これって「卒業」を意識した映画?
1981年作品、思ってたより昔だ。ちょうど姉の世代で、よく「JJ」とか買ってきてたんだけど、あの雑誌の表紙のモデルさんは豊かなロングヘアを派手に巻いてたので、かとうかずこは全然違うイメージだなと思ったものでした。原作がものすごく話題になってたけど、本を買って読むお金もないし、立ち読みしてみたら脚注に「JJ」に載ってるブランドがいっぱい書いてあって、めちゃくちゃわずらわしい。それより第一、その頃の私はトラッドよりデザイナーズブランドのほうがカッコいいと思ってたし、第一貧しいパンク少女だったので、バブルは遠くを通り過ぎる台風みたいなものでした。
それでも就職したらすぐ、自分の会社が「OLくらぶ」という番組に出ることになって、若手の私たちも駆り出されてスタジオに出向いた記憶があります。同期の可愛い女の子とキャーキャー言ってたところを一瞬抜かれてて、見た目は私もOLじゃないか、と思ったのでした。今ならその部分だけでもコピーしておくんだけど。紺色の制服着てたんだぞ!かみしもみたいなベストとか着てて。
当時の司会者は田中康夫と南美希子で、バブルどまんなか感があるけど、それより前からやってた「オールナイトフジ」に自分の大学の学生が出演したことのほうがインパクトが大きくて、「OLくらぶ」なんて地味なものでした。そういえばその前後もまだ、私は学生のときの仲間とパンクバンドなんかやっていたんだわ。あの頃の自分はオンオフの違いが大きかったな…。
しかしこの映画は、ショートカットのキュートな女性とワイルドっぽいミュージシャンが恋をして同棲して、別れるのか続くのか、というストーリーは「もう頬づえはつかない」みたいだけど女性側に特に自立心は育っておらず、ラスト二人で車に乗っている場面の意志の定まってないかんじは「卒業」を思い出させるものでした。映画の中ではブランドについては一切字幕は出ず(スポンサーの関係とかもあるのかな)、出るのは曲名だけ、というのも「卒業」を思い出します。
いろんな面で、強いインパクトを残さない作品ではありますが、かとうかずこ及びそのファッションがすごく可愛いのと、当時の東京のリッチな若者の生活ってほんとにこんな感じだったんだろうな~というのが民俗学的記録として残されているのが、今見ると面白く感じます。ひまなときに見てみて、追憶あるいは珍しもの見たさに浸ってみるのもいいんじゃないでしょうか。
