映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

日本映画(80年代まで)

本多猪四郎 監督「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」3184本目

「白い帽子の女」に続いて、ブラピつながり(!?)で見てみます。(彼が小さい頃に見て衝撃を受けたとWikipediaに書いてあった) 感想は、この時代、子供向けパニック映画みたいな、怪獣やばけものと人間、あるいはそういったもの同士が戦う映画が数限りな…

大森一樹監督「風の歌を聴け」3163本目

「ドライブ・マイ・カー」を見たので、昔の村上春樹原作作品を見てみたくなりました。「ノルウェイの森」は(なんか違うなぁ)と感じたけど「バーニング」は面白かった。この作品は初めての映画化だというだけでなく、1979年の出版からわずか2年後の1981年、…

新藤兼人監督「さくら隊散る」3121本目

これもずっと見そびれてたやつ。桜隊というキュートな名前の演劇団が、まさに原爆投下の日の広島に公演に来ていて、被災してみなさんお亡くなりになった…と聞いただけで切なくてたまらないですね。 彼らを直接知る人たちは証言者として実名で登場し、亡くな…

野村芳太郎監督「疑惑」3106本目

桃井かおりと岩下志麻、真骨頂だなぁ。森田健作、若いなぁ。(桃井かおりと1歳しか違わないのに、現在の桃井かおりは若すぎる…さすがSK-Ⅱ…) この作品は松本清張自身が脚色もしたらしい。あて書きしたのかと思うくらい、それぞれの登場人物のアクが際立つせ…

黒木和雄監督「祭りの準備」3091本目

1975年の映画。舞台は高知県の中村市といえば四万十川で知られていて、鯨やマグロの遠洋漁業の拠点でもある。小さい港町だと思ってたけど、バス1本で意外に大きな町に通じている。江藤潤はイメージ通り青くさい感じだけど、竹下景子が少し生意気な美少女ふう…

大島渚監督「帰って来たヨッパライ」3031本目

これも、いま見る人いないだろうなー 1968年の作品。歌は面白くて覚えてるけど、なんで大島渚が映画化したんだ?はしだのりひこはドラマによく出てたし 「花嫁」は「はしだのりひことクライマックス」がテレビで演奏するのを見た記憶があります。(当時「夜…

大島渚監督「悦楽」3030本目

大島渚が作るような作品って監督自身のわだかまりをぶつけたような感じで、今はそういうのをまんがにしたものが多いような気がする。この映画が作られた1965年当時のまんがは、大人向けは仁侠ものとか侍ものとかポルノとか、子ども向けは青春スポーツもの全…

成瀬巳喜男監督「放浪記」3017本目

1962年の作品。林芙美子を高峰秀子、その母を田中絹代。 高峰秀子は若い娘の役だけど38歳か。「張込み」で生活に疲れた主婦を演じた4年後。明るい役をやるときのはじけるような笑顔はなく、世間の垢にまみれたぱっとしない娘です。うまいよなぁ、こういう演…

清水邦夫・田原総一朗監督「あらかじめ失われた恋人たちよ」3014本目

1971年に、当時の若者たちがイキがって撮った前衛映画。 私は若いとんがった人たちが何かにもがきながら生み出した作品には好きなものが多いけど、若い人はバカで無鉄砲だから愛しいわけで、こざかしい若者はめんどくさいのだ。この作品は、「あらかじめ失わ…

深作欣二監督「華の乱」2989本目

深作欣二監督がこんな文学的な作品も撮ってたんだ。吉永小百合のインタビュー本を読んだら見たくなってしまったんだけど、彼女が与謝野晶子を演じるって斬新だなぁ。まっすぐすぎて不倫とか絶対しなさそうな女性ってイメージなので。 ちょっとヨゴレた感じの…

中川信夫監督「地獄」2956本目

アマプラで見かけて、あまりにド真ん中のシンプルなタイトルが気になってました。冒頭の見慣れない「新東宝」のロゴも、おどろおどろしい。 音楽というか音響効果は、ウルトラマンとか昔の怪獣映画みたいな、出はじめの電子音とかが使われてる。場面ごとのつ…

市川崑監督「ビルマの竪琴(1956年)」2940本目

最近の戦争映画はおおげさな音楽を排して、現場音っぽい銃撃や息遣い、無音状態でむしろ観客の緊張感をうながすものが多いように思うのですが、この映画は始まってすぐ、美しい竪琴の奏でる音楽(手作りでこの美しい音はないけどな)が流れて、ふっと緊張が…

野村芳太郎監督「影の車」2920本目

1970年の作品。千葉の住宅地といっても、電車の沿線の土地はまだまばらにしか開発されてなかった時代。 真っ赤なゴシック体で行頭記号までつけて表示されるクレジットが異様…。 美しい笑顔の加藤剛は平凡なサラリーマン。事件に巻き込まれそうな予感…そうい…

増村保造 監督「からっ風野郎」2858本目

<ネタバレあり> 増村監督が、三島由紀夫原作を映画化するのに飽き足りず、彼を主役に1本撮ってしまいました。…いや違うな。「潮騒」や「炎上」はこの前だけど、これより後に映画化された作品も多い。「黒蜥蜴」、「憂国」、「音楽」…。他の作家の文学作品…

増村保造 監督「音楽」2843

これは大橋裕之原作のアニメじゃなくて、三島由紀夫原作の1972年の作品。間違えてレンタルしたわけじゃないです(笑)。数年前にこの原作のほか数冊、彼が書いた大衆小説(「平凡パンチ」に連載したような)を読んだら、面白くて達者でびっくりしました。今…

