映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

増村保造 監督「くちづけ」2000本目

1957年の作品。 ジャケットのバイク二人乗りの写真、「ローマの休日」を思わせますね。すでに交際中だったという川口浩と野添ひとみの、瑞々しい演技がまぶしい映画です。 可愛くてスリムでどこか上品で、竹を割ったようなストレートな性格。この映画の野添…

スティーヴン・ソダーバーグ監督「セックスと嘘とビデオテープ」1999本目

ソダーバーグ監督の初長編作品。1989年ってもう30年前ですね。 この監督の作品って意外とちゃんと見てないんだけど、アクション映画が多いイメージがあるので、この映画みたいな人間どうしのせめぎあいのドラマはちょっと意外。 「ビデオテープ」がスマホの…

オットー・プレミンジャー監督「カルメン」1998本目

1954年、主演のハリー・ベラフォンテが「バナナ・ボート」を世界的に大ヒットさせる2年前の作品。 「カルメン」を全員黒人の舞台にした「カルメン・ジョーンズ」の映画化だそうです。だけど、音楽は昔ながらのビゼーのカルメンのクラシックのままなので、せ…

ジョセフ・L・マンキーウィッツ監督「クレオパトラ」1997本目

1963年のアメリカ映画。だけどアメリカという国がまだない頃の、ヨーロッパ、アフリカ、中東のお話だし、主役のクレオパトラ(エリザベス・テイラー)もカエサル(レックス・ハリソン)もアントニウス(リチャード・バートン)も教科書みたいなクイーンズ・…

ミゲル・ゴメス 監督「熱波」1996本目

なんか好きです、この映画の空気。 私はこういう、静かに情熱を秘めた感じの映画に弱い。事実をきっちり積み重ねておきながら、アフリカの人の「予言」が当たったり、理屈で説明できない恋に溺れたりする。人間だなぁ、って思う。 よく考えると、大したこと…

クァク・キョンテク監督「タイフーン TYPHOON」1995本目

2005年の韓国映画。これはまたハードなスパイ映画って感じですね。と思ったら海賊伝説の映画(NHKBSでやってた「チャングム」みたいな世界)のような趣もあり。盛りだくさんだけど複雑です。 チャン・ドンゴンって久しぶりに思い出しました。ちょっと香港の…

フェアリーテール・シアター「ロビン・ウィリアムズとエリック・アイドルのカエルの王子さま」「クラウス・キンスキーとスーザン・サランドンの美女と野獣」1994本目(KINENOTEになし)

タイトル長い! 「シャイニング」でおののいていた姿が知られるシェリー・デュヴァルが製作総指揮を務めた「フェアリーテール・シアター」というテレビシリーズのDVD。この他にも気になる回がたくさんあるけど、まずこれを借りてみました。 カエルの王子様は…

クリストフ・バラティエ 監督「コーラス」1993本目

暗いというか、光が足りないヨーロッパ的な画面。日照が弱いのかなぁ。 「池の底」っていう名前自体がひどい、フランスの子ども用寄宿舎。冷た〜い空気が蔓延するその場所に、見るからに愛嬌のあるおじさん教師が赴任してくる。彼は自分が書いていた曲を彼ら…

リチャード・リンクレイター監督「スクール・オブ・ロック」1992本目

ツッコミどころエンターテイメントといっても過言ではないような・・・(笑) 誰かが鼻歌ひとつ歌っても学校じゅうに響き渡るのが教室の防音レベルだよね、から始まり、後述の「iCarly」をはじめとするテレビドラマっぽい軽〜いギャグが続きます。なんとなく…

「エヴァの匂い」1991本目

先日イザベル・ユペール&ギャスパー・ウリエル版を見たら、これも見なきゃと思いました。 1963年に作られたこちらはジャンヌ・モロー31歳。高級娼婦イザベル・ユペール65歳はセクシーというより知的な魔女みたいだったけど、モローも意外と色っぽいって感じ…

ハロルド・レイミス 監督「恋はデジャ・ブ」1990本目

原題は、舞台となる記念日「グラウンドホッグ・デイ」(本当にあるんだな、そういう行事が)。「恋はデジャ・ブ」という邦題は、ループする1日を恋をしながら繰り返すという意味かな。間違ってない。 ジャケット写真を見たらトム・ハンクスの映画だ。こんな…

ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス 監督「リトル・ミス・サンシャイン」1989本目

KINENOTEでは「見た」人がびっくりするくらい多いし、評価もかなり高めだけど、思ったのと全然違ってた。不幸な家族を一人の少女が明るくする、みたいなストレートな感動作品か、フランスの映画みたいなじんわり感動する映画かと思ってたけど、アメリカの色…

ミッチェル・ライゼン 監督「ミッドナイト」1988本目

これはまた古い映画だ、1939年。クローデット・コルベールって見たことあるな、このぱっつん前髪・・・と思ったら1934年のフランク・キャプラ監督「或る夜の出来事」だ。 あっちでは大富豪のわがままな令嬢役、今度は文無しの役か。軽妙で愛嬌があって、頭の…

レナード・ニモイ監督「スリーメン&ベビー」1987本目

この映画のテーマ曲、グロリア・エステファンの「バッド・ボーイ」が好きで好きで・・・。今まででベストというくらい好き。実は当時この映画見てないんだけど、CMで流れてたこの曲だけが耳に残って、その後だいぶたってから映画も見た・・・という。 特にフ…

若松孝二監督「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」1986本目

怖い映画なのかな〜、とビクビクしながら見てみる。でも、みんな思っただろうけど、三島由紀夫と井浦新ってイメージ全然違うよね。三島のピシーッとした枢軸国軍のような雰囲気、形を極めるところから入る頭でっかちな感じと違って、井浦新は透明で感じやす…

