映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

新藤兼人 監督「ふくろう」1963本目

新藤兼人の映画を見るの、久しぶり。 <ネタバレあります> この映画は割と晩年の作品。内容は1964年の「鬼婆」の舞台を変えたものなんだけど、こっちは現代劇でコメディ。社会風刺なのか?なかなかアクの強い役どころの大竹しのぶ、飢えそうになっていたの…

マシュー・パークヒル 監督「dot the I/ドット・ジ・アイ」1962本目

ガエル君の出てる映画をかたっぱしからリストに入れた時のだ。なんてオシャレな映画でしょう。すごくチャーミングな彼女が、なぜかダークスーツにつけ髭。これがまたドキッとします。そんな彼女に事故のように「独身最後のキス」の相手として選ばれたのがガ…

ジム・シェリダン 監督「マイ・レフト・フット」1961本目

1989年のイギリス映画。・・・ここまで聞いて私はきっとサッカー選手の「黄金の左足」の映画だと思いました。全然違った! この映画でのダニエル・デイ・ルイスの演技がすごいって聞いてたけど、本当にすごい。「バリバラ」のおかげで脳性まひの人たちがワル…

ジム・ローチ 監督「オレンジと太陽」1960本目

ジム・ローチは、社会派映画で有名なケン・ローチ監督の息子だそうです。 この映画もお父さんの映画と同様、隠されてきた過去のイギリスの真実を描いていて、胸をえぐられます。エミリー・ワトソンやヒューゴ・ウィービングといった実力のある俳優たちが、感…

デヴィッド・クローネンバーグ 監督「イースタン・プロミス」1959本目

クローネンバーグ監督ってすごく奇妙な映画を撮る監督ってイメージだったけど、この映画の次に作った「危険なメソッド」はむしろクラシックな映画だった。この映画も、厳しい環境にさらされた人々を冷たくも甘くもない視線で見守る映画でした。 ナオミ・ワッ…

森一生 監督「ある殺し屋の鍵」1958本目

1967年の作品。 同年に「ある殺し屋」という映画が公開されてて、これはその続編らしい。見る順番間違えたー。 気を取り直して。市川雷蔵の現代劇って「炎上」くらいちょい昔が舞台のものしか見たことないのでドキドキします。オープニングがまるで「ウルト…

ジュリア・ロクテフ 監督「ロンリエスト・プラネット 孤独な惑星」1957本目

ガエル・ガルシア・ベルナル君と彼女が旅しているのは地球の上のどこだろう?ジョージアかな(アメリカの州じゃなくてコーカサス三国。元「グルジア」)。通貨単位が「ラリ」だし、ありがとうが「ガーマルチョパ」だし。だいぶ進んだところでガイドが「グル…

ジョージ・フィッツモーリス 監督「マタ・ハリ」1956本目

1931年の作品。伝説的なダンサーであり、第一次大戦中はスパイであったとされているマタ・ハリは何度か映画化されているようですが、これはかの大女優グレタ・ガルボが主演。本物のマタ・ハリはインドネシア舞踊ふうのオリジナルの舞を蠱惑的に踊ったけれど…

アントニオ・マネッティ 監督「宇宙人王(ワン)さんとの遭遇」1955本目

2011年のイタリア映画。イタリア?? なかなかの珍品ですね・・・。邦題に「宇宙人」「王さん」とあるので、中国語圏か、せいぜい国内で作られた映画だと思いました。イタリア人がなぜこんな映画を作るのか・・・。モンティ・パイソンのスキットに「我愛中国…

グレゴリー・ホブリット 監督「真実の行方」1954本目

なるほどの演技力、エドワード・ノートン。これデビュー作なんでしょう?私はこの映画の結末のことは知らずに見られてラッキーだったけど、エドワード・ノートンの演技力や、彼がやりがちな役どころをよーく知ってるのは、残念だったかも。映画の結末もノー…

オーソン・ウェルズ監督「上海から来た女」1953本目

オーソン・ウェルズの、オーソン・ウェルズによる、オーソン・ウェルズのためのオーソン・ウェルズ劇場なのですが、独特の古めかしい耽美の世界があって一種の美しさがあります。でも彼の美学は見た目に徹底的にこだわるというより、リタ・ヘイワースという…

スチュワート・ベアード 監督「追跡者」1952本目

先の「逃亡者」の「スピンオフ」だそうです。追うものは前回に続いてトミー・リー・ジョーンズだけど、 逃げるものはハリソン・フォードじゃなくウェズリー・スナイプス。で監督が違います。こっちは続編の呪いを払拭しようとしているのでしょうか、冒頭から…

アンドリュー・デイヴィス監督「逃亡者」1951本目

1993年のアメリカ映画。このくらい昔の、アカデミー賞やカンヌで目立った賞を取ってない映画って、当時かなりヒットしたものでも、今ちょうど見る人が少なくなってると思う。こういう映画をテレビでやってくれると、思いもよらない出会いがあってありがたい…

ジェームズ・フォーリー 監督「フィフティ・シェイズ・ダーカー」1950本目

続編。もともと続き物のドラマのような作品なので、「二番煎じ」というより「第二話」です。ダコタ・ジョンソンって、若い頃のシャーロット・ゲンズブール みたいに頼りなげで、喋り方も幼い感じで適役なんだろうな。「グレイズ・アナトミー」のエレン・ポン…

行定勲監督「リバーズ・エッジ」1949本目

原作のマンガが連載されてたのは1993-4年だそうだ。単行本を読んだときはとっくに社会人だったはずだけど、少年少女のような気持ちで読んだ記憶がある。怖いマンガだなと思った。二階堂ふみの出る映画は、彼女の存在感が球体みたいに強くて無傷すぎて、「怖…

