映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ミッシェル・オスロ 監督「ディリリとパリの時間旅行」2425本目

予告編を見てすごく期待したんだけど、一度実写映像を作ってからCGアニメに落としたような絵が、面白いけど、美しいというよりちょっと雑に感じられてしまう。そうなってしまうと、絵を追いかけて楽しめなくなって筋を追うことに徹してしまう。 男性支配団っ…

アッシュ・メイフェア 監督「第三夫人と髪飾り」2424本目

気になることが3つあります。 1、髪飾りはどこに出てきたのか? 答えは、第二夫人が男女の行為のことを第三夫人メイに説いて聞かせるときに、彼女がメイの身体を髪飾りでなでた…という場面だそうです。ネットの記事を見てわかりました。Wikipediaに項目が…

ステファノ・ソッリマ 監督「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」2423本目

「ボーダーライン」続編だけど監督が違うしエミリー・ブラントは出てない。 トーンが暗くて、ベニシオ・デル・トロが戦いまくり、お嬢ちゃんが振り回されまくったという感じで、バイオレンスの場面が多いのであまり私には惹かれるものがない映画でしたかね……

今泉力哉 監督「愛がなんだ」2422本目

原作がいいんだろうな、この映画の面白さは。役者もそろっています。岸井ゆきの、いいなぁ。成田凌も、なりきる力が高いけど、ほんとのところどういう人なんだろうなーと思わせる。 この映画も、学校内ヒエラルキー関連映画みたいで、惚れられたものが強者で…

阪本順二監督「半世界」2421本目

阪本順二監督の作品は、すごく好きなのとピンと来ないのに分かれる。これはどっちだろう? 私は「SMAPで誰が好き?」と聞かれて「稲垣くん」と答えてたクチだけど、この映画の彼はまったくアイドルっぽさが無い。オーラを消してる。「日常に埋もれてるけどよ…

ケン・アナキン 監督「素晴らしきヒコーキ野郎」2420本目

1965年のアメリカ映画。タイトルが外国の新聞の風刺画みたいなイラストで楽しい。タイトルで映画の中身のトーンは確実にわかる。この映像の雰囲気は「ミニミニ大作戦」みたいだな。アメリカというよりイギリス映画っぽい。 そして凧に乗ったリアル石原裕次郎…

ニキータ・ミハルコフ監督「太陽に灼かれて」2419本目

この監督の映画を見るのは初めて。 前半は無邪気な家庭のひとときが続きますが、人間関係や何をしているのかがわからなくて、取り残されたような感じでついていけませんでした。あらすじを読んでようやく、そこは突っ込まずにどんどん進んでディミトリの登場…

ロヘナ・ゲラ 監督「あなたの名前を呼べたなら」2418本目

よかったです。予告編を見たときは「マダム・イン・ニューヨーク」みたいにコミカルで派手な映画かと思ったけど、もっとシリアスで地に足の着いた映画でした。召使がすごいデザイナーとして成功して有名になって、奇跡的に身分の壁を超える…そんな映画ではな…

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督「ベロニカ・フォスのあこがれ」2417本目

今なかなか見られないレアものです。某図書館で借りました。 「マリア・ブラウンの結婚」も面白かったけど、こっちは最初からなんだか異形な映画です。全盛期を過ぎた女優が中心ということで、当然思い出すのが「サンセット大通り」ですが、あちらはきちんと…

アリーチェ・ロルヴァケル 監督「夏をゆく人々」2416本目

イタリアの、ネオ・リアリズモっていうんですかね、海外のドキュメンタリーみたいな演出のなさそうな映像のなかで、しかめ面のお父さん、優しいお母さん、野性的な女の子たちが素朴に暮らしている…その中に唐突に入り込んでくるテレビの撮影隊。水の精みたい…

アレハンドロ・アメナーバル 監督「海を飛ぶ夢」2415本目

スペインの映画って面白いのが多いな、この監督は初めてだけど、やっぱりいい。題材が、というかこの実在したラモン・サンペドロという人の諦観と知性が素晴らしいです。 どこの国にも、アクティブだったけれど仕事やスポーツ、あるいは不慮の事故で付随な身…

リサ・ラングセット 監督「ピュア 純潔」2414本目

主役の少女は親の住むすさんだ世界にはまりこんでいて、抜け出したいと思っていた。ひょんな勘違いからコンサートホールの受付のバイトを得て、その世界で生きていきたいと憧れる。指揮者は軽妙でスマートで知的で、きっと今までに出会ったことのない男性だ…

アンジェイ・ワイダ監督「悪霊」2413本目

これも「なかなか見られない映画を図書館で見たぞ」シリーズ。 「灰とダイヤモンド」のアンジェイ・ワイダ監督の、名作の誉れ高い作品。ドストエフスキーだし、なんかお宝発見という気分で、エキゾチックな画面を期待していたら… 冒頭すぐオマー・シャリフが…

ブルース・ベレスフォード監督「テンダー・マーシー」 2412本目

えっロバート・デュバル?こんな普通の人だったっけ?私の中の彼はなんとなく“獰猛な人”(※「地獄の黙示録」の見すぎ)なので、穏やかすぎて誰だかわかりませんでした。獰猛というより、優しくてダメな男です。無銭宿泊~泊った分働いていきます~雇ってくだ…

吉村公三郎監督「わが生涯のかがやける日」2411本目

(ネタバレあり) この作品は1948年制作。李香蘭として中国で活躍したあと、敗戦した日本に戻ってきてからの山口淑子の出演第一作です。 猥雑な戦後すぐの東京が舞台で、アジアのどこかの都会みたいなエネルギーが惹きつけます。森雅之がいい男すぎる…。山口…

