。

引き続き、面白そうな作品をしばらく見てみます。