映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ウォン・カーウァイ 監督「花様年華」1305本目

2000年の作品。香港もう中国に返還されてるよ。 でも昔の美しき香港を描くために、マギー・チャンは日々、夜な夜な、目をみはるほどのチャイナドレスに身を包んでいます。いったい何着作ったんだ! たまったま見たばかりの、梶芽衣子「修羅雪姫」に匹敵する…

ジョナサン・カプラン 監督「レベルポイント」1304本目

1978年の作品。 上映当時、ファンだったチープ・トリックの音楽が多数使われていると聞いて、地元の映画館にはかからなかったので都会に旅行した時に父親に連れて行ってもらいました。 こんな不良どもが世間に反抗する映画を一緒に並んで見て、父は一体何を…

藤田敏八 監督「修羅雪姫」1303本目

1973年の作品。 藤田敏八監督作品は、もれなくどれも暑苦しくて、ちょっとtoo muchな感じがする。 小池一夫原作作品もそうだ。だからこの映画は、もれなく暑苦しすぎるんだけど、なによりとにかく梶芽衣子が美しかった。 こんなに若くてキレイなのに"可愛い"…

新海誠監督「言の葉の庭」1302本目

新宿御苑? じつは中はちゃんと入ったことなかったなぁ。今度雨の日に行ってみようかな。この監督は、絵を描くことがすごく好きなんだろうな。ますます美しく精密で、なにかを目指して恐ろしく遠いところまで行こうとしてる感じがする。今回は水の表面の表現…

新藤兼人監督「鉄輪」1301本目

1972年の映画。新藤兼人作品のなかでは特にアートに走ったほうの作品です。 時代劇かと思ったら、現代と古代を行ったり来たり。女の執念はいつの時代も同じです! 趣向もおもしろいけど、短めのカットが次々と入れ替わるのに、だんだんなんとなく飽きてきま…

アルフレッド・ヒッチコック監督「舞台恐怖症」1300本目

もうアメリカに渡ってからの映画なのに、なんでこれだけイギリス映画なんだろう。なんで白黒なんだろう。 制作後しばらくしてから公開されたのかな?制作年が気になるのは、大好きなマレーネ・ディートリッヒが出ているから。初々しさが残る頃が一番好きだけ…

リュック・ベッソン監督「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛」1299本目

2011年に、なんとフランスで製作された、英語のミャンマー映画。 アウンサンスーチーを演じてる女優さん、きれいで凛として素敵で、ミャンマー系?と思ったら、ミシェル・ヨーですって?確かに同じ顔だけど、役作りがかっちりしていて、ミャンマーの女傑に見…

ビリー・ワイルダー 監督「シャーロック・ホームズの冒険」1298本目

1970年に作られたアメリカ映画。 ただ、ビリー・ワイルダー監督はベルリンで映画製作に関わるようになった後で、ナチスを逃れてアメリカに亡命したユダヤ人だから、ヨーロッパの映画人と言ってもいいんだと思う。ベルリンのフィルム・ミュージアムに「ビリー…

新海誠 監督「ほしのこえ」1297本目

細部がきれいで、レンズを通したような光の反射とかは、不必要なくらいキレイに表現されてる。 偏執狂的なくらい。 ロボットがいて、心がまだ幼い少年少女が地球を代表して宇宙に旅立つっていう設定を、まだロマンチックだと思える人たちには、うっとりする…

ジャック・リヴェット 「美しき諍い女」1296本目

1991年のフランス映画。 タイトルがずっと気になっていて、やっと見ました。 ミシェル・ピコリが老練の画家役、彼が昔、妻ジェーン・バーキンをモデルに描こうとしたけれど中断してしまった娼婦の像「美しき諍い女」を、新しく若い娘をモデルに描きなおそう…

ベルトラン・シュミット 監督「シュヴァンクマイエルのキメラ的世界」1295本目

2001年のフランス映画。 チェコのアニメーション映画作家(だと思う)、シュヴァンクマイエルっていう人に興味があるんだけど、まだ作品を一つも見たことがないので借りてみました。。。作品かと思ったら、監督に関するドキュメンタリーでした。 怖いような…

ロマン・ポランスキー監督「毛皮のヴィーナス」1294本目

面白かった。短編?というくらいの小品の印象だけど、二人の役者さんがすごく良くて、なんだかこっちも巻き込まれていきます。敬愛するアメリ・ノートンの「殺人者の健康法」もこれと同様、一室の中で繰り広げられる会話だけの作品で、片方が相手を追い詰め…

