映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

シドニー・ルメット監督 「ウィズ」3077本目

これ実はずっと見たかった。1978年、43年も前にドナ・サマーやマイケル・ジャクソンをフィーチャーして作られた、黒人版「オズの魔法使い」です。 親密で暖かそうな謝肉祭のファミリー・ディナーの場面から始まります。同じ場面でもミヒャエル・ハネケだと絶…

アラステア・フォザーギル 監督「アース」3076本目

がんばって見なくていい作品、と思って見てみた。 野生の生き物たちを至近距離で臨場感たっぷりに写してて、見ごたえがあります。私、珍しい地形とか奇観も大好きなので、滝を上から(ドローンだよねきっと)写すのとか喜んで見てしまいました。命がけで食う…

レイ・エンライト監督「スポイラース」3075本目

西部劇に、アラスカが舞台のものもあるんだなー。西部といえば西部。あんな雪だらけのところ(イメージ)なのに、みんなアリゾナにいるときと同じ格好だ。ただ、砂漠ではなく地面はぐちゃぐちゃなのが違う。 ディートリッヒとジョン・ウェインの共演はすでに…

ディアオ・イーナン監督「鵞鳥湖の夜」3074本目

グイ・ルンメイがきれいでフー・ゴーがかっこいい。この二人は、どんなヨゴレた格好をしても存在感が透き通ってるような感じがするなぁ。 バイク泥棒のグループの仲間割れから、誤って警官を殺害してしまった男。こうなったからには警察からの報奨金を妻に残…

ジョン・フォード監督「静かなる男」3073本目

ジョン・フォード監督がジョン・ウェインを主役にした映画に、西部劇以外のものがあるって知らなかった。舞台はアイルランドか。出演者の名前には「オなんとか」「マクなんとか」「フィッツなんとか」が並んでいて、アイルランド系勢ぞろい! ウェイン演じる…

ポール・フェイグ 監督「スパイ」3072本目

だいぶ前に見て面白かったやつ。U-NEXTの視聴期限がまもなく切れるのでもう一度見てみます。冒頭の「なんで撃っちゃったの!」でまた吹き出してしまった。真面目なスパイ映画だと思いながら見るとこの意外性で笑えるんだけど、だんだん笑いを期待しながら見…

マイケル・ゴットリーブ 監督「マネキン」3071本目

何かの「おすすめ映画リスト」に入ってたのでU-NEXTで鑑賞。 これ昔テレビか何かで見た気がするな。この映画の頃はハウスって言葉が存在した気がするし、最近のマネキンは顔がないものが増えてるけど、この時代はしっかりメイクのマネキンが主流でした。 ア…

マシュー・ミーレー 監督「カーライル ニューヨークが恋したホテル」3070本目

こういう映画って、あまり旅をしないとか、ホテルに興味がない人が見てもつまらないのかも。幅広くどんな観客も楽しませるために作る映画とは違う。 私はこの映画は、デザイナーや画家のドキュメンタリーと同じジャンルのものとして見て喜んでるのだ。一生泊…

平山秀幸 監督「愛を乞うひと」3069本目

ネタバレあり。 意外といい映画だった。今でいう「毒親」の映画だとか、子どもの虐待の場面が執拗に続くと書いてあったのでちょっと心配だったけど。毒親ファーストジェネレーションは生き延びていて、セカンドジェネレーションはもっとマイルドで、サードジ…

細田守監督「サマーウォーズ」3068本目

なぜか見ないままきてました。先日映像業界の人たちとおしゃべりしたとき、「細田守はこの作品がピークだった」で盛り上がってたので、さっそくVODで見てみます。やっと夏らしくなってきたし。 結論。すごく面白かった。人物たちもOZの世界も、なんだかウキ…

森達也監督「A2完全版」3067本目

「A」に続いて2001年に公開された「A2」に、さらに編集を加えて2015年に公開された作品。(続けて見ると、ますます重いな…) 今度は上祐氏が出所してきたり、信者たちの居所があらゆるアンチの人たちに取り囲まれて反対運動の標的となります。…森監督は冷静に…

森達也監督「A」3066本目

U-NEXTに入ってたので見てみます。いつか見ようと思ってたやつ。1995~1996年の映像らしいんだけど、元気だったころの教祖や見覚えのある人たちの姿を見るのってちょっと怖い。選挙活動をしてたときのこととか思い出してしまうなぁ。 今ってヨガスタジオに行…

マリオ・バーヴァ監督「血みどろの入江」3065本目

お化け屋敷的エンタメ映画。自殺に見せかけた、車いすの老婦人が殺害され、その殺人犯が直後に殺害され…。グラマー美女のヌードやセミヌード、70年代の日本のドラマのような音楽。だんだん、誰が何のために殺人をしてるのかよくわからなくなってきて、最後は…

テレンス・ヤング監督「暗くなるまで待って」3064本目

大昔にテレビで見たような記憶もあるけど、見直してみました。アイデアがいいし、タイトルもセンスいいですよね。 人の命をなんとも思わない極悪人1人と、ちょっとした詐欺師2人だったのが、だんだん”キュウソネコカミ”状況に追い込まれて迫力と危険度が増大…

ロイ・アンダーソン監督「ホモ・サピエンスの涙」3063本目

これもずっと見たかった。でも映画館でこの監督の作品を見る自分が、間が保てる自信はない。何で見たいんだろう、好きかと言われるとよくわからないのに。 で感想を言いますと、画面は独特のグレーで覆われていて、前にも書いたけどハンマースホイという画家…

