2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧
<映画も原作もネタバレ> 思うところあって見終わったあとすぐに原作のボルヘス「伝奇集」を借りて読んでみた。びっくり。原作はわずか5ページの「裏切り者と英雄のテーマ」という短編。しかもボルヘスが「こんな物語を思いついた」と書いたところでもう最…
なんで音楽がデヴィッド・ボウイなんだ?「ジギー・スターダスト」とか、およそ海の生活との縁が何一つなさそうなんだけど…。音楽担当はこれもDEVOのマーク・マザーズボウだ。(「レベル・レベル」のボサノバ風、なんかとても良い)最後のクレジットの長い楽…
友達から、東京走りまくってて面白いよと聞いて、見てみることにした。 みんなエネルギーあるなぁ…頭悪そうなオープニングだけど、この有り余る血気がうらやましい。MadMaxを思い出してオーストラリア映画化と思った、とか言うとオーストラリアに失礼かしら…
今日のE.M.フォースター特集、最後の作品。原作は、作者の死後に出版された禁断の小説です。 といっても愛に目覚めた相手と共に生きようとするのか、それとも世間的に自分にふさわしい相手を受け入れるか?という命題は共通してるようにも思えます。相手の奔…
流れでこれも再見。 これを見たころはまだ旅行らしい旅行をしたこともなかったので、ホテルの部屋の眺望が悪いと文句を言うなんて、ワガママというより贅沢だなぁと思ったものでした。 可憐なルーシー(ヘレナ・ボナム・カーター)に同行しているシャーロッ…
これなぁ、大学のゼミでやったやつ。公開当時にロンドンで見て、けっこうイメージ通りだった気がするけど、あまりに遠い昔なので久しぶりに見直してみます。(押入れの奥で発見した当時の駐在レポートによると92年5月21日にロンドンのCurzon Cinemaというと…
1933年の作品。最新版を見たけどどうも怖くなかったので、一番古いやつを見てみます。 これは、面白い。透明人間はほんとうに見えません。包帯を取っていくと何もない…というときのワクワク感!脱色作用のある植物を使うなら、最後にはアルビノになるだけと…
アマプラで見かけて、あまりにド真ん中のシンプルなタイトルが気になってました。冒頭の見慣れない「新東宝」のロゴも、おどろおどろしい。 音楽というか音響効果は、ウルトラマンとか昔の怪獣映画みたいな、出はじめの電子音とかが使われてる。場面ごとのつ…
<ネタバレあり> Amazonスタジオのオリジナル作品がアカデミー賞を受賞してしまった。 何も知らずに見始めて、ドラマーの主人公がレコード店で過ごしているときに、急に”音が遠ざかる”ような感じになってドキッとする。エレベーターや飛行機に乗ったときに…
アマゾンオリジナル作品。 若くてばかだったときにやってしまった銀行強盗で60年の刑を受けた夫。60年ってほぼ「一生」だ。息子が定年を迎えてしまうほどの年月。妻は車で待っていて3年半ですんだ。白黒だとふしぎなくらい時間を感じない。本人たちが撮った…
「透明人間」と「見えない人間」はちょっと違う。原題のほうが合ってる。だってクラゲは透明だけど見えるでしょ(←ヘリクツはいいから) しかしこの映画、あまり怖くなかった。というか全然怖くなかった。ずっと前から「今度は光学迷彩の透明人間の映画が出…
むかし、当時仲の良かった友達に原作を読めと言われて読んだ。なんで自分で面白いことを見つけに行かないで待ってるんだろう、異性とつきあう以外あんまり考えてないのってなんなんだろうと思って、共感できるポイントがひとつもない小説だった。その後、そ…
これ実はずっと見たかったんだけど、レンタルにもVODにも一切出てこないので、とうとう買ってしまいました。(英語版だったわ) ブルース・スプリングスティーンといえば「カセットテープ・ダイアリー」で懐かしく思い出した人も多いかも。この映画は2013年…
テレビドラマ的な映画が好きじゃないのでキムタクが出る映画は敬遠しがちだけど、「罪の声」を見た流れでもう1本アマプラいってみます。 二宮和也はともかく、吉高由里子もかつらっぽいボブで出てるなぁ。この役に市川実日子を使わずに吉高由里子をボブにす…
<ネタバレあります> ”連休直前、キネ旬ベストテン入りした日本映画を見まくる特集”でもやってるつもりか、私は。 この作品はパッと見、私が苦手なテレビドラマの映画化作品に見えるけど、なんかの記事ですごく面白そうだなと思ってました。 1984~85年の「…