森崎東監督「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言」2835本目

1985年作品。まるで「男はつらいよ」みたいな雰囲気で始まります。これは名古屋の沖縄集落が舞台なんだ。 担任の先生を誘拐して身代金で儲けようとする不良高校生、ヌードダンサーが町に帰ってきて原発ジプシーと結婚するという。これって1985年のリアルかも…

溝口健二監督「西鶴一代女」2786本目

1952年の作品、主演は田中絹代。 教科書にも出て来た「好色一代女」の映画化。好色といっても片っ端から手を出すんじゃなくて「恋多き」という意味でしょうか。この映画では「男運が悪い」という意味しかなさそうです。田中絹代は真面目でひたむきな薄幸女性…

本多猪四郎 監督「モスラ対ゴジラ」2778本目

「モスラ」割と最近見たはずなのに、見覚えがないな…と思ったら、これじゃなかった。モスラの出る映画って10本も作られたんですね。この映画は、小美人の服装が花みたいですごく可愛いし、モスラの造形も愛嬌があります。モスラの卵も小じゃれたイースターエ…

斎藤耕一 監督「津軽じょんがら節」2777本目

江波杏子は、すごく大人っぽい中年の女性というイメージだから、若くてびっくり。(なんで驚くんだろう、誰だって若い頃はあるのに)寺田農も若いなぁ、細いなぁ。 津軽の荒い波、情緒あるなぁ。だいいちDVDジャケットがいいですよね。大人の日本昔ばなし、…

長谷部安春 かんとく「野良猫ロック セックス・ハンター」2768本目

借りるのに勇気がいるタイトル!(笑)でも全然まったく、いやらしい映画じゃないです。 海外の映画好きの人たちが、梶芽衣子の出演作品のイメージイラストを描いたのをたくさんTwitterで見たのですが、その中にこの作品もあって、見てみたくなりました。 ま…

増村保造監督「曽根崎心中」2766本目

歌舞伎をよく見てた時期があったんだけど、外資系勤めが長かった私には信じられない男尊女卑や厳格な身分制度が当然で、耐えられず逃げ出したり死んだり殺し合ったりする男女が美しく描かれるという世界観が、むかむかする一方で、胸が痛くなるほどの感動を…

大林宣彦監督「麗猫伝説」2764本目

1983年の「火曜サスペンス劇場」を劇場版として1998年にリリースしたもの。 冒頭に岩崎宏美の歌の「火曜サスペンス劇場」のタイトルバックが流れるんだよ。これテレビ番組そのものじゃない?あまりに昭和感が強くてちょっとびっくり。画質も相当悪いけど、当…

大友克洋監督「AKIRA」2738本目

これもずっとまた見たかったんですよ。大友克洋の単行本は大学生の頃むさぼり読んだものでした。映画はいつどうやって見たのか思い出せないけど、VHSをレンタルしたのかな。 AKIRA COMMITTEE(アキラ製作委員会、ですね)という文字が冒頭に表示されて、逆輸…

斎藤武市 監督「愛と死をみつめて」2737本目

1964年の作品。一世を風靡したらしく、その後に生まれた私でも「甘えてばかりでごめんね」という歌を覚えてます。(あれは実は映画より前に出た、関係ない歌らしい)小さい頃、姉とマンガのようなものを描いて遊んでたときに、姉が”骨肉腫で顔の半分を取るこ…

荒井良平 監督「怪猫有馬御殿」2733本目

映画史の中で語られる「化け猫女優、入江たか子」について、一本くらいは見ておこうという趣旨でレンタル。でも本当は、戌年生まれで猫嫌いの父が、母に内緒でこっそり「小さい頃に見た化け猫映画が怖かった」と話してくれたことが忘れられなかったこともあ…

塚本晋也監督「TOKYO FIST 東京フィスト」2721本目

塚本晋也自身が主演で、彼の実弟のでボクサーの塚本耕司が共演。二人で争う女は藤井かほりが演じます。3人とも存在感が濃くて、異常に熱くわだかまるマグマみたいなものが体の中に詰まっている感じ。塚本作品って変わらないなぁ。マグマはどこから来るのか、…

マキノ雅弘・松林宗恵監督 「ハワイの夜」2708本目

とってもとってもロマンチックでセンチメンタルな、昭和30年代の少女マンガみたいな映画。初期のアメリカの無声映画とかも、このくらいロマンチックなものってけっこうあったんじゃないでしょうか。淀川長治が「キレイキレイ」と表現したような。リリアン・…

衣笠貞之助 監督「狂った一頁」2702本目

1926年の作品。まあなんと昔の映画。昭和の初めです。精神病棟らしい、窓にパイプの入った小さい個室で、いかにも狂女然とした人たちが狂態をさらしています。音楽はあるけど台詞はない。サイレント映画だけど、画質が悪いことを除けば少しも古さは感じませ…

今村昌平監督「赤い殺意」2677本目

今村昌平の作品を見るのは久しぶり。集中して映画を見始めた頃に衝撃を受けた作品がいくつもありました。この作品は「山さん」(太陽にほえろ!での役名)が悪者なんだ。冷静沈着なあの山さんが…。このとき32歳、まだいい人にも悪い人にも見えない。 今村昌…

森谷司郎 監督「日本沈没」2614本目

子どもの頃にテレビで見たかもしれないけど、怪獣も出てこないし、大人の人たちが怖い顔して言い合ってる場面が多いので、多分ちゃんと見てないと思う。 小林桂樹がまさかのヨゴレ役、というか高名な科学者なんだけど見た目がヨレヨレなのが珍しい。藤岡弘が…