映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

アン・リー監督「ブロークバック・マウンテン」1509本目

2006年のアメリカ映画。 すごい雄大な山々。アメリカってなんて大きな大陸なんだろう。それはそうと、ヒース・レジャーも若いがジェイク・ギレンホールもまだ少年っぽい。 映画のジャンルが「ラブロマンス」となっていて、この二人が主役?え?と思ってつい…

松井久子監督「レオニー」1508本目

日本映画と言っていいのかな? かの有名な彫刻家・デザイナー、イサム・ノグチの家族の生きたさまを、母レオニーを中心に描いた、事実に基づく映画。父は日本人の詩人、母はアメリカ人で、野口に招かれて日本に来て初めて、彼には妻がいることを知る・・・。…

アルフレッド・ヒッチコック 監督「ダイヤルMを廻せ!」1507本目

1954年の作品だけど鮮やかなカラー。 レンタルDVDが品薄でいつまで経っても届かないので、とうとう配信レンタルしてみた。面白かったけど、トリックや構成が割合現代的なおかげで、最近の映画なら最後にもう一ひねりくるかな?とか、疑い深く見てしまった。…

クリント・イーストウッド監督「ハドソン川の奇跡」1506本目

いい映画だ。 「はやぶさ」よりいい。 こういう”絶対感動する題材”って難しいと思う。安易に、ヒーローを悪役扱いした国家運輸安全委員会が悪い!という構図にしてしまいがち。この映画のトム・ハンクスはいつもの「いいやつだけどちょっぴり抜けてる」感じ…

ロビン・スウィコード 監督「ジェイン・オースティンの読書会」1505本目

初めてのAmazon プライムビデオ。 女性のマニアって面白い!(私もか?) いや、それぞれ美しく知的で個性的な大人の女性たちが、それぞれ思い入れたっぷりにジェイン・オースティンを(めいめい勝手に)語る。男の好みもいろいろ、だけど離婚したり離婚しか…

ティム・ロビンズ監督「デッドマン・ウォーキング」1504本目

ティム・ロビンズって人道的で心が温かくなる映画の人ってイメージがあったので、この映画の、なんというかオチのない感じがちょっと意外でした。スーザン・サランドンいいなぁ。目が大きくて、溜めた涙の量だけでも演技が成立する。 ロッキー・ホラー・ショ…

クリスティアン・ペッツォルト監督「東ベルリンから来た女」1503本目

原題は主人公の名前「Barbara」だけど、日本で上映するうえではこの邦題は必要だな。 2013年のドイツ映画。といっても映画の舞台は1989年のドイツ統合の9年前、1980年です。 一見したところ共産国というふうではなく、働く女性が主人公、舞台が病院の映画な…

ベルナルド・ベルトルッチ監督「ドリーマーズ」1502本目

映画トリビアクイズがたくさん出てくる映画って、知らないのが多いと楽しくないよね。 そういう意味で、みんなが大好きな「ニュー・シネマ・パラダイス」はマイナス10点くらいしたくなる。 この映画はもっとストレートに、映画マニアの少年少女たちがクイズ…

グザヴィエ・ドラン 監督「たかが世界の終わり」1501本目

くだんの監督の新作。 22のときに家を出て12年。弟が実家に帰ってきた。自分の死期が近いことを家族に伝えるために・・・。タイトルが良すぎる。「永遠と一日」くらい良い。もうタイトルだけでお腹いっぱいだ。原題もまさに、英語で「IT'S ONLY THE END OF T…

エリック・トレダノ 監督「最強のふたり」1500本目

このテーマの作品をフランスの大人が撮るとこうなるのか! いいなぁやっぱりフランス人。音楽が静かだったり、フィリップの周りの人たちがみんな大人だったり。アフリカン・フレンチの彼のルーツはセネガルかしら、彼がブギー・ワンダーランドで踊ったのはと…

ジャ・ジャンクー 監督「罪の手ざわり」1499本目

2013年の中国映画。私の好きな意味で、とてもエモーショナルな映画。 想いがつのってつのって抑えられなくなる人間の弱さが、じわっと伝わって来ます。 オムニバス的なこういう構成は、どうしても気持ちが散ってしまって、あんまり得意ではないんだけど、誰…

ウィリアム・ユーバンク 監督「シグナル」1498本目

うーむ、何が言いたい映画だったんだろう。 「絵は上手いんだけど」って批評されて入選を逃した、新人の漫画作品みたいだ。 普通の男の子と女の子がハッカーを発見して、その後何かに巻き込まれる・・・という成り行きはちょっとゾクゾクする。 楽しめる映画…

新海誠監督「君の名は。」1497 本目

やっと見たよ。去年の8月公開作品が年明け2月にまだ渋谷の映画館で新作上映されてるって何事?? そして、図らずも泣いた。 新海誠でしょ、どうせ背景の方が人間よりずっと描き込まれてて、もどかしくてもどかしくて、会いたいけど会えなくてムズムズして…

アルバート・メイズルス監督「アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー」1496本目

ニューヨークの超ファッショナブルな老婦人のドキュメンタリー。 ずっとインテリア・デザイナーをしていた人らしいのですが、若いころからずっとファッション・アイコンとしても有名で、名だたるブランドのデザイナー達にインスピレーションを与え続けてきた…

真利子哲也 監督「ディストラクション・ベイビーズ」1495本目

ひたすら何でだか本気の暴力を続ける、目力のすごい男が映ってるなぁという感じで、よく理解はできなかった。不思議と怖くはない。痛いんだろうなぁ、拳の本当の痛さは刺すような感じじゃなくて、ボスっと鈍くいつまでも痛いのかな、とか思いながら見てた。…

ガス・ヴァン・サント監督「追憶の森」1494本目

原題は「The Sea of Trees」、樹、海、だ。 樹海と言われてもなんだかわからないカンヌの人々には、この映画は不評だったとか。 「永遠の僕たち」を見たあとでこれを見れば、渡辺謙があの映画での加瀬亮であって、The Perfect place to dieの樹海が特攻隊と…

アラン・J・パクラ 監督「ソフィーの選択」1493本目

思ってたのと全然違う映画だった。前情報なしで見るのってやっぱりいいですね、驚きがあって。 公開当時それなりに評判になったし、メリル・ストリープの出世作といっていい作品だと思うけど、美しい女性が二人の男性の間で揺れる・・・みたいなロマンチック…