映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

市川崑監督「どら平太」2331本目

市川崑監督、黒澤明らが脚色ですって。すごいけど、それほど構えないで見てもいい、軽めの娯楽時代劇です。 役所広司が主役の「どら平太」。役人だけどわざと不良を装って、街のワルどもを一網打尽にしようと企んでいます。眉毛をキリっと描いてるので、いつ…

鈴木清順監督「東京流れ者」2330本目

おもしろいなぁ。昔の歌番組みたいな真っ白のスタジオに、ほとんどライティングだけの設定で、主役の渡哲也や妖艶な歌手という設定の松原智恵子が歌う。とても美しいんだけど、リアリティと真逆の方向性が不思議。多摩川?を車で走る場面とか、小さいころに…

ジョージー・ルーク 監督「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」2329本目

いろいろ作りすぎてる気はするけど、この映画はとにかくメアリーとエリザベス、シアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーの演技が素晴らしいです。前情報なしで見たので、「シアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーに似てるけど、もしかして本人?」と思…

アンドレイ・ズビャギンツェフ 監督「父、帰る」2328本目

「ラブレス」も切ない切ない映画だった。日本にも悲しくて美しい映画を撮る監督はいるけど、子どもの切なさといったら…。この映画も、不愛想な兄弟が中心にいて、忘れられかけてた父が帰ってくる。「父帰る」というテーマは古今東西の小説や映画で語られてき…

サム・メンデス監督「ロード・トゥ・パーディション」2327本目

タイトルの意味は「破滅への道」か。 ポール・ニューマン、トム・ハンクス、ジュード・ロウ、ダニエル・クレイグとか、いつもは爽やかな善人の人たちが、わざと悪者っぽい演技をしてるって最初に思ってしまった。「タメ」の多い演技をさせていて、観客がつら…

ポール・トーマス・アンダーソン監督「ハードエイト」2326本目

この監督の映画を見る前は、けっこうワクワクする。いつも変でユニークな味わいがあるけど、次はどうくるか?きっと今回も、最後は(人間っていろいろ大変だしダメだけど、明日もまたなんとかやっていこう)って思えるんだろうな・・・って。 この映画は、ま…

スパイク・リー監督「ブラック・クランズマン」2325本目

レジェンド、スパイク・リーが監督!プロデューサーは「ゲット・アウト」「アス」を監督したジョーダン・ピールだ。潜入捜査官はアダム・ドライバー。タイトルの「クランズマン」の「クラン」=「Ku Klux Klan」。かなり期待して見たんだけど、いろんな意味…

川島雄三監督「わが町」2324本目

冒頭の南洋語りはちょっと見慣れない感じで面白い。 それが終わってタイトルが出てからは、急に関西弁で人情ものの世界。私はこの時代は知らないけど、まだがらんとした町なかの様子、いろいろあるけどみんな一生懸命だった時代の人たち、なんだか懐かしさが…

ハイファ・アル=マンスール監督 「少女は自転車にのって」2324本目

サウジアラビアは、女性の露出部分が世界で一番くらい少ない国だ。真っ黒な衣をかぶって顔は目だけを出す。だけどこの子はオテンバだ。ゴージャスな美人(モニカ・ベルッチみたい)の母親と雰囲気違いすぎ~~ この国では女の子が自転車に乗ることもできない…

東海テレビ制作「さよならテレビ」2323本目

このドキュメンタリーはじっさい、テレビ界隈で大いに話題になってるみたいです。ドキュメンタリー系の作品を作る人たちの中には、自分の強い信念に沿った物語を見せようとする人もいれば、とにかく深いところまでもぐって悪い部分を出そうとする人もいる。…

ダニー・ボイル監督「イエスタディ」2322本目

ふーむ。設定は面白いし、リリー・ジェームズは可愛いし、ヒメーシュ・パテルは可笑しいし、終わってほんわかするけど、ダニー・ボイルってこんなにヒネリを利かせない監督だったっけ?「スコットランドで一番汚いトイレ」みたいなインパクト、あけすけな生…