2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧
ロードムービー、ではなくてドライブインに女の子が住み着く話。 でも定住感がまるでない。人はドライブインに立ち寄っては道の先を急ぐ。 ふしぎな心地よさは、PFFスカラシップ作品だけど、うまく作られているからじゃないかと思います。 菊地凛子(このこ…
1984年の公開初日に、歌舞伎町のシネマで立ち見して以来、31年ぶりに見ました。 上京して初めて見に行った映画。 今見ても最初からお化け屋敷みたいで楽しい!初めて見たときの気持ちを思い出して、なんともいえず嬉しくなります。今見るとおもちゃみたい…
1964年作品。不思議な映画だなぁ。船に乗り合わせた人たちと船頭との呑気な会話と、割合イヤな貧乏人いじめの話と、最後に追加されてる、見た人の気持ちをフォローするような後日談。 ストーリーを把握した上でもう一度通して見たら、この映画のおかしみがわ…
「観察映画」。これは、いいと思う。 ドキュメンタリーでも、監督の恣意がすごく感じられるものって多い。本当のことを、手を加えずに伝えるにはどうすればいいか?とこの監督は考えたんだろうな。 以前ホームヘルパーの実習に行ったときのような、父のグル…
2002年、いまから13年前の作品。 白黒、というよりブルーブラックの画面が金属的で、一種の美しさがあります。 黒沢あすかがとても綺麗だけど、超地味な女性が思い切りセクシーになる、というこの設定は、ちょっと”男のロマン”っぽいなぁ、女性のセクシュ…
友人たちの前評判がよかったので見てみた。面白かったけど、「深い!」とまでは思わなかったなぁ。 小学生くらいの、自分のなかのモヤモヤが理解できない子供には、いいガイドになるかなと思う。 ライリーはこれから、怒りや、映画にまだ出てきてない憎しみ…
あんまり私はピンとこなかったです。 わりと期待してたんだけど、期待が的外れだったかな? ジジイたちはカッコイイけど、びっくりするような展開も特になく、ジジイであることだけに頼ったギャグが多くて。 これが漫才とか漫談とかだったら、舞台にほんもの…
1943年、原作が刊行されてすぐ作られた映画です。原作がどれほど売れたか、想像できますね。 ヘミングウェイがどういう人物だったのか、ずっと考えてるんだけど、性的で暴力的な”男のサガ”と、知的で冷静で気弱な部分とが常にせめぎあっている複雑な人という…
1963年作品か。 キューブリック作品の完成度は、制作年代を感じさせません。白黒なのに。たぶんいつ見ても最新テクノロジーだと思うんじゃないだろうか。 この映画を見るのもたぶん3回目だけど、新鮮で気味悪くて、やっぱりすごい。 ピーター・セラーズって…
うんざりするくらいダメな男と女。 アキ・カウリスマキね。なるほど。 途中だらっとしたところも、この映画には必要なんだろうな。 みんなに囲まれてごまかしきれず空気がプシュー、とか、最後の最後とか、声を出して笑ってしまいました。 なんの教訓もカタ…
2012年の作品。 よかったです。 臼田あさ美が、幸せだろうが不幸だろうが、一生懸命すぎずどこかいつでも受け身な女性をいい具合に表現してます。三浦貴大の、逆に一生懸命すぎて内側で熱が空回りしてる感じも。 惹かれ合うことも、いっしょになれないことも…
1956年の作品。 コーエン兄弟の「レディ・キラーズ」の元作品。あのマニア兄弟がリメイクするほど惚れ込んだのはどんな作品か、ずっと見たかったんです〜。レンタルしてない作品なので、テレビで見られてほんとうに嬉しいです。老婦人は時代も時代なので、ほ…
2004年の作品。 冒頭、言葉による背景説明があって、いまどき珍しいなぁ、ビジュアルだけですべてを語ろうとする監督が多いのに、と思ったけど、説明はそこだけで、あとは登場人物が語ってくれました。・・・そうか、この映画は、オウム事件の逃亡指名手配犯…
1983年の作品。インドの街中で現金をばら撒くと、人々がそれに群がる、とか、半裸の野蛮な現地人が襲ってくるとか、カメラを持ったイギリスからの観光客が大勢船から見てるとか・・・なかなか庶民的なエンターテイメントですね〜。 ダニエル・クレイグ時代の…
1998年作品。 17年前かぁ。その後デカプリオはすっかりいいおっさんになって、三銃士は老人めいてきたな。 この頃のデカプリオは純真な若者と酷薄な悪党の両方の顔を演じられる青年で、この役にはピッタリ。 三銃士のマルコビッチ、ドパルデュー+1も渋くて…
