映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

松岡錠司監督「きらきらひかる」11

1992年の作品。薬師丸ひろ子が演じる、アルコール依存症ぎみの女性、笑子。彼女は家でイタリア語の翻訳をしています。豊川悦司演じる、同性愛者の医師、睦月。筒井道隆演じる大学生、紺。笑子と睦月が事情をわかった上でお見合い結婚をするんだけど、睦月と…

成瀬巳喜男監督「浮雲」10

1955年の作品。林芙美子の小説がベースで、高峰秀子と森雅之が主役。 珍しくこれは原作を先に読んでます。高峰秀子可愛いすぎる!!要は植民地に赴任していたときの不倫相手に内地に戻ってきたら捨てられて、追いかけて逃げられてまた恋をして…っていうお話…

今村昌平監督「赤い橋の下のぬるい水」9

2001年作品。清水美砂と役所光司が主演で、カンヌ映画祭正式出品作品として話題になったあの映画です。当時すでに私は大きな大人でしたが、”見ちゃいけないいやらしい映画”だと思ってました。実際に見てみたら、全然いやらしくなかった。性を笑える大人のた…

市川昆監督「ぼんち」8

市川雷蔵主演の1960年作品。 幻のスター!というイメージが強い人ですが、この映画では育ちのいい、派手さをあまり感じさせない足袋屋のボンボンを演じています。たった100分チョイに一生を詰め込んであって、これだけ駆け足で語るとどうしても寓話っぽくな…

今村昌平監督「復讐するは我にあり」7

1963年に実際に起こった連続殺人事件を元にして書かれた佐木隆三の小説を、1979年に今村昌平が映画化したもの。主人公の榎津は長崎の五島で敬虔なクリスチャンの家に生まれてやがて別府に家族で移転しますが、キリシタン差別を黙って受け入れる父に反発した…

東陽一監督「もう頬づえはつかない」6

1979年作品。当時の大学生の雰囲気や気分がとてもよく描けている映画だと思います。女子大生「まり子」は桃井かおり。彼女が追いかけている、自分にしか興味がない”ポスト全共闘時代”の年上のライターが森本レオ。桃井かおりが酔ってうっかり付き合い始める…

中江裕司監督「ナビィの恋」5

1999年作品。”名画”(立派な映画、くらいの意味、たぶん)ではないのかも。けどいい映画だ。…と思いました。いつかまた見てみたい。東京で仕事をしていた娘が沖縄の小さな島に戻ってくる。同じ船に実は、彼女のおばあちゃんの若いころの恋人が乗っていた。お…