映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

沖田修一監督「さかなのこ」3659本目

2回め。優しい映画だな、やっぱり。みんなこんなに優しかったらいいのにね。 そして、ほんとリアリティじゃなくてファンタジーに8割くらい傾いた作品だったなと思う。人の優しい部分をどんどん引き出すさかなクンやミー坊は偉大だ。 自分がエキストラとして…

ジョン・ワッツ 監督「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」3658本目

「ホーム」シリーズ第二作。第一作はワザとローテクに作ってあったな、と改めて思う。こっちのほうが全体的にスピーディでエンタメ性が高い。 それに・・・ジェイク・ギレンホールは私の中では常にポイント高いんだよなぁ。彼が出てる映画はちょっと変ですご…

ジョン・ワッツ 監督「スパイダーマン:ホームカミング」3657本目

「ノー・ウェイ・ホーム」を先に見てしまったけど、さかのぼってこれも見ました。 トム・ホランド、ほんとに普通のアメリカの少年みたいね。テーマ曲が懐かしのラモーンズだなんて、ちょい懐かしめの学園ドラマっぽい。よくできてるけど、学園ドラマのつもり…

ジョン・ワッツ 監督「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」3656本目

見る順番をまた間違えた。スパイダーマンの「ホーム」シリーズの最新のだった。 トビー・マグワイアは見たかもしれないけど記憶がなくて、アンドリュー・ガーフィールドは見てない。おかげで前者はサイダーハウス・ルールとギャツビーの”傍観者”的イメージの…

ボブ・ペルシケッティ/ピーター・ラムジー/ロドニー・ロスマン監督「スパイダーマン:スパイダーバース」 3655本目

教え子がめちゃくちゃ最新作を推すので、まずこれから見てみることにしました。(本当は最新作が実写版だと勘違いして「ノー・ウェイ・ホーム」を見てしまったけど、そっちの感想はあとで) 「エブエブ」の感想で「最近流行りのマルチバース作品」と書いてる…

アキ・カウリスマキ監督「パラダイスの夕暮れ」3654本目

1986年、アキ・カウリスマキ監督の初期の作品。 まだ若いお姉ちゃんという感じのカティ・オウティネンは、今年になってから何度も仕事をクビになっている。ごみ収集業のマッティ・ペロンパーが彼女と出会ってナンパします。この方、「モーゼに会う」1994年の…

アキ・カウリスマキ監督「レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う」3653本目

U-NEXTに未見のアキ・カウリスマキ作品がいくつも入ってきたので、喜んで次々に見てみたいと思います。1994年作品。1989年の「ゴー・アメリカ」の二匹目のどじょうってやつですね。レニングラード・カウボーイズは「ハノイ・ロックス」と同様、関係ない地名…

佐藤祐市 監督「キサラギ」3652本目

阿津川辰巳の作品集「透明人間は密室に潜む」の中にアイドル関連の事件を裁判員たちが審判するという短編があって、その流れでこの作品の名前が目につきました。2007年の作品。文化的には大きく変わってない気がするけど、まだスマホじゃなくてケータイの時…

ルイス・ブニュエル監督「熱狂はエル・パオに達す」3651本目

これもDVDレンタル。 メキシコのブニュエル監督が撮ったフランス語作品か。主役がジェラール・フィリップだからだな。そういえば冒頭からのナレーションの声がジェラール・フィリップだ。 舞台の島はカリブ海のどこかのようだけど、OjedaやEl Paoという地名…

ロベルト・ロッセリーニ監督「無防備都市」3650本目

イタリアのネオリアリズモということは、「自転車泥棒」と同じジャンル? あれは孤独な父子の貧しい生活だけがぽつんと描かれた映画だったけど、これは熱く抵抗し、熱く戦った男たちと女たちと子どもたちの映画だった。救いのなさは似てる。 レジスタンスの…

エドワード・ヤン監督「ヤンヤン 夏の想い出」3649本目

やっと見ることができました。TSUTAYA DISCUSでDVDを借りるのは久しぶり。何年もこの作品を「見たいリスト」に入れてたけど、ずっと品薄で。最近はDVD借りる人が減ったので在庫があったのかな。 やんちゃな男の子の明るい物語・・・のわけないか、エドワード…

是枝裕和監督「怪物」3648本目

<結末についての考察やストーリーについて書いています> 迷いに迷って結局、新宿歌舞伎町にできたばかりの109シネマズプレミアム新宿で見てきました。YMO世代の私は坂本龍一の逝去がかなりショックで、彼の最後の映画音楽を、彼が音響をプロデュースした映…

タカハタ秀太 監督「鳩の撃退法」3647本目

公開すぐに劇場で見たけど、今度は家でVODで見ました。 佐藤正午は、今いちばん本当に面白い小説を書く作家だと思ってる(40年くらい前から)。日常から逸脱に逸脱を重ねて、どこまでも途方もなく遠くまで行ってしまうプロットを、推敲に推敲を重ねて仕上げ…

ナ・ホンジン監督「哭声/コクソン」3646本目

先に「女神の継承」を見てしまって、「コクソンの方が怖かった」と書いてる人が多かったので、どれほどおどろおどろしい作品なのかと思ったら、國村隼は見慣れていて少なくとも”異形”ではないし、村の駐在さんクァク・ドウォンが愛嬌たっぷりで(サモハンキ…

バンジョン・ピサンタナクーン 監督「女神の継承」3645本目

<結末に関する個人的な洞察が含まれています>(というほどのものではないけど) 本格的な作り込んだホラー映画(「ヘレディタリー継承」みたいな)かと思って、時間と心の余裕のあるときまで見るのを取っておきました。素朴な郊外の風景をそのままドキュメ…