映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ギラッド・エミリオ・シェンカル 監督「リーディング・ハウス」2562本目

なんだこの映画は?まったく何語かわからないこの言葉は、ヘブライ語?翻訳できる人すごく少なそう…多分英語原稿と一緒に海外配給してるんだろうな。 怪しくて雰囲気があって、なかなか楽しめました。ものすごく特殊なストーリーとか大どんでん返し、とんで…

シャロン・マグワイア 監督「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」2561本目

楽しい。元気が出るわ~。ブリジット・ジョーンズは英国の国民的アイドル?ですね。ハリウッドの美人女優やモデルと違って、ちょっと丸くておっちょこちょいで。 コリン・ファースだのパトリック・デンプシーだの、世界で最もチャーミングな50代ベストテンに…

塚本晋也 監督「斬、」2560本目

この映画、見る前はきっと最初から最後までうるさくて忙しくてずーっと血しぶきが飛んでるような映画だと思ってました。すみません。 中村達也、俳優らしくなってきたなー。「龍馬伝」で暗殺者の役をやったときは立ち居振る舞いが現代っぽかった(それでも相…

ニール・マッケイ 監督「ミッション:60ミニッツ」2559本目

これ以上本格的だと私にはちょっとコワイので、このくらいでいいです。 リアリティショーの怖さを引き延ばした映画だと思うけど、そりゃあ「ハンガーゲーム」や「バトル・ロワイアル」のほうが怖いよ。イヤな感じもあっちのほうが強い。 この映画は突然今か…

アンソニー・アスキス監督「予期せぬ出来事」2559本目

1963年の作品。面白かったです。ロンドンの空港からマイアミへ発とうとしている「VIPたち(これが原題)」つまり今でいう上級会員(この頃は著名なら顔パスだったみたいだけど)の客の人間模様を、元々彼らが抱えていた問題と、霧による遅延・欠航という事件…

ペドロ・アルモドバル監督「セクシリア」2558本目

(ネタバレあり) アルモドバル監督の常連、セシリア・ロス。「オール・アバウト・マイ・マザー」であんなにド迫力を見せた彼女もこのときはまだ20代。イケイケのセクシー美女です。ネーミングが愉快ですね、セクシーなセシリアだからセクシリアって名付けた…

フランク・ペリー 監督「泳ぐひと」2557本目

バート・ランカスターこのとき50代だけど、最初から最後までずっと水着姿でした。ひたすらプールを泳ぎたがる男の映画と聞いていて、なんとなく成りゆきも結末も見えてたけど、本当にそれだけの映画を作ったんだ!というのが面白いし、感想を読むと、町山氏…

ミロシュ・フォアマン監督「ヘアー」2556本目

すっごいサイケでヒッピーな映画! ファンカデリックのCDジャケットみたいなヒッピーたち。長髪を切って軍隊に入るという「ヘアー」か。なんかそういう歌あったな。就職が決まって髪を切るとか…(cf.「いちご白書をもう一度」1975年) 思い切り反戦的で反体…

マドンナ監督「ワンダーラスト」2555本目

「僕の大事なコレクション」で英語のあやしいウクライナ人通訳をやったユージン・ハッツが出てるので借りた。今回は正しい英語を話しています。ポルカ・パンク・バンド?をやっていて、男性向けSMのSをやってお金を稼いでますが、階下に住んでる盲目の元詩人…

デイヴィッド・リーン 監督「オリヴァ・ツイスト」2554本目

デイヴィッド・リーンですよ。新大陸へ大旅行をする大映画をたくさん残した、「インドへの道」「アラビアのロレンス」の。 オリヴァ君は端正なんだけどいじめられ続けて悲壮感が漂っています。彼が流れ着いた泥棒の親方はアレック・ギネス。まだダークサイド…

ウィリアム・ワイラー 監督「嵐が丘」2553本目

ローレンス・オリヴィエのやつ。また見ました。 いくらマール・オベロンが可憐でも、ヴィヴィアン・リー以外にはキャシー役は考えられない気がする。だってヒースクリフがローレンス・オリヴィエだから。彼の妻への愛情は、ヒースクリフがキャシーに捧げたよ…

ジュリアン・デュヴィヴィエ 監督「アンナ・カレニナ」2552本目

ヴィヴィアン・リー主演のやつです。クラシックの名作だけど私が先に見たのはキーラ・ナイトレイのごく最近のやつだけ。ヴィヴィアン・リーのほうが業の深さを体現してくれるのではないかと期待。 作りが1948年らしい、なんというか「まじめな」流れなので、…

ヴィクター・フレミング監督「ジキル博士とハイド氏」2551本目

上品なオープニング。純文学の洋書ペーパーバックの目次ページみたい。 ヴィクター・フレミングはジュディ・ガーランドの「オズの魔法使」の監督か。スペンサー・トレイシーは「花嫁の父」でエリザベス・テイラーの父をやった人、そういう年代の人なのか。彼…

チャールズ・ヴィダー 監督「カルメン」2550本目

リタ・ヘイワースといえば、米兵が兵舎の部屋の壁にピンナップを張り付けてるというイメージ。これは第二次大戦後すぐの1948年の作品。彼女はブルネットの色白でぶっちゃけジプシーには全然見えないし、フラメンコはスペイン人が見たら怒るだろうという適当…

木下恵介監督「笛吹川」2549本目

白黒フィルムを鮮やかに彩色した画面。1960年の作品。 面白いですね、なんか怖いですね。賽の河原かと思ったら合戦場のあと、累々と死体が横たわっているフィルムを紅色に染めています。今なら、元の色をもう少しうまく着色できるんだろうな。1960年っていっ…

