映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督「間諜X-27」177本目

1931年のアメリカ映画。 原題は「Dishonored」、不名誉なことがあった、みたいな意味でしょうか。大昔の映画大好き!1931年と聞いただけでムラムラします。 そして主演はかの有名なマレーネ・ディートリッヒ。ワクワクしますね。 オーストリアスパイ役の執事…

山田洋次監督「隠し剣 鬼の爪」176本目

2004年作品。「丹下左膳 百萬両の壺」みたいなタイトルなので、50年〜60年前の映画かと思ったら、新しい作品でした。原作が藤沢周平なんですね。私は九州出身の人間だからか、東北弁のむかしの言葉で語られるこの映画のせりふを聞きとるのにけっこう苦労しま…

ピエトロ・ジェルミ監督「鉄道員」175本目

1956年イタリア作品。 高倉健さんは出てきません。監督のピエトロ・ジェルミは主演もしています。50歳になった機関士のアンドレアは、酒好きだけど仕事熱心で熱い男。献身的な妻と学校を出た息子と娘のほかに、まだ幼い末っ子サンドロがいる。労働条件は厳し…

中島哲也監督「告白」173本目

2010年作品。じっくり、じっとりと詰まった濃い力作でした。 なのに重苦しさがまったくない。これはだいぶ前に原作を読んでいて、うわぁ重い、辛すぎる、と思っていたのですが、あれを「下妻物語」の中島哲也が映画化と聞いて、いったいどう料理したのか?と…

テリー・ギリアム監督「未来世紀ブラジル」172本目

1985年イギリス作品。すごーい、映画でした。 興味深い、変わっている、新鮮だ、斬新だ、という意味で、面白かったです。きわめてヨーロッパ的・・・ビヨークのMVとかにも出てくるような“大きすぎる機械”、不器用で地味な主人公、それと裏腹に果てしなく広が…

中原俊監督「12人の優しい日本人」174本目

1991年作品。映画の監督はこの人だけど、脚本というか映画のもととなった舞台を主宰している三谷幸喜の作品といってもいいのかな。じつは三谷幸喜ってちょっと苦手で、楽しめなかったらどうしようと思いながら見たのですが、面白かった。ベースとなった「12…

フランク・キャプラ監督「素晴らしき哉、人生!」171本目

1946年アメリカ作品。クリスマス・キャロルみたいだけど、ジェームズ・ステュワート演じる主人公ジョージ・ベイリーは高利貸しではなく、逆に高利貸しに反発して低利で住宅ローンをやって、おかげでその町の人たちの持ち家率は高い!という人。経営する会社…

ジェームズ・キャメロン監督「タイタニック」170本目

1997作品。BSで放送されてて、やっと初めて見ました。なんとなく、必ず泣かなければならない感動映画、悲惨なパニック映画、わかりやすすぎるフィクション、そんな先入観が強くてずっと見てませんでした。食わず嫌いはいけませんね。レオナルド・ディカプリ…

トム・フーパー監督「レ・ミゼラブル」169本目

2012年公開作品。帰省したときに、時間が空いたので街中の映画館のレイトショーで見ました。 この町の映画館は1館だけになってしまって、あとは郊外のショッピングモール2か所に大きなシネコンがある。DVDレンタルの店には膨大な量のソフト・・・でもよ…

庵野秀明監督「式日」168本目

2000年作品。岩井俊二が俳優として出てるというのに興味をもって借りてみました。 普通は、エヴァンゲリオンの庵野秀明が実写映画を撮ったというので借りるんだと思う。 エヴァもTVシリーズは一通り見ましたよ。で、思うに、この監督は、というかこの世代の…

内田吐夢監督「森と湖のまつり」167本目

1958年作品。私の大好物の昔の日本映画、久しぶりです。 今から53年も前の作品。北海道の風景が、なんだかブータンみたい。 高倉健が若い!まだ27歳ですね。香川京子は、びっくりするくらい印象が変わりませんね。さて本編ですが・・・。50年前の北海道の風…

デヴィッド・リンチ監督「マルホランド・ドライブ」166本目

2001年作品。映画好きの人はとっくに底の底まで探りつくしてるだろうけど、もしまだ見てない人は、最低2回は見るべし。おどろおどろしい映画だと思って見始めたら、カラ〜〜っと明るい、古き良きアメリカンポップスの歌&ダンスが繰り広げられている。あれ、…

犬童一心監督「メゾン・ド・ヒミコ」165本目

2005年作品。面白かった。 監督もいいんだろうけど、やっぱり渡辺あやの脚本は最高ですね。「なにしてんの」 「いや、・・・キス」「キスだけって言ったじゃないですか!」「キスしていい?」 「・・・だめ」なんかほんとに美しい田中泯。 いつも怒ってる顔…

アキ・カウリスマキ監督「過去のない男」164本目

2002年フィンランド作品。「レニグラード・カウボーイズ」しか見たことなかったのですが、どうも評判がいいようなので借りてみました。この映画の主人公、殺されかけて記憶をなくした男を演じてるマルック・ペルトラはこの間見た「かもめ食堂」で、コーヒー…

錦織良成監督「渾身」163本目

2013年公開予定作品。俳優や監督に「地味・派手」があるとしたら、自分でその人の作品を見たときの感想であって、テレビにいっぱい出てるかどうかは関係ない。テレビでいっぱい宣伝してる映画を見ても、たまたま入ったツタヤで手に取ったDVDを見ても、いいも…