1976年の作品。 絶対イギリスの、BBC用に作られたテレビ映画だと思ったらアメリカ映画ですって?本当?? ストーリーやトリックはなんだか無茶苦茶だけど、こういうビートルズ映画やモンティ・パイソンみたいな映画、イギリス人がいかにも好きそうだと思った…
スペインの「サン・セバスチャン映画祭」で上映される日本映画をかたっぱしから見るという企画、これでいったん最後です。フィナーレを飾るのにふさわしい力作でした。知らない人はいない「あさま山荘事件」は、そこに至る前の時間のなかで行われてきたこと…
いい映画だった。 何かが解決したわけでもないし、現実はこのまま続いていくんだけど、みんなそれでいいんだ、と暖かい気持ちになります。耳の外のどこかから、倫理を責める声が聞こえるような気もするけど・・・。 ホーキング博士という頭脳がずっと生きて…
バンパイア映画といっても、いろんな仕掛けがあるもんだ。 この映画はとにかく、世紀末的でデコラティブな美術と、ハードで重めの音楽の完成度が高くてユニーク。 なんとなく、アダムとイヴのキャラクターが素敵で、もっと見ていたい気持ちになってきます。 …
インパクトは「マイ・マザー」「トム・アット・ザ・ファーム」には敵わないけど、独特の美意識に満ちた作品でした。愛する彼の母親を、「マイ・マザー」の母が演じてます。この映画ではアンドロイドのような、ドクター・スポッックの乳母のような服装をした…
よかった。 監督が河瀬直美なのかと思ったら、監督してなくて出演してた。 彼女の映画よりわかりやすくて、落ち着いて見られる。 昔話みたいに美しい山肌とか里の野とか、見ているだけでいい空気を吸ってるような気分です。 「千と千尋の神隠し」の実写版、…
ありがちなトレンディドラマのような設定で、セリフや空気も心地よくけだるく作ってあるのに、最後の最後だけ唐突にアンチクライマックス。なんか嫌だな、こういうの。騙すことだけが目的みたいで。誰にも陰がなくて伏線も予感もない。小出恵介がの先輩の彼…
かつての14歳といまの14歳が交錯するテーマには共感するけど、ちょっと間が多すぎて集中力が続かなかった。役者さんたちがあざとくないのは心地よいんだけど、あまりに棒読みで。 結局、14歳がどういう想いなのかというイメージが湧くところまでたどり…
「悪人」で大いに感動した李相日監督の、初期の作品。 ちょっと構成が複雑で、すぐ筋を見失ってしまって、解説を読みながら見ました。 父を殺した、父が殺された、父が死んだ、といった言葉を、本当と嘘を織り交ぜて何人もの人が口にするので、あれ、この子…
他の人たちの感想を読むとおもしろい。 かなり、人によって解釈が違う映画です。 クラゲは「自分」ともいえるし「若者」ともいえる…私にはクラゲが「夢」とか「未来」、キラキラして明るくて強いもの、に見えました。猛毒だし飼うのは面倒だし、死んじゃっ…
浅野忠信は、堕ちた男を演じることはできるけど、役所広司のような業の深さが出ない。 だからやっぱりユリイカのほうがよかったなぁ。高良健吾は、底なしの善人も、どっかがとんがってる異常者も、同じように演じきるところがとても良いと思います。石田えり…
「共喰い」もすごい映画だと思ったけど、これはもっと大名作だった。見てよかった。 3時間半という長さがまったく苦になりません。 セリフが少なく、淡々とした映画で、説明的な場面も全然ないんだけど、構成がうまいおかげでちゃんと意味がわかるし、場面変…
私、諏訪監督の長編映画みるの初めてだ。<以下ネタバレ>下手なドキュメンタリーだったらどうしようと思いながら最後まで見たら、ドキュメンタリーふうのメタメタな構成の映画でした。監督は新しい手法に関心のある頭脳派なんだろう。 しかしここまで元ネタ…
こんな映像を撮ってあったんだ。 ひたすら淡々と311の「41日後」あたりの生々しい被災地の映像、被災した人たちの言葉を流します。 何もなくて、記録として良いドキュメンタリーだと思ったけど、インタビュアーが少しだけ、ちょっと前のめりで力んでる…
寺島しのぶ、きれい。 顔の肌もとってもきれいだけど、体もすみずみまできれい。 これほど女性の肌を美しく撮れるのは女性監督かしら、と思ったら、ピンク映画出身なんですね。で、原作が女性。なるほど。あと、トラックが走っていく夜明けの道が美しすぎる…