岩井俊二 監督「花とアリス殺人事件」1293本目

DVDを流してたら、たくさん派手な予告編が流れて、静かになったなーと思ったらいつの間にか始まってた。 余計な音楽もなにもない映画。アナフィラシキーの神ってw ムーっていう、私の学生の頃みたいな長いスカートの女の子が出てくるけど、最初だけ。花が登…

松林宗恵 監督「続・社長道中記」1292本目

1961年、前作と同じ年に出た続編です。なんというスピード! ほぼテレビドラマの感覚で作られてたんでしょうね。 前回カタツムリ、マムシ、カエルの缶詰を開発したこの会社は、こんどは浜名湖の業者のうなぎを買い占めにかかります。 技術とか営業力とか、イ…

松林宗恵 監督「社長道中記」1291本目

1961年の作品。 だいたいにおいて森繁久彌が主役の映画は、日本の高度成長期の楽天的な世情がよく出た明るい映画が多いです。森繁社長の狸っぷりもすごいし、脇を固める小林桂樹、加東大介、三木のり平・・・そして森繁演じる三沢社長を「三沢ちゃ〜ん」と呼…

ジョージ・キューカー 監督「ガス燈」1290本目

1944年のアメリカ映画。かなり昔だな〜、というか戦時中ですね。 美しきイングリッド・バーグマンが主役のサスペンス映画で、疑惑の夫を演じるのがシャルル・ポワチエ、しぶとい刑事を演じるのがジョセフ・コットン。この3人が素敵です。 バーグマンは美し…

新海誠 監督「秒速5センチメートル」1289本目

もともとアニメ映画は好きなほうだと思うけど、これなんかは、見ると自分のコドモくらいの年代の人たちの気持ちが少しわかるかな?とか期待しながら見てしまう。主人公の男の子のまなざしと声が暗いな。表情とかは、男の子も女の子も、大人になってからも、…

マーティン・スコセッシ監督「ギャング・オブ・ニューヨーク」1288本目

ウルフ・オブ・ウォールストリートは、面白かった。 けど、これは今ひとつな感じかな・・・。 デカプリオvsダニエル・デイ・ルイスの決闘は見どころだけど、キャメロン・ディアスの”名うての女スリ”は、当人がなりきれてない感があります。全体的に、なにも…

ミヒャエル・ハネケ監督「コード・アンノウン」1287本目

2000年の、ハネケ監督のフランス語作品。 ジュリエット・ビノシュ、いい映画に出てますよね!若くて可愛い不思議ちゃんの頃より、中年以降はぐっと深みを感じさせるいい女優さんになったと思います。「ミヒャエル・ハネケの映画術」によると、ビノシュ自身が…

パトリシオ・グスマン監督「真珠のボタン」1286本目

「光のノスタルジア」は流して見てしまいましたが、こっちはむごい過去のできごとを見せつけられて、ずっと苦しい気持ちで見ました。2本のドキュメンタリーをこの順番で見られてよかったんだと思います。チリは日本から見てまさに地球の反対側の国。 過去に…

ミヒャエル・ハネケ監督「セブンス・コンチネント」1285本目

第7の大陸、オーストラリアのことかな?6番目は南極らしい。 AustriaとAustraliaが「al」しか違わない、間違えられやすい遠い国ってところも、どこにもない楽園っぽくていいと思ったのかな。・・・と思ったら「ミヒャエル・ハネケの映画術」で監督が実際そ…

ロバート・ロドリゲス監督「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」1284本目

テレビ東京の「午後のロードショー」。 アントニオ・バンデラスとジョニー・デップの対決!ギターを持った演奏隊のふりをしてるけど、ケースの中は本当は銃!だったりマシンガン!だったり爆弾だったりします。笑えってことだよね?そうだよね?? これだか…

ジャック・クレイトン 監督「華麗なるギャツビー」1283本目

1974年版、ロバート・レッドフォードとミア・ファローのほうです。このあいだデカプリオとキャリー・マリガンの2013年版を見たので、対比でますます面白い。あっちは美術映画といえるほど、きらびやかで華やかでうるさくてゴージャスだったけど、こっちは「…

ウディ・アレン監督「おいしい生活」1282本目

2000年の映画かぁ。つまり、パルコの「おいしい生活」ってCMに監督が出てたバブル期よりずっと後。当時のキャッチコピーの栄光にあやかって映画の邦題をつけたわけですね。原題は「Small Time Crooks」。ケチな泥棒たちが、銀行強盗をやるために、銀行の隣の…