2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧
ポールニューマンはいい男だけど、それほどぐっとこなかった。 一番素敵だと思ったのは、流れ者のハスラーと、名前も素性も怪しい、夜明け前の駅のカフェの女との出会い。 ゾクゾクしますね〜。こういう恋愛がしてみたい、いや、してみたかった。 この二人、…
1968年かぁ。よくここまで高品質な映画が撮れましたね。 VHSのソフトを持っているけど、HD画質で見直してみようと思って録画しました。 おそろしく綺麗です。難解だけどカルトでもマニアックでもない。 モノリスが磨き上げた墓石のように輝く。すごい。 何度…
エロ+情感で、いやらしいというより悲しいような、だけど意外と乾いて暗くない世界を作るんだな。 “名美”を大竹しのぶがやってたというのは、ちょっと意外。 永瀬正敏はとってもいいですね。熱い心をコントロールしきれない、すてきな青さを演じられる人で…
この時代(1977年)を思い出す上で、とっても面白く興味深い作品だなぁ。音楽が大野雄二だと、どうしても「ルパン三世ふう」って思ってしまう。 三船敏郎だの鶴田浩二だの岡田茉莉子だの松田優作だの、不必要に大物が出そろってて面白い。 アフリカふうのファ…
スリリングな展開とか、やばい死体とか、ダニーボイルらしいところがたくさんあるけど、ワンパクな小僧がしぶとく生き残るポジティブさが、今回は感じられませんでした。「ポワゾン」のアンジェリーナ・ジョリーを思い出させる、ロザリオ・ドーソンのエリザ…
「ダークナイト」に引き続き、みっちりと構築された傑作でした。 爆破シーンの見事さ。キャットウーマンのバイクのUターンするときのカッコよさ。 ストーリーも何もかも、お祭りのような騒ぎをあえてしないで、じっくりと抑えています。しかし暗いなぁ。 画…
ドキュメンタリーふうに始まるけど、本編が始まると、その後はずっと藤田まことを中心とした人間ドラマというかんじの展開です。でも、全体にすごくトーンを抑えてあって、カメラは普通よりちょっと引き気味、演技もおさえていて、感情を出さない…。立派な上…
岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子。もーこの女優さんたちの美しいことといったら。 岸恵子このとき51歳。佐久間良子44歳。吉永小百合は43歳だけどせいぜいアラサーという役で、43歳の“初老の男”とお見合いして断ったりしてます。本当に若…
全編パロディ。ハリウッド的なギャグやウィットがたっぷりで、映画好きな人ならクスリと笑える場面がたくさんあります。 敏腕プロデューサーだとか呼ばれてる人たちの仕事のメインは、多分人間関係の調整なんだろうな。 この映画よりもとんでもないことだっ…
また、マルチェロマストロヤンニとソフィアローレンがカップル。今回は、行きずりの恋ではなく、若い夫婦です。 おもしろい組み合わせですよね。超セクシーな野生児ソフィアと、知的で、甘く苦い穏やかな大人の男マルチェロ。これが理想のカップルなんでしょ…
黒い縁取りの文庫本が、教室の後ろの「学級文庫」の棚に並んでたのを覚えてます。 読むと怖くてトイレに行けなかった!この映画はちょこちょこ、細かいところを覚えてるなー。高峰三枝子が立派で怖かった。 島田陽子23歳が可憐すぎる。石坂浩二37歳はみ…
同じことを「去年マリエンバードで」でも書いた気がする。 詩的でモノクロでゆったりとしたペース。美しい言葉と、成熟した大人たちが、世のはかなさを眺めてる、というのが生理的に合うみたいです。天使おじさんたちの優しさに、肩肘張ってる自分の心が溶け…
これも、公開されてすぐに見たのですが、このたびベルリン旅行を企画するのに伴って、見直してみました。 音楽がいいですね〜。軽くていい感じのテクノ。 赤すぎるローラの髪も、アニメに変わる感じも、ゲームの中にいるみたいです。 そしてオレオレ詐欺かと…
2000年代、わりあい最近作られた映画です。 大統領の亡命、拉致監禁、暗殺未遂なんていう政治的大事件が、このぬるま湯のような国で実際に起きたというのは大層なことで、そりゃ映画化したくなるでしょう。阪本順二監督の映画はかなり好きだけど、この映画に…
