これもまた、見た後のあたたかい気持ちが、スピルバーグ。という作品でした。 ミシェル・ウィリアムズやっぱりうまい。悲痛な、身体の奥から湧いてきて止められない悲しみや渇望が、見ているものの胸にそのまま伝わってくる。これは、映画に夢中になった男が…
新宿JAMの存在くらいは知ってたしコレクターズのライブもどこかで見た記憶のある元ロック娘の私でも、この映画の存在は知らなかった。これからこの映画を見る人はどれくらいいるんだろう。みんな見ればいいのになぁ。 JAMの場所は東新宿のほうなのか。全く行…
<いろいろネタバレあります> 何やら陰鬱な表情の、若い田舎司祭が新しく村にやってくる。「ラルジャン」のロベール・ブレッソン、誰にでもある良い心と悪い心の葛藤や、悪運に巻き込まれて逃れられない運命を、あの映画でも描いてたように思います。 この…
公式に医師の手に寄らず堕胎するって、最悪どういうことだろう・・・と想像したおそろしいことが一通りぜんぶ時系列的になぞられた映画でした。さすがアニー・エルノー、今たぶん世界一自分を客体として観察できる人。一切目を背けずに、”そのこと”を写し続…
これは、胸に来るな・・・。戦後の混乱のなかを必死で生き抜いてきた人たち。世の中のモラルは、いつも後付けなのだ。一番大切なのは、生きること。それと、愛すること。その二つをまっとうした美しい生命たちの可憐な姿をいくつも見せてもらいました。 元次…
枯れた味わいのある、山菜や筍の土くささが漂ってくるような作品。河瀨直美の一連の作品や、「リトルフォレスト」や、NHKの「やまと尼寺 精進日記」など、山のものを料理するいろんな映像を思い出す。(お通夜の日にネクタイ締めて料理している沢田研二は、…
「トータル・リコール」「氷の微笑」、イザベル・ユペールの「エル」を監督した、あのバーホーベン監督の2006年の作品。全編ドイツ語です。この監督の作品は、人物のたたずまいがリアルで、よく知っている誰かを見ているような生々しさがあります。(たとえ…
アイデアは既視感がある。でも安藤サクラ、窪田正孝、妻夫木聡をはじめとする役者さんたちの演技がよくて、ぐいぐいと見せてくれました。出自を偽りたい事情のある人はたぶんたくさんいて、それぞれに深くて暗い物語があるから、まだまだ映画はこのテーマを…
これは那覇から戻ってくるANAの機内で見た。機内で映画を見る時代が戻ってきたのね、としみじみ・・・。那覇や石垣行きでもなければ、国内線でちゃんと映画一本見切れないもんね。 この作品はとにかく、ヒロインのベラを演じるジェシカ・ブラウン・フィンド…
せっかくGWに沖縄で羽根を伸ばそうというときに、ついこういう作品を選んでしまう。やんばるの森で2泊する前の夜に、那覇で街歩きしたあと、ホテルの無料VODで見ました。本土のVODでこの作品を見かけたことはありません。今は世界遺産になった森を舞台に行わ…
立派な20世紀FOX映画だけど、日本で劇場公開されなかったのでKINENOTEには載ってません。(Netflix作品を1日でも公開すれば「映画」扱いだったりする、この扱いの不均一・・・。) 実は一度VODで課金したのに、ちゃんと見ないうちに期限切れにしてしまいまし…
見るのが辛いかな、と心配しながら見たけど、金子文子を演じたチェ・ヒソとパクヨルを演じたイ・ジェフンがあまりにもチャーミングで、普遍的な物語として見ることができました。映画の冒頭に、パクヨルの「日本の民衆には親しみを感じている」というセリフ…
久しぶりにこういう映画を見た気がする。こういう、というのは、非力な傷ついた者たちの静かな諦念が、リアリティをもって伝わってくる映画、ということ。 現実の犯罪サバイバーのその後は、人の数だけ違うパターンを描くんだろうけど、物語のなかで描かれる…
タイトルは間違いではないけど、地下室っていうと密閉された倉庫か何か、少なくとも客を入れたりしない録音スタジオかなと思う。これはイーリング・クラブという、かつてロンドン郊外で一部のコアなブルースマニアたちを熱狂させたライブハウスのお話。 ブル…
<結末にふれています> 4月だし何かちょっと勉強しようかな、中国語なら第二外国語でやったから、中級講座からいけるんじゃないか・・・とNHKラジオの「ステップアップ中国語」のテキストを買ったら、3か月かけてこの映画の脚本の色々なフレーズを学ぶとい…