マーティン・スコセッシ 監督「グッドフェローズ」1948本目

2年前にも見たのに、なんで忘れてたんだろう?まっさらな気持ちでもう一度・・・ なんともリアルなマフィア物語。主役のレイ・リオッタは、普通っぽくも見えるけど肝の太い若い男、という役どころを見事に演じていますね。なんとなくホアキン・フェニックス…

ダーレン・アロノフスキー 監督「マザー!」1947本目

「ブラック・スワン」の監督にジェニファー・ローレンスとハビエル・バルデムって面白そうに決まってるじゃないですか。なんで日本で公開されないんだろう?サイコ・スリラーで若い妻が妊娠するって、「ローズマリーの赤ちゃん」を思い出せばいいのかな。 な…

石井岳龍監督「ソレダケ that’s it」1946本目

全編白黒なのかな。と思ったらトマトが赤かったり。だんだん色づいてくる。 石井岳龍という監督が石井聰亙のことだと初めて知った!なんで、いつ、改名したの?(字を間違えられるから、等とWikipediaとかに書いてあった) 冒頭の新宿西口っぽい、こなれてち…

ブライアン・シンガー 監督「ユージュアル・サスペクツ」1945本目

複雑! 私はこういう難しい筋の映画は、一度映画館で見ただけでは把握できないので、DVDで繰り返し見ないとダメだ。今回はAmazon Primeの高画質でなんども見られて良かった。 「ベイビー・ドライバー」でマフィアの黒幕を演じた、あの貫禄のケヴィン・スペイ…

ジョン・カーペンター 監督「遊星からの物体X」1944本目

1982年のアメリカ映画。南極の雪原を犬が走り回る冒頭の映像はキレイで、昔の映画って感じはありません。なんでかというと多分、これAmazon Primeで見たんですが、画質がHDで、DVDよりだいぶ解像度が高いのです。昔の映画ってBlu-rayで出直してるものが少な…

リチャード・アッテンボロー監督「遠い夜明け」1943本目

なんでこの映画を先に見てから行かなかったのか・・・。南アフリカなんてもう一生、二度と行くことないのに。見てたらマンデラが投獄されてたロベン島にも絶対行ったのに。 ビコといえば、ピーター・ガブリエルの「ビコ」って曲が流れてたのは1980年あたりか…

ジョン・フランケンハイマー 監督「大列車作戦」1942本目

1964年のアメリカ映画。パリからドイツへの線路の上が舞台で、登場するのはフランス人とドイツ人だけど。フランス人俳優は、ジャンヌ・モローが出てますが少数。 蒸気機関車と白黒映画って合うね。バート・ランカスターの顔がいつも煤で真っ黒で、なんかいい…

ニテーシュ・ティワーリー 監督「ダンガル きっと、つよくなる」1941本目

140分があっという間。インド映画ってほんとに、飽きさせない。 でもさ!この映画ってすごくストレートにスポ根ものだね!あまりに真っ直ぐすぎて驚きました。ディズニーのお金が入ってるからなの?女の子は男の子より不利、でも強くなれば1番になれる、意…

ロバート・アルドリッチ監督「カリフォルニア・ドールズ」1940本目

あー、こういう、アメリカの地方のふつーに生きる人たちの映画ってみんな好き。残念ながら、彼らは日本人のことなんか興味ないと思うけど・・・ 原題は「... And All The Marbles」。試合前のアナウンスで、我らがカリフォルニア・ドールズと宿敵トレド・タ…

ジャック・ヘイリー・ジュニア 監督「ザッツ・エンタテインメント」1939本目

イントロダクションを見た後、本編の「オーバーチュア」だけで4分近い!その間ずっと赤い舞台幕を見ながら心踊る音楽が流れて、あー映画って素敵な夢見たいな娯楽だなぁ、と昔の若者になったように胸がワクワクしてきます。ワクワクしたいときのために、これ…

デブラ・グラニック 監督「ウィンターズ・ボーン」1938本目

ジェニファー・ローレンス20歳、すでにこの腹の座りよう。生まれ変われたら、こういう頑丈で人を守れる女性になりたい・・・。 この映画については「ヒルビリー」と言われるアメリカ山間部の貧しい人々の暮らしや、一族意識のことなどが饒舌に語られています…

フィリップ・ル・ゲ 監督「屋根裏部屋のマリアたち」1937本目

フランスでメイドとして働くスペイン人って、実際にたくさんいるのかな。1960年代にはいたのかな。「屋根裏部屋」っていう秘密めいた魅惑の場所に暮らすエキゾチックな女性たちの生活。アパルトマンの「屋根裏」というのはちゃんと貸し出されているのに水道…

ケン・ローチ監督「麦の穂をゆらす風」1936本目

2006年の作品。Wikiを見なかったら、きっと監督はアイルランド人だと思っただろうな。イングランドに対抗するアイルランドの人たちを描いていて、結構イングランド軍が悪者だから。でも実は監督はイングランド出身。特定のどこかに肩入れするのでなく、人間…

フェデリコ・フェリーニ 監督「ジンジャーとフレッド」1935本目

冒頭の老婦人に見え覚えがあります。「道」でジェルソミーナを演じたジュリエッタ・マシーナです。このあふれ出る知性、常に何か考えている瞳、抑えても出てくる鋭い言葉。やっぱりこの人は若い頃から頭の弱い演技は無理だと思う。(「道」でそれでもみんな…

ピーター・グリーナウェイ 監督「コックと泥棒、その妻と愛人」1934本目

この映画の評判を当時聞いた覚えもあるんだけど、不思議と見ないまま来ていました。 どれだけ悪趣味かということは、すでに見た人の感想とかでだいたいわかってたし、映画の中でもちゃんと時間をかけて語られるので、お化け屋敷の作り物みたいな気持ちで冷静…