映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フィリップ・ファラルドー 監督「グッド・ライ」1473本目

あまり大きな政治的な話にしないで、一つの家族だけに集中してよかった。
自分たちではどうにもならない事情で引き離された兄弟たちが、また巡り会う話。
関わりを持ってしまった人たちは、巻き込まれていくうちに自分のことのように力を貸しはじめる。そういうお話。

にしてはやっぱり、政治的な面も強い。リース・ウィザースプーンスーダン難民を救うファンドのために作った映画なのかも。彼女の主張を、押し付けがましくなく、誰もが自分に関係のあることとして捉えるようにするには、この映画はとてもよくできてると思います。私も、ドキュメンタリーの引いたカメラで写した映像とは違う家族の問題として初めて難民問題を見ることができたかもしれません。

バズ・ラーマン 監督「ムーラン・ルージュ」1474本目

デカプリオ版「華麗なるギャツビー」みたいだなぁと思ったら、同じ監督じゃないですか。
トランスジェンダーの美女たちが舞い踊る六本木のショーパブ的な世界。
もう15年も前の作品なんですねっ!ほんとに映画って、見ないでいると溜まってきちゃって大変。
マドンナの「マテリアル・ワールド」だのニルヴァーナの「スメルズ・ライク・ティーンズ・スピリット」だのT.REXの「チルドレン・オブ・ザ・レボリューション」と、往年の名曲「サウンド・オブ・ミュージック」とかを自由自在に組み合わせて、もうやりたい放題、なのが楽しそうでいいんじゃないでしょうか。ドワーフやニンフや紳士や娼婦たちが入り乱れて、まさに虹色の刹那的世界。

なんだけど、主役は今回、強くてまっすぐで健やかなユアン・マグレガーと、華奢なニコール・キッドマン。ギャツビーでのレオナルド・デカプリオとキャリー・マリガンといい対比ですね。それぞれに組み合わせに、退廃感は皆無で、とってもヘルシーなカップルに見えます。※運命が彼らを引き裂かなければ
※必ず引き裂かれてしまうのですが

ギャツビーもこの映画も、絢爛豪華な見た目に比べて意外なほど、見終わったときには、切ない愛の物語だったなという気持ちが残ります。だからこの監督は嫌いじゃないんだな。

マイケル・パウエル 監督「赤い靴」1475本目

イギリスでなんと1948年に作られた、カラー映画!
おっそろしく美しくクリーンに修復されていて、昔の映画に見えません。すごいよ本当に。
ヒロインの赤毛と、驚くほど澄んだ青い瞳。美麗端麗な映画・・・でしたが、いまひとつ集中できなかった・・
すみません・・・

ドン・シーゲル 監督「突破口!」1476本目

1973年のアメリカ映画。
NHKBSプレミアムはこの監督が好きなのかしら。超有名な名作以外にも結構放送しています。
でもその気持ちわかるわ。なんとなく地味なんだけど、すっごく面白かった。
目立たない飛行機乗りの泥棒のおっさんの、機転のすごいこと。
こんなに頭の回転が良かったら、人生面白いだろうなぁ!

主役を演じたウォルター・マッソーという俳優、ごめん、よく知りません。
でも本当に面白いから、この映画見ようかどうか迷ってる人は絶対見たほうがいいです。
超おすすめ。

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