黒崎博監督「セカンドバージン」3062本目

史上最低じゃないかな、この作品のKINENOTEでの平均評点。「太陽の子」が映画版になると聞いて、この監督が過去に何を作ったか見てたらこの作品もありました。「火の魚」はとても良かったのにな。NHKはドラマの続編を映画にするのをやめて、映画版を作る前提…

ローレンス・カスダン 監督「殺したいほどアイ・ラブ・ユー」3061本目

お気に入りのケヴィン・クラインが出てるくだらないブラック・コメディだと思って適当に見てたら、リヴァー・フェニックスが出てる!ケヴィン・クライン演じる、ゴジラ並みに頑丈な浮気夫の殺害計画にどっぷり関わる役なんだけど、彼が殺しあぐねて雇った弱…

クシシュトフ・キェシロフスキ 監督「愛に関する短いフィルム」3060本目

以前の勤め先に外語大のポーランド語学科を出た同僚がいて、なぜポーランド語を専攻したんだろう、まだ17-8の子どもの時点で、と思ったことがある。すでに「惑星ソラリス」やキェシロフスキ監督の映画に出会って、人生変えられたのかな。…と思うくらい(つま…

クシシュトフ・キェシロフスキ 監督「殺人に関する短いフィルム」3059本目

しょっぱなが怖い。愛猫と暮らす私にはキツイ映像が続いて、キェシロフスキ監督ってこんなの作る人だったっけ?と思いながら、しばらく殺伐とした映像を見ていると、3人の登場人物たちが、最も望ましくない形で出会う。”殺人者”が本音を語り始めて、人間らし…

テオ・アンゲロプロス監督「霧の中の風景」3058本目

これもずーーっと見たかった。久々にTSUTAYA店舗に行ったので希少DVDをレンタル。 アンゲロプロス監督作品は、大人が出てくるイメージがあったので、あれ?ヴィクトル・エリセ?(それは「ミツバチのささやき」) いろんな人がいる。伯父さんは悪い人じゃな…

ギウリア・ブラザール 監督「ホドロフスキーのサイコマジック・ストーリー 」3057本目

ホドロフスキーは原作だけなのに、タイトルに彼の名前を入れれば日本でもそれなりに売れるんだろうか。ネームバリュー‥‥ 2019年に彼本人が監督した「ホドロフスキーのサイコマジック」っていう作品もあるんだけど、どう違うのか?TSUTAYAでこれをレンタルし…

ルイス・ブニュエル監督「銀河」3056本目

毎月あれほどDVDをレンタルしていたのに、U-NEXTに加入してからもう何か月も一枚もレンタルしてない…そしたらTSUTAYAから「新作でも何でも5枚レンタル無料!」クーポンが来ました。そういうことならVODに入ってない作品を借りに行っちゃうぞ、ということで渋…

ウディ・アレン監督「マジック・イン・ムーンライト」3055本目

コリン・ファースの役柄に既視感がありすぎるなぁ。でもソフィの霊感を信じるようになってからの後半は、完全ウディ・アレンの憑依状態になりました。ということは英国紳士はニューヨーカーが頑固になっただけってことか…? エマ・ストーン可愛いですね。明…

園子温監督「東京ヴァンパイアホテル」映画版3054本目(KINENOTE未掲載)

連続コンテンツ版としてAmazonプライム初期、2017年に公開されたものは当時見たけど(感想は書かなかったようだ)、映画版として再編集されたようなので、見直してみます。その後「ポーの一族」も読んでバンパイアの基礎知識もつけたし(?)、この映画に森…

ジム・ジャームッシュ監督「デッドマン」3053本目

これまだ見てなかった。ジョニー・デップはキャラが濃いというか存在感が強いから、モノクロの地味さが感じられない。服装のせいもあるけど、まるでウェスタンに見えない。 ディキンソン社長はロバート・ミッチャムなんだけど、年を取って精悍というより本当…

神代辰巳監督「棒の哀しみ」3052本目

30年近く前の作品。そうそう、昔はやくざさんはパンチパーマだった!髪型を見るだけで、誰とぶつからないようにすればいいかわかった時代でした。甲子園球児の坊主頭みたいにわかりやすかった。いつから誰もパンチにしなくなったんだろう。インテリやくざと…

ホウ・シャオシェン監督「珈琲時光」3051本目

動かないロード・ムービーみたいな感じ。20年近く前の作品なので、携帯は折りたたみ式でネットにはつながらない。喫茶店で人は本を読んだりPCを広げたりして、待ち合わせは携帯で話す。JRの駅まわりが、なんとなく古めかしい。浅野忠信がびっくりするくらい…

アルフォンソ・ゴメス=レホン 監督「エジソンズ・ゲーム」3050本目

直流/交流戦争か。エジソンが実は偉いだけの人じゃなかったことは、割と多くの人が「そんなの常識」だと思っているけど、ニコラ・テスラはイーロン・マスクが自分の電気自動車を彼にちなんで名付けたくらいの知られざる天才であることも、まあまあ知られて…

エヴァ・ウッソン 監督「バハールの涙」3049本目

「パターソン」のあの可愛い女性を演じたゴルシフテ・ファラハニが、怒りをエネルギーに戦線に立つ兵士の役をやっている作品。平和な場所に生まれれば、あんなに屈託なくおっちょこちょいで可愛い女性が、内戦地域で生まれると戦士になることがある…生き延び…

スパイク・ジョーンズ監督「マルコヴィッチの穴」3048本目

今見ても、実に面白かった。前はいつ見たんだっけな、変な映画って思ったことは覚えてる。その後「エターナル・サンシャイン」のようなチャーリー・カウフマンが脚本を書いた映画を何本か見て、この「変さ」は監督というより脚本家が原因だと気付いた。スパ…