映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ダイナ・O・プスィッチ 監督「終わりの鳥」4072本目

アマプラにアクセスしたらおすすめされたので、見てみました。A24か。不思議な味わいの作品です。

賢いベリーショートの15歳、チューズデイは、何の病気か語られないけど、非常に重篤で、いつ命が尽きてもおかしくない状態。母はめちゃくちゃ強気な女性なんだけど、家財を片っ端から売り払っている。この世界には、母と娘と看護師のほかには、「鳥」と家財買取店の人しか存在しないかのようです。

最初は、いつか誰にでも訪れるものなんだから、あまり往生際悪いのも…と思うけど、ユニークなチューズデイの個性が、映画が終わったら見られなくなるのが寂しいという気持ちがじわじわと生まれてきて、来るべき母の孤独や空虚を思って切なくなってきます。

死の鳥の生態?は、謎。死の鳥なので、どんな目にあっても死なないけど、物理的に傷んだり大きくなったり小さくなったりするのも謎。ただ、一人の母親ごときがいかに決死の争いをしかけて、勝ちが絶対だと思っても、そんなに甘いものじゃない。死は来ると決めたら来る。という不可避を経験した人が、その「死」を寓話にしたかったんだろうな、と思います。

2回見ても「わかった」という感覚はないけど、よく知らない国の不思議な絵本に見とれるような、ふわふわとした気持ちよさがありました。

終わりの鳥

終わりの鳥

  • ジュリア・ルイス=ドレイファス
Amazon