ラース・フォン・トリアー監督「奇跡の海」162本目

1996年作品。この人の作品は、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を前情報なしに父親と映画館で見てしまったという苦い思い出があります。終わったときのドンヨリ感は、あれを超える映画はないくらいです。・・・おかげでこの映画を見始めるときに余計な期待を…

園子温監督「紀子の食卓」161

2006年作品。これで園子温作品も一段落かなー。 まだ初々しい吹石一恵と、まだ子どもみたいな吉高由里子と、なんだか毒のある悪い妖精のようなつぐみ(「エクステ」で非情な母をやった人だ)、そのほかの女の子たち。吹石一恵いいですね〜。すごく良い。吉高…

ペドロ・アルモドバル監督「オール・アバウト・マイ・マザー」160

1999年、スペイン作品。このタイトルを見て「イヴの総て」って映画を思い出したんだけど、冒頭すぐのところでまさにその白黒映画を主人公たちが家のテレビで見ている場面が出てきます。あれは、愛女優のところに野心をもった若い女優が近づいてきて、やがて…

デヴィッド・フランケル監督「プラダを着た悪魔」159本目

2006年作品。女友達の間でずっと話題になってた映画です。メリル・ストリープがここまで怖い役をやってるのが楽しいし、ダサダサの新人アン・ハサウェイは最初から生まれたてみたいに美しい。キラキラ輝く、宝石のように美しい洋服たち、靴たち、モデルたち…

トム・フーパー監督「英国王のスピーチ」158本目

2010年作品。言うことないです。ドラマチックな史実、イギリス的ユーモア、忍耐をともなう強い友情、本物の王の風格。お腹を抱えて爆笑し、深く感動できる名作。王を演じるコリン・ファース、王妃のヘレナ・ボナム・カーター、言語療法士のジェフリー・ラッ…

クロード・オータン=ララ監督「赤と黒」157本目

1954年作品。やった、借りられた! 「花咲ける騎士道」での王子様っぷりにまいってしまって、ジェラール・フィリップの出演作品が見たいと思ってたんだけど、TSUTAYA DISCASではほとんど扱ってません。店舗にはこの映画のDVDがあったのですぐに借りてきまし…

荻上直子監督「かもめ食堂」156本目

2006年作品。小林聡美がフィンランドのヘルシンキで無謀にも始めた「日本にある北欧風カフェ風の食堂」に、片桐はいりが、そしてもたいまさこがスタッフとして入って来ます。コーヒースタンドとかではなくちゃんとしたレストラン、広そうなアパート、いった…

犬童一心監督「ジョゼと虎と魚たち」155本目

2003年作品。※ジョジョの奇妙な冒険とは別のお話です。って書かなくても、間違えるのは私だけか。すごく地味な作品だと思ったのに、AmazonのDVDに190もコメントがついてるところを見ると、大層メジャーらしい。この映画の目玉は、わりと冒頭に現れる「野田と…

マーク・フォースター監督「007 慰めの報酬」154本目

2008年作品イギリス・アメリカ作品。分類どうしよう。最新作SkyfallのプロモーションでTV放映されたものを見ました。いまやTVがハイビジョンなので、DVDを借りるより画質も音質もいいのでした。すごい、息もつかせないアクションの連続。ダニエル・クレイグ…

石井裕也「ガール・スパークス」153本目

2007年作品だと思う。これは監督デビュー前の作品ってことなのかな? 「川の底からこんにちは」が面白かったので借りてみたけど、美大の卒業制作のような作品でした。「川の底」の習作って感じかな。下を向いてぼそっと「ちょーむかつく」って言う滑舌の悪い…

ダニー・ボイル監督「127時間」152本目

2010年作品。Q: もし2020年オリンピックの開会式と閉会式の監督を選んでいいと言われたら、誰にする? A:昨日の今日で井筒監督!・・・と思ったけど、それは大阪オリンピックですね。 東京っぽく日本らしい監督って誰だろう。園子温監督は好きだけどオリン…

井筒和幸監督「パッチギ!」151本目

2005年公開作品。いいですね、若くてバカで熱くて。監督の人間性がどば〜っとあふれて、見ているだけであったかくなるような映画です。脚本も自分で書いてるんですね。そういえばせりふがみんな、監督が自分でしゃべってるような口調です。見直してみて2回目…

岩井俊二監督「四月物語」150本目

1998年作品。14年前か。劇中映画「信長は生きていた」で主演をつとめる伊武雅刀が、三船敏郎のように一瞬見えました。彼やっぱり眼力すごいですね。 ・・・っていう話じゃなくて・・・松たか子初主演作品だそうです。当時21歳の彼女が、北海道から憧れの先輩…

園子温「冷たい熱帯魚」149本目

2010年作品。ここしばらく園子温の映画を続けてみているわけですが、ここ(2010年)までくるといたづらにスプラッターなだけではなく、ストーリーが濃くなってくる。・・・とはいってもじゅるじゅるのスプラッター映画でした。私も、いいかげんすこし慣れて…

中島哲也監督「パコと魔法の絵本」148本目

2008年作品。日本版「チャーリーとチョコレート工場」?中島哲也の映画は、もれなく面白い、予感がする。 パッケージを見た印象で、アニメかと思ってたら実写だった。最近人気の「ミニチュア風写真」みたいにカラフルでおもちゃ箱みたい。アヤカ・ウィルソン…