イングマール・ベルイマン監督「叫びとささやき」2410本目

ちょっとホラーでしたね! 「叫び」は死に至る病を得た長女が絞り出すもの、「ささやき」は病人をおもんばかって妹たちと召使いが、声すら出さず息だけで話す音。ベルイマンの映画は最初に「沈黙」を見て、カメラがあまりに女優たちに寄ってるのに度肝を抜か…

ジャン・ヴィゴ監督「アタラント号」2409本目

何度も見逃したけど、結局近所の図書館のAVコーナーでレーザーディスク(!)でやっと視聴(注:今は令和2年)。さすがLD、映像きれいでしたよ(棒読み)冒頭にメイキングも入ってたし。 で内容ですが、ぼんやりと評判を見聞きしてたときは、猫の出てくる若…

デヴィッド・O・ラッセル 監督「世界にひとつのロマンティック」2408本目

「世界にひとつのプレイブック」にひっかけた邦題だなーと思ったら、監督が同じなんですね。同じ監督なら許されるか…。しかしこっちは、すっとぼけたコメディで、頭に誤って釘を打たれてしまったアリス(ジェシカ・ビール)は終始、茫然としたような表情なの…

マジッド・マシディ監督「運動靴と赤い金魚」2407本目

イランの映画。いろんな顔、いろんな肌色の子がいるね。白人っぽい子もいれば、肌が浅黒い子もいる。みんな無邪気。 靴を買うお金にも困っている家庭で、お兄ちゃんがちょっと目を離した隙に妹の靴を失くしてしまう。家にほかにスリッパくらいしかない。親に…

ジョン・フォード監督「捜索者」2406本目

ジョン・フォードが監督で、ジョン・ウェインが主役で、アメリカのモニュメント・バレーで撮影されたとなると典型的な西部劇ってやつですねきっと。そして、唐突に何の脈絡も必然性もなく、女子供ばかりが立てこもっている家を焼き討ちにして、逃げようとし…

川島雄三監督「愛のお荷物」2405本目

子どもは神様からの授かりものではないのか、この映画では徹頭徹尾“お荷物”扱いで、妊娠した女性は「申し訳ありません!」と父となる男やたちに謝り続ける。逆だろ!時代が違う映画を見るときはわりと寛容なほうだと思っていたけど、これはなんとも。 といっ…

シドニー・ルメット監督「その土曜日、7時58分」2404本目

(ほぼネタバレあり) 在りし日のフィリップ・シーモア・ホフマン、今よりちょっと若いイーサン・ホーク。兄のアンディ(ホフマン)が弟のハンク(ホーク)に宝石店強盗を持ちかける。もちろん普通の素人。なんか痛い、いやな予感がします。サングラスと付け…

ペドロ・アルモドバル監督「ハイヒール」2403本目

やっぱりアルモドバル監督の作品は面白いなぁ。 必ず「えっ」というようなヒネリが入るんですよね。何本見ても予想できず、毎回驚かされる。そして必ず、とても大きな愛に包まれる。ラテン的な愛憎が新鮮。普通の日本人の私は、いつも誰かの愛情をちょっぴり…

マイク・ニューウェル監督「コレラの時代の愛」2402本目

美麗なタイトル。こういうところに凝ってる映画って好きです。イラストはそこだけだけど、力の入った作品だと伝わってきます。 この映画は、一人の無垢な少女に一目ぼれして、その後一生愛しつづけた男の話。原作はガルシア・マルケスで、舞台は彼が若いころ…

ヘニング・カールセン 監督「わが悲しき娼婦たちの思い出」2401本目

ガルシア・マルケス原作ということで探して見つけた作品。KINENOTEで一人も感想を書いていないどころか、見た人もいないなんて!日本未公開作品とはいえ、宣伝とかしなかったんだろうか。 これはノーベル賞作家の遺作だそうで、90歳のコラムニストが誕生日の…

ウィリアム・ワイラー監督「探偵物語」2400本目

<ネタバレあり> 1951年という大昔の作品だけど、冒頭のニューヨークの摩天楼を高い位置から写した映像がじつに美しい。都会って生き生きしていて明るいのね、と思ってしまいます。 しかし地上では車をほかの車にぶつけて強引に駐車する、太った柄の悪い男…

ジャック・イヴ・クーストー &ルイ・マル監督「沈黙の世界」2399本目

深海探索のドキュメンタリー映画です。なんでルイ・マル?ジャケット写真ほど映像がキレイではない、深海の実態を淡々と撮影して報道するかんじの映画でした。1956年だから、全編天然色の深海映像を撮っただけでもすごいと思うけど、2020年の私はほとんど潜…

荒井晴彦 監督「火口のふたり」2398本目

この映画のことはほとんど知らなかったので、キネマ旬報ベストテン1位と聞いて「なんだっけ?」と思ってしまったのですが、見たらじつにしみじみーといい映画でした。地味だし「エロス」に分類されるのは事実なので、下手すると埋もれてしまいそうなこの映…

森達也監督「i 新聞記者ドキュメント」2397本目

2月5日、発売と同時に「ベストテン表彰式」招待券つきのキネマ旬報最新号を購入して上映会で見てきました!今年の「文化映画」1位で、日本映画全体の中でも審査員がかなり投票していた作品です。 森監督の作品はたくさん見てると思い込んでいたけど、実は「…

デクスター・フレッチャー 監督「ロケットマン」2396本目

ロケットマン、冒頭に飾り立てたエルトンが“反省会”で告白をしている図がちょっとやりすぎ?と思ってしまったけど、すぐに慣れて、そんな過剰さが彼らしさ、つまり、弱さと美しさなんだなと思うようになりました。 天才が幸せになるのはすごく、すごく、難し…