「トゥ・ランド」というのは「ラ・ラ・ランド」のランドではなくて、原題は「Where to land」、直訳すると「着地点」、プロジェクトとかなら”落としどころ”、人間なら”最終的にどこに落ち着くか”っていう意味かな。
ハル・ハートリー監督の作品は、1990年代にジム・ジャームッシュの後に来たNYの新新監督の一人とされていたそうなのですが、その頃はあまり映画を見ていなくて、私が意識して見たのは主演のエイドリアン・シェリーの”マーダーミステリー”をバラエティ番組で見たのがきっかけでした。遅れてしまってごめん。
でこの作品、中心となる、最近映画撮ってない初老の監督の周りに、映画関係者や近所の人たちや元妻や今の彼女、姪とかが入り乱れて、早とちりや誤解が広がっていったり収束したり、常にごちゃごちゃしてる感じ、まったくもって直接の関係はないと思うけどペドロ・アルモドバル監督の初期の作品みたい。どっちもかなり好き。人は人と関わっていたい動物なのだ。
ユーロスペースで今日のこの上映回のあとは「♯真相をお話しします」などの豊島圭介監督のアフタートーク。出演者がお互いに向かい合わずにみんな観客(カメラ)に顔を向けて話してる、というのは確かにそうだ。日本のテレビドラマもこれが多いのは、撮影の手間を減らすためだそうだけど、手間=コストなのでインディーズ的な出自のハートレー監督もコスト減が目的の一つだったのかな。この話を聞いて最初に思い出したのは「家族ゲーム」の並んで座る食卓でした。あんなカウンターだけの店みたいなキッチンなんて実際にはありえない。その一方、群像劇の場合、部屋にたくさん人がいると自然と中心を向いて円陣のようになって話すのもそれほど不自然ではないかも…。
とか、ハートリー監督の女優キャスティングの話とか。豊島監督は現彼女でありテレビドラマのスーパーヒーロー役のキム・タフが今までと系統が違うとのことでしたが、私はまさにエイドリアン・シェリー系統だと思いながら見てました。(エキゾチックさや派手さがプラスされているというのは、確かにそうですね)この系統はほかにはヤマザキマリとか…
この作品はわずか74分間。私、短い映画好きです。長いのが嫌いというわけではないけど、短い方が何本も見られるから…。それに、毒のない穏やかな笑いと、住む世界が違う人たちがじんわりと自然になじんでいく感じが好き。友達と、カップルで、家族で、誰と見に行っても少し幸せな気持ちになれる佳作だと思いました。
(そういえばエンドクレジットのSpecial Thanks toのなかにビヨルン・アンドリーセンの名前があったんだけど、あのビヨルン・アンドリーセンでしょうか。どういうつながり?)