あんまり真剣に見てなくても、完全についていける。 まあまあ面白く、なんとなく退屈しない。テレビっぽいなぁ。 …というふうに流して見たけど、意外なことに、だんだん終盤面白くなってきた。 暴力に暴力で対抗していては、誰も幸せになれない。という結論。…
なるほど。200分と長い映画だけど、テキサスを背負って立つ若者たちがどう年を取っていくかというところが見所なんだな。 最初は、美人で勝ち気な娘や恰幅のいい青年実業家が出てくる、ホームドラマかな?と思ったので、それにしては筋にあまり盛り上がりがな…
三谷幸喜の作品とは、あまり相性がよくないのですが、これはバカバカしくて笑えました。 深津絵里演じるダメダメ弁護士の天然っぷりが良くて、マンガみたい。 中井貴一のマジックも笑った。 阿倍つくつくも…。 大マジメに演じるいい俳優さんが揃ってるから、…
前評判がいいみたいだけど、まったく知識ゼロで見てよかった。 大好きなオバカ映画「ハングオーバー」のブラッドレイ・クーパーの勢いを持て余した若者っぷりもすがすがしいし、なによりジェニファー・ローレンスが本当にいいですね。 この映画では、可愛い…
音声レベルをもっと調整してほしい。せりふが聞き取れないところが多いです。 それに、坊主頭の背格好の似た子が二人、同じような姿の兵隊さんが大勢で、ちっとも見る人にやさしくない映画です。でも、それと、映画自体がわかりやすいかどうかは別で、柄本少…
やっと見ました。 「ブレードランナー的」という言葉をこの30年の間に何十回聞いたことか。 日本で始まったばかりの頃のMTVのIDが、みんなこんな感じだったような。 ビデオゲームの「クーロンズゲート」みたいな。大友克洋のマンガみたいな。 たいがい、この…
渋ーい佳作です。BSプレミアム、いつもいい映画やるな〜。英文学を勉強したはずなのに、アイリス・マードックのことを知りませんでした。恥ずかしい。 でも、解説を読むと私が好きそうな作家なので、さっそく著書も購入。 今この作家はブームでないらしく、…
表現の幅の広いルイ・マル監督ですが、これは「死刑台のエレベーター」の世界に近いです。 「死刑台」の音楽はコルトレーン、こっちはエリック・サティ、と、いやになるくらいセンスがいいです。 そしてハンサムで神経質な主役に、同じくモーリス・ロネ。 今…
ビートたけしの映画の世界デビューとか、デビッドボウイとか坂本龍一とか、いろいろ話題のある映画だけど、結局は大島渚監督のへんな映画なんだな。ビートたけしの、魚屋の親父みたいな普通さが素晴らしいけど、ボウイをはじめとしてそれ以外の役者さんたち…
マット・デイモンって、映画に対する前のめりのやる気が感じられますね。 悪者といいやつがハッキリしていて、テレビドラマみたいに楽に見られるけど、駆け引きが面白いし、「世の中って汚い」みたいな安易な社会批判でなく、しっかりと細部が描かれているの…
中年以降のイタリア人の顔には、笑いジワと眉間の1本ジワの両方がある人が多い。 と、不思議に思ったことがありました。 普段は前にずんずん進んで行く感じで、カラッと明るい彼らの、眉間のシワはどうしてできるのか? この映画のなかのマルチェロ・マスト…
1945年の作品。 原題は「A Tree Grows in Brooklyn 」。ブルックリンってエリアの名前だから「思い出横丁」のように「ブルックリン横丁」ってのはちょっとヘンではありますが、当時の日本では、貧しい町で助け合う人たちの様子が「横丁」という言葉だけで伝…
「過去に戻ってやり直すと、いじればいじるほどひどいことになる」っていう小説を読んだことがある気がする。 佐藤正午か?と思って調べてみたら「Y」って小説のことだった。文庫本が2001年に出てるから、佐藤正午のが先だ。この映画作った人たち、ぜったい…
おめでたい、と言ってもいいほどお気楽なコメディ。 爆笑するほどではないけど、カラカラっと笑ってすっきり。 スラップスティック、ドリフ系。 これがその後「ハングオーバー」とかに進化していくんだなー。アメリカのコメディ映画の歴史を系統立ててみて見…
よくある家族の葛藤かもしれない。 親の過剰な愛情や期待 vs 神童の繊細さ で、負けるのは常に小さく弱いほう。 世界中の人がみんな自己実現しようとしたら、ぶつかり合うのは当然だ。 ぶつかり合いながら、運や不運に左右されながら、それでも自分が生まれ…