これは面白かった!手に汗握る、練り上げられ、エンタメ性の高いサスペンスです。ヒッチコックらしい強烈なスリル、「どうやって撮った!?」と思うような映像効果、大勢の人たちの中にいるのに助けてもらえないというシチュエーション… そしてクライマック…
日経新聞をほんの短期間読んでたことがあるんだけど、「私の履歴書」のほかに、あの新聞の映画欄はとっても好きだった。あの欄の紹介を見て、岩波ホールに「五月のミル」とか見に行ったりした。今はネットで見てたんだけど、ここ数か月更新がないということ…
あきらめの中にある母の愛を克明に描けた、たいへんな名作でした。最後の最後まで、まるで印象の薄い地味で従順な母が、というギャップが強烈。 この映画の中で、母が息子を追う最後の10数分間を除いた部分は、私にとっては、言葉は悪いけど「むなくそわるい…
ヒッチコックの作品も、見てないのが残り少なくなってきました。さすがに「傑作」にあう確率さがってます。 普通は夫婦のうちどっちが孔雀かというと、着飾った奥さんかな?と思うけど、この映画ではフラフラ飲み歩いてる「孔雀」が夫で、働いて稼いできてそ…
KINENOTEでタイトル「リング」と検索すると2つヒットします。例のシリーズものと、これ。こちらのリングはボクシングのリングと腕輪のダブルミーニングです。 時は1927年。まだまだ無声映画の時代。冒頭の遊園地の描写は、コントラストの強い白黒映像で、ブ…
このところ全然映画を見る時間がなかったな~。機内で途中までしか見切れなかったこの映画、やっと借りられました。 「指輪」前のチンピラ役ばっかりやってたヴィゴ・モーテンセンが好きで、最近はその路線の役ばかりなので個人的には嬉しい。この映画ではほ…
市川崑監督、黒澤明らが脚色ですって。すごいけど、それほど構えないで見てもいい、軽めの娯楽時代劇です。 役所広司が主役の「どら平太」。役人だけどわざと不良を装って、街のワルどもを一網打尽にしようと企んでいます。眉毛をキリっと描いてるので、いつ…
おもしろいなぁ。昔の歌番組みたいな真っ白のスタジオに、ほとんどライティングだけの設定で、主役の渡哲也や妖艶な歌手という設定の松原智恵子が歌う。とても美しいんだけど、リアリティと真逆の方向性が不思議。多摩川?を車で走る場面とか、小さいころに…
いろいろ作りすぎてる気はするけど、この映画はとにかくメアリーとエリザベス、シアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーの演技が素晴らしいです。前情報なしで見たので、「シアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーに似てるけど、もしかして本人?」と思…
「ラブレス」も切ない切ない映画だった。日本にも悲しくて美しい映画を撮る監督はいるけど、子どもの切なさといったら…。この映画も、不愛想な兄弟が中心にいて、忘れられかけてた父が帰ってくる。「父帰る」というテーマは古今東西の小説や映画で語られてき…
タイトルの意味は「破滅への道」か。 ポール・ニューマン、トム・ハンクス、ジュード・ロウ、ダニエル・クレイグとか、いつもは爽やかな善人の人たちが、わざと悪者っぽい演技をしてるって最初に思ってしまった。「タメ」の多い演技をさせていて、観客がつら…
この監督の映画を見る前は、けっこうワクワクする。いつも変でユニークな味わいがあるけど、次はどうくるか?きっと今回も、最後は(人間っていろいろ大変だしダメだけど、明日もまたなんとかやっていこう)って思えるんだろうな・・・って。 この映画は、ま…
レジェンド、スパイク・リーが監督!プロデューサーは「ゲット・アウト」「アス」を監督したジョーダン・ピールだ。潜入捜査官はアダム・ドライバー。タイトルの「クランズマン」の「クラン」=「Ku Klux Klan」。かなり期待して見たんだけど、いろんな意味…
冒頭の南洋語りはちょっと見慣れない感じで面白い。 それが終わってタイトルが出てからは、急に関西弁で人情ものの世界。私はこの時代は知らないけど、まだがらんとした町なかの様子、いろいろあるけどみんな一生懸命だった時代の人たち、なんだか懐かしさが…
サウジアラビアは、女性の露出部分が世界で一番くらい少ない国だ。真っ黒な衣をかぶって顔は目だけを出す。だけどこの子はオテンバだ。ゴージャスな美人(モニカ・ベルッチみたい)の母親と雰囲気違いすぎ~~ この国では女の子が自転車に乗ることもできない…
