近未来のアメリカ内戦を想定した作品、か。わりと唐突に、”みんなもうすでに内戦に慣れている”状態で映画はスタートします。場面によって、スピーディに、あるいはあえてゆっくりと進む。やけにおしゃれな音楽、ときどきドキッとする残虐さ。…この感じ、「28年後」をほうふつとさせて、既視感すらちょっとあります。大人と子どもの二人が中心のこの構図も。だから、多くのレビュアーさんたちの驚きやガッカリは少ないかもしれません。
近代の戦争はアメリカが主導あるいは参加してるものが多数だと思うけど、戦地にならず安全なところからえらい人たちが指示を出すのがこの国の大きな特徴だから、国内で殺戮しあう戦争を映画で描くのは、今ないものを作って見せる映画ってメディアでは当然予想されたことだ、とも思います。ほら、自分とこでやられたら嫌でしょう?って。
逆にいうと、驚きポイントを逃してしまったので、それほど意外性のない映画体験になってしまったかもしれません。
キルスティン・ダンストがすっかり貫禄ありますね。ジュリエット・ビノシュも「おやすみなさいを言いたくて」ではプロのフォトグラファーに見えた。シャルロット・ゲンズブールもやってたっけ?
けっこう面白いんだけど、なんだろうこの感じ、と考えてみたら、テレビゲームみたいなんだ、この映画は。Haloみたいなアメリカ製のゲームタイトル。仲間がいて敵がいて、リラックスしてる場面があるけど敵に対してはかなり残虐。だけどどこかコミカルでリズミカル。エンディングはバッドもグッドもありうる。特徴的な命の軽さ。もしかしたら、大人が大真面目に見る映画じゃない、のかもしれない。「ファーゴ」を見たとき、コーエン兄弟って人が悪いな、と思ったけど、それよりもっと戦争が軽い。これがゲーム世代の感覚なのかもなぁ。その軽さが新しいという意味では、歴史上意味のある作品なのかもしれません。