愛妻物語といえば新藤兼人。映画を集中的に見るようになったばかりの2011年に見てました。あれからもう10年か(10年で3000本弱見たわけだ)。 のっけからダラダラしてるだけの夫と、彼をウザがるだけの妻。…妻、わかるなぁ…誰のせいでこんなに忙しく働いてる…
<ネタバレあり> 去年10月の公開、およそ半年を経てVODで見ました。原作は辻村深月。 子どもを持つことを望んでいる夫婦のどちらかの生殖器官が子どもを作れないことがわかったときに、作れないほうが「離婚も考えてくれ」って言ったり、「いいよ」って言わ…
<ネタバレというか、あらすじ全部書いてます> 32分間の短編。 昨夜ナンパした女性の家で目を覚ました黒人男性。建物を出たところで、人にぶつかって白人警官に呼び止められ、いちゃもんを付けられて取り押さえられ、押さえどころがまずくて窒息してしまう…
Netflixの契約が今日までなのであわてて見る。アカデミー賞の短編作品賞にノミネートされている、わずか12分の作品。 タイトルが気になってずっと見ようと思ってた。小さい女の子が過干渉のおばあちゃんにでも「愛してる」って言っておく映画かと勝手に想像…
迫りくるアカデミー賞候補作だし、原作のほうが映画より悲惨という情報も入ってきて、気になったので映画館いってきました。実名でアマゾンやウォルドラッグ(ウォルマート経営のドラッグストアかな)が登場し、ロケまでやらせてもらってる映画の限界という…
英語のタイトル「Breathless」はフランス語の直訳なのね? 前に見たときは感想を書かなかったみたいだけど、ジーン・セバーグが「ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン!」って言いながら新聞を売り歩いてたのがカッコよくてキュートで、もうそこだけ一生忘…
予想はしてたけど、これは、ものすごくコンテクストが重要な作品だな。あの大林宣彦監督の、よりによって最後の作品。ということをほぼ全員知った上で見て評価してるわけだけど、全く知らずにこれを見たとき、どのように私は楽しめるだろうか? わりあい最近…
ソマリアでの米軍の戦闘、そして敗退を描いたシリアスな戦争映画。 高野秀行「謎の独立国家ソマリランド」を読んだらこの映画のことが出てきたので見てみました。あんな抱腹絶倒の本のあとにこれを見るのってどうかしてる気もするけど…。映画のシリアスさに…
若くて才気走った監督のデビュー作。1つのシチュエーションだけで押し切る作品。先が見えない道路の上での出来事を、息もつかせないほどの緊張感で一気に見せる。という意味で、ジャンルも国も違うのに村田喜代子のデビュー前の作品「熱愛」を思い出してし…
原題の「All the President’s Men」って「オールザキングスメン」の応用だな。みんな揃って口をつぐんでる。ウォーターゲート事件は発生が1972年、ニクソンの辞任が1974年8月なので、この映画が作られた1976年はまだ興奮冷めやらぬ時期ですね。何というか、…
戦争って…。 ここまでひどい米軍の戦地はベトナム以降はないのかと思ってた。第二次大戦中の日本軍はもっとひどかったのかもしれないけど。同じ軍人でも、理性のある戦地しか経験してない人は、「甘えるな」なんてことを口にしてしまうのだ。軍隊は正義だと…
やっとBSプレミアムで放送されたので、録画して再見。といってもこれは「NHK番組」なのでプレミアムシネマの枠ではありません。 一度(劇場版を)見たあとで見ると、高橋一生の虚々実々とした感じと、蒼井優のまっすぐに、切実に、正直な感じがこの映画には…
タイトルがいいですよね。Some like it hot、ホットを好む人もいる(コーヒーか?)、を「お熱いのがお好き」と変えるだけで、マリリン・モンローの色っぽい表情まで浮かんできます。実際は「86度のコーヒーを出したそうだな」っていうところから、熱いコー…
リメイクを2本ともだいぶ前に見たあとなので、楽しめるか不安だったけど、イタリアの野性味あふれるジーノと彫りの深いジョヴァンナ、小太りの夫、というキャラクターがわかりやすくチャーミングで、すぐに物語に入り込んでいけます。 家庭でくすぶってる主…
たまには、気楽に見られそうな邦画も見てみる。 リアリティゼロのファンタジーでありながら、最後の最後に教訓めいたことまでキャストたちに言わせてしまう…わかりやすさを極めようとする日本の映像作品のひとつの典型かもしれません。 喫茶店とコーヒーとタ…