アンリ・ヴェルヌイユ 監督「禁断の木の実」1985本目

ヴェルヌイユ監督の作品は、「地下室のメロディー」「ダンケルク」「ヘッドライト」と見てこれが4本目。この作品が一番古くて1952年、長編デビュー作なのかな。 主役は「フェルナンデル」・・・姓は?と思ったら、これが芸名のコメディアンだったんですね。…

ダニス・タノビッチ 監督「鉄くず拾いの物語」1984本目

「ドキュメンタリーみたいだけど違う。再現映像だ。だから映画としてはよくない」という感想が結構あるみたいですね。この映画が日本で上映されたのが2014年。クリント・イーストウッド監督が、事件の当事者たちに演技をさせた「15時17分、パリ行き」を…

オットー・プレミンジャー監督「或る殺人」 1983本目

なにこのタイトルのカッコよさ?ジャズ・トランペットのアンサンブル、幾何学的なイラスト。同じ監督の「バニー・レーク」みたい。ジェームズ・スチュアート弁護士がロードハウスでデューク・エリントンとピアノを連弾する場面も素敵だけど、本筋と関係なさ…

アラン・ロブ=グリエ 監督「グラディーヴァ マラケシュの裸婦」1982本目

最近のネットニュースで、この監督の作品が集中上映されるというのを見て興味を引かれたので、今借りられるのをとりあえず1本借りてみました。 やたらと「官能的」と書かれていますが、いやらしくもないし官能的とも思えず、アヘン窟みたいなゆったりとした…

D・W・グリフィス 監督「散り行く花」1981本目

今見られる映画の中でも最古の部類に入ると思われる、1919年の作品。ワクワク。 最初のしばらくは上海の本物の情景が続くので、どこの映画だっけ?と思いますがアメリカ映画。彼らはこの街を当時こんな風に見たんだな・・・。エキゾチックな美しさと賑やかさ…

森一生 監督「ある殺し屋」1980本目

1967年の作品。 うっかり続編「ある殺し屋の鍵」の方を見てしまったんだけど、こっちの方が評価が高いようなので、やっぱりこっちもレンタル。 不思議な魅力がある映画ですね。大映映画の暑苦しさが、市川雷蔵と成田三樹夫の涼しさで中和されていて、なんか…

エリック・ロメール監督「木と市長と文化会館 または七つの偶然」1979本目

フランス人って議論好きなのかな〜。 私がよくわからなかった「緑の光線」も、なんとなく”頭でっかち”な女の子がわだかまる映画だったけど、この映画でもあーだこーだとみんなそれぞれの理屈をこねたり、上手いことやろうとしたり、自然派だったり都会派だっ…

リュック・ベッソン監督「レオン」1978本目

何回も見たはずなんだけど、冒頭の、マチルダのチャラい家族の日常の場面を忘れてたし、悪徳警官はゲイリー・オールドマンじゃないですか。目が離せなくなって、最後まで見ちゃいました。 ナタリー・ポートマンは、当時もずいぶん言われただろうけど、「タク…

ハイアム・ジョーンズ監督「カプリコン・1」1977本目

面白いし、怖い映画ですね。 NASAが当初は協力すると言っておきながら、途中から拒絶したとか、イギリスで最初に上映されたとか、因縁たっぷりの映画です。これを見て誰もがアポロ11号がフェイクだったという、まことしやかな噂を思い出すわけですよね。(し…

キャロル・リード 監督「華麗なる激情」1976本目

1965年のイギリス映画。原題は「The Agony and The Ecstasy(苦悩と恍惚)」です。 冒頭10分間ほどミケランジェロの生い立ちについて語る部分が、ほぼ「日曜美術館」。だったら邦題は「ミケランジェロ〜その苦悩と恍惚〜」でよかったんじゃないか。その後タ…

ジョー・ライト 監督「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」1975本目

ほんとだ、ゲイリー・オールドマンが太っちょの老人のチャーチルを演じてる。(ご冗談を!若い頃にシド・ヴィシャスを演じた男ですよ!)こんなおじいさんになってから首相に就任したの?可愛いタイピストはリリー・ジェームズ、「ベイビー・ドライバー」の…

ロバン・カンピヨ 監督「BPM ビート・パー・ミニット」1974本目

ジャケットしか見てなかったので、元気なヨーロッパのゲイの人たちの映画(例「パレードへようこそ」)かと思ってたら、「エイズ」が一番恐ろしかった時代の映画だった。 しかも、前半はACT-UPという活動団体の活動を描いた映画だと思っていたけど、やがて積…

ロバート・ワイズ監督「アンドロメダ…」1973本目

ロバート・ワイズって、「市民ケーン」を編集し、「ウエストサイト物語」と「スタートレック」とこの映画を監督した人なの。幅広いなぁ!で、原作は「ジュラシック・パーク」のマイケル・クライトン。 なかなか緻密に作られたSF映画ですねー。 2018年の私た…

チャン・フン監督「タクシー運転手 約束は海を越えて」1972本目

「タクシー・ドライバー」といえばクレイジーなロバート・デニーロ・・・を思い出すけどこの映画の最初はのんびりしてます。ところがそれば、だんだんと信じられない事態へ。軍事政権下の韓国南部の広州という田舎町で、一般市民による民主化デモが起こり、…

ブノワ・ジャコー 監督「エヴァ」1971本目

怖いもの見たさ。イザベル・ユペールが出てる映画は、つい見てしまいます。ましてや今回、「たかが世界の終わり」で惚れてしまったギャスパー・ウリエルにまた逢えるとなれば・・・。 しかしイザベル・ユペール65歳、いつまで官能的な役どころをやり続けるの…