このドキュメンタリーはじっさい、テレビ界隈で大いに話題になってるみたいです。ドキュメンタリー系の作品を作る人たちの中には、自分の強い信念に沿った物語を見せようとする人もいれば、とにかく深いところまでもぐって悪い部分を出そうとする人もいる。…
ふーむ。設定は面白いし、リリー・ジェームズは可愛いし、ヒメーシュ・パテルは可笑しいし、終わってほんわかするけど、ダニー・ボイルってこんなにヒネリを利かせない監督だったっけ?「スコットランドで一番汚いトイレ」みたいなインパクト、あけすけな生…
意外と昔の映画です。1960年。2019年から振り返ってみると、イスラエル建国からわずか12年、と感じます。独特のケレン味のある映画を撮ってきたプレミンジャー監督が、イスラエル建国の経緯を本気で撮った大作。この監督なんとも好きなんだよなー。ちょっと…
解説を見ると「楽聖映画」とあります。ウィーンでヨハン・シュトラウス二世が伯爵夫人というパトロンを得て「美しき青きドナウ」を作曲し、一晩にして大スターとしてブレイクする、という、殺人も謎もミステリーもない映画。ヒッチコックなのに!ヒロインを…
原題は単に「Jamaica Inn」だけど、映画の中ではこの名前自体が怪しいものとされています。ぱっと見あっさりしてるけどねぇ。 トーキーになったばかりの時代で、画面が荒れているおかげで、荒くれ男たちが本当に荒く見えます。黒澤明の昔の映画みたいだな。 …
1927年、ヒッチコックの無声映画。おそらく全尺が残っていて普通に見られる最古の作品と思われます。 これは冒頭から殺人事件が連続して起こっていて、サスペンスの香りたっぷりです。ハートの抜型でクッキー記事を抜いて意中の女性にアピールするなんて、可…
1928年の作品。初めてヒッチコックの無声映画を見ます。 しかしこの映画はミステリーではなかった、残念ながら。この映画では画家のモデルになった人妻が、画家に好かれて夫にその仲を怪しまれ、画家と夫が傷害事件を起こしてしまい、離婚訴訟を起こされる。…
Amazon プライムの「ウォッチリスト」になんとなく入れておいたのにいつか提供が終わってたので、わざわざDVDをレンタルしてみました。 どこかでミステリーと紹介されてたのに、ゆったりとしたメルヘン的な感じで始まるのでどっちなんだと思ってたら、ウォン…
1975年、「ファニー・ガール」から7年後。ニッキーをはじめとして、以前と同じキャストがたくさん出ています。もしかして黒人メイドも同じ人かな?と思ったら「ファニー・ガール」のエマはRoyce Wallace、「ファニー・レディ」のアデルはMitti Lawrence、別…
1995年、24年も前か。ダンス・ウィズ・ウルヴズとかロード・オブ・ザ・リングを思わせる、歴史映画だけどファンタジックで美しい映像です。スコットランドなまりというかスコットランド語?が素敵。 でも、監督自身がヒーローを大真面目に演じるヒーロー映画…
今日はバーブラ・ストライザント特集。音楽だけで映像が出てこない箇所があるので戸惑いますが、昔の長い映画なので冒頭と幕間の音楽だけの部分があったのかな。VODだからその部分に映像がついてないとか? 「ローマの休日」と同じ監督だなんて、時代感覚が…
むかし一度テレビで見てるけど、レディ・ガガバージョンを見た後でちゃんと見直してみたくなりました。バーブラ・ストライザントとレディ・ガガはミュージシャンのタイプが全然違うのでどっちが良いとか悪いって話じゃないですね。 バーブラは中身の詰まった…
リチャード・アッテンボロー監督って偉いなぁ。(子どものような感想ですみません)「遠い夜明け」もいい映画だった。ただ声高に「差別反対!」と叫ぶだけの人とは違う。差別する人の内面も浮かび上がってくるし、差別される側の誇り高さにも目を向けてる。…
円谷プロ作品か?大映映画?グロテスクで派手な「不吉さ」の演出。それに、ベッドシーンでのポップな音楽のつけ方の不自然さ。カメラアングルは、やけに凝り凝りで(常に斜め、遠景、動きながら撮る、など)なんともいえない、おどろおどろしさ。チューブか…
おもしろい映画を撮る監督が、ベテランになって今度は「普通の人々」と違う特別な設定をしたくなってこんな映画作っちゃったのかな?とも思ったけど、この映画は珍しく原作があるから、いつもとちょっと違うテイストというか方向性になったんだろうな。 アン…