ガイ・ハミルトン 監督「レモ 第1の挑戦」2548本目

訳ありで組織に顔と名前を変えられて特別捜査官にされる、ってすごく既視感があるのは、この映画をあとのが真似たから?ではない気がするなぁ。謎のアジア人武闘家「チュン」ってどうもおかしいと思ったら一重まぶたふうにメイクしただけの「キャバレー」の…

ジュリアン・シュナーベル 監督「夜になるまえに」2547本目

ハビエル・バルデムがまだ若くて(なのに既に重厚)英語がちょっとまだ慣れない感じ。というかなぜキューバの映画なのに英語でしゃべってるのか。…アメリカ製作の、反革命政府の文学者の映画だからですね。2000年にはアメリカがキューバで映画を撮れたのか。…

ペーター・ハントケ 監督「左利きの女」2546本目

ヴィム・ヴェンダースが製作に入っていて、彼の映画の脚本で見かけるピーター・ハントケが監督。そして、かなり若いブルーノ・ガンツの出演作品です。1977年。統一が1989年だからまだ完全に「西ドイツ」の時期の作品です。 だけどなんとなく北欧かロシアの映…

ウォン・カーウァイ監督「2046」2545本目

ブレードランナーは2046年だっけ?と思った人が1万人はいたであろう、冒頭のネオ香港的な街並み。違うんですよ、ブレードランナーの舞台は去年の2019年。しかもこの映画でいう「2046」は年号ではなくルームナンバーということになっています。美しい男女が美…

山田和也監督「プージェー」2544本目

ちっちゃいおさげの女の子が、堂々と大きな馬を乗りこなしてる。カメラを向けると、馬が嫌がるから遠くへ行けと怒る。このりりしい女の子がこの映画の主人公です。 素朴な遊牧民の暮らし。「ゲル」の中は暖かく快適そう。解体したやつは、トラックで一気に運…

ウィル・グラック監督「ステイ・フレンズ」2543本目

まぁ笑っちゃうくらい徹頭徹尾オシャレなカップルだこと。めちゃくちゃ仕事ができて、すっごくルックスとスタイルが良くて超センスも良くて、最先端のイケてるお仕事、もうニューヨークなんて私たち二人のためにあるのよ!という世界。アメリカも日本もだけ…

アニエス・トゥルブレ監督「わたしの名前は…」2542本目

哀しい、切ない、美しい、映画でした。万人が納得できるような勧善懲悪がもたらされないこの映画で、監督は何を表現、あるいは伝えようとしているんだろう?とても、そこに興味があります。 <ネタバレあります> 父親に罰が下されないこともモヤっとするけ…

ロバート・ハーモン 監督「ヒッチャー」2541本目

キャスティングが絶妙ですね。ルドガー・ハウアーって逆立ちしても強面系(※「聖なる酔っぱらいの伝説」を見て繊細さにちょっと惚れた)だし、C. トーマス・ハウエルはどう見ても弱虫の少年。そんなに怖いならルート変えて逃げろよ…。普通、こんなに犯罪を重…

フリッツ・ラング監督「仕組まれた罠」2540本目

フリッツ・ラングがアメリカで撮った映画って、なんというか、どれも感動するような内容はないのに、なんともいえずいいんだよな。まず映像構成が素晴らしい。冒頭の、電車の切り替えや、電車どうしがすれ違うときの高速でスリリングな映像。さすがドイツ出…

フリッツ・ラング監督「恐怖省」2539本目

引き締まった白黒映像。「恐怖省(Ministry of Fear)」ってタイトルは、なんとなくSFショート・ショートみたいでそそります。「第三の男」と同じグレアム・グリーンの原作なんですね。 精神病院を出たばかりの、帽子の男を演じるのはレイ・ミランド。「失わ…

アルフレッド・ヒッチコック監督「農夫の妻」2538本目

「農夫の妻」ってタイトルから、いつもボヤいてるおっちゃんの方が主役かと思った。農夫って普通は使用人のほうを指す言葉だけど、Farmerの正しい日本語訳は「農場主」、経営者のほうなのだ。 この映画が公開された1928年を調べてみると、ちょうど英国で21歳…

山本薩夫 監督「にっぽん泥棒物語」2537本目

「にっぽん泥棒物語」というより「元泥棒と冤罪」って映画でした。 三國連太郎、こんな若い二枚目のうちから、ロクデナシな泥棒の役なんかもやってたんだなー。悪徳刑事にアクたっぷりの伊藤雄之助。熱血な正義の弁護士は、なんと千葉真一。まだ肉体派の片り…

ウェイン・ブレア監督「ソウルガールズ」2536本目

見終わってひとつうなずく。うん。これは、ゴスペルでキリスト教を広めるように、サファイアズの魅力でアボリジニの現代史を広める映画なんだな。 彼女たちの才能や魅力の輝きを、その後アメリカのショービジネスになんで持って、カーネギーホールに出なかっ…

木下恵介監督「夕やけ雲」2535本目

貧しい戦後の日本の街並みが、懐かしいような気がして(生まれる前だけど)ずっと見ていたい。とても美しく思えて。 賢くてけなげな、小さい妹は菊沖典子という子役。映画はこれしかKINENOTEに記録がありません。どんな大人になったんだろうな。主役の少年を…

フリッツ・ラング監督「暗黒街の弾痕」2534本目

1937年の作品。サイレントの「メトロポリス」が1927年、「M」が1931年(1934年にフランスへ亡命、その後ハリウッドへ)、その後10年もたっていないのに、音楽も演技もすっかり洗練された、ハリウッド的な作品になっています。 内容的には、一度悪役を押し付け…