マリリン・モンローの伝記を書いた作家が、残されていたインタビューテープを元に、彼女の人生と死に至った経緯をさぐるドキュメンタリー。 こんなに可愛い、誰もが愛さずにいられなかった女性が、どうして10回も里親を変えられたりするのか、どうして幸せじ…
最初のほうはみんな、演技がかたいなぁと感じました。監督の初期の自主制作作品みたい。 椎名桔平が演じてるのは、面白い男だなぁと思うけど、「冷たい熱帯魚」のでんでんや「凶悪」のリリー・フランキーみたいな背中が鳥肌立つようなうすら寒さはなかった。…
<ストーリーに触れています> 「イン・ザ・ハイツ」と同じ監督なんですね。で、原作となった戯曲を書いたジョナサン・ラーソンは「RENT」の作者。彼はこの戯曲とRENTを書いてすぐに亡くなってしまった。 この映画のなかで、主役のジョン(ジョナサンの略「J…
これもNetflixでしか見られないやつ。マリリン・モンローに対する性暴力の実際の有無や表現に対する疑義がさかんに語られた問題作ということで、見るかどうかも迷ったけど見てみました。 アナ・デ・アルマスは適任だと思う。マリリン・モンローに似ているか…
<結末にふれています> これは見ごたえあったなぁ。見る前にいくつか他の方の感想を読ませていただいたのですが、かなり違う印象を受けた気がします。面白いなぁ、多分もともとの興味の方向性とかで違ってくるんでしょうね。 最初は、カンバーバッチ演じる…
この映画は、ショービズのきれいな部分を一枚めくったら見えるお金と欲を描いているけど、プレスリーの妖しい美しさは感じられなかったし、ワイドショーみたいにテレビっぽく思えて、あまり感動できなかったなぁ・・・。映画のタイトルは「エルヴィス」では…
これもまだ見てなかった。1980年代に韓国からアメリカへ移住して農業に従事した人々の物語。1980年代なんてつい最近だ。Windowsだってバージョン1と2は1980年代の発売だ。私が中学~高校~大学と通学してた時期の話。「ジャパン・アズ・ナンバー1」が売れ…
<ストーリーに触れています> ミシェル・ヨーのボンドガールをそういえば見てないかも?と思って見てみました。 ボンドガールって印象じゃないですね、綺麗なのにあまりにデキるので、ボンドの相棒(あるいはライバル)にしか見えない。彼女を主役にしたハ…
<結末にふれています> 名高い1930年版の旧作を見た記憶があるけど、感想は書いてませんでした。詳細はほとんど忘れてしまったけど、戦争をずっと経験してきてなんの希望も持たなくなった主人公が最後にやられて、それにもかかわらず戦場から本国へは「西部…
映画のデザインセンスやテンポが変わってる。往年のソール・バスの焼き直しみたいなタイトルとか。それと、強烈に豪華なキャスティングがまず印象的です。 彗星を発見した主役の二人はジェニファー・ローレンスとレオナルド・デカプリオ。切れ者の若い女性と…
これ公開されたら見に行こうと思ってたけど、映画館では上映されなかったのね。他で見られない作品がだいぶ溜まってきたので、とうとうNetflix加入しちゃいましたよ。(見たいの全部見たらすぐ解約するかも) そういえば、前作もすごく楽しかったけどトリッ…
テーマはあまりに見慣れてるように思えたけど、見てみたら実に魅力的な作品でした。キャラクターもストーリーも頭に入ってるのに、表現だけの違いがすべてだといってもいいのかもしれません。 デル・トロ監督なので、子どもの純真さを哀しく描いて胸を打つの…
日本ではこんなに本格的な法廷ものの映画って少ないんじゃないかな?構成も背景調査もしっかりした作品で、映画としての出来はすごく良かったと思います。 一方、取り上げられた事件そのものについてはどうなのか?・・・一昨日この映画を見に行ってから、あ…
「バクマン!」の題材をアニメにしたような作品かと思って見てみました。あれも面白かった。あっちはジャンプの人気マンガが原作、こっちは意外にも辻村深月が原作。映画になった作品を並べて見てみると、原作の形態の違いはあまり気になりません。どっちも…
この映画は、見始めてすぐ、あみ子ヤバいぞ!と気づいて、病院から赤ちゃんを抱かずに帰ってきたお母さんに「赤ちゃんは?」「赤ちゃんは?」と大声で毎日100回繰り返して、家族総出でボコボコにされるのかな、とドキドキしました。これは義母の視点。私もピ…