映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

蔵原惟繕 監督「銀座の恋の物語」697本目

1962年作品。かの有名な「銀恋」の映画。さぞかし夜のラウンジのムード歌謡感たっぷりな映画かと思いきや、冒頭に銀座和光の時計台が映った…と思ったら次のシーンでは、人力車を引く裕次郎の姿が!いい感じにいきなり落としてくれます。肉体労働のバイトをし…

黒澤明監督「乱」696本目

1985年作品。 始まって少しのところで、父と息子3人と側近達が座っている場面があります。「影武者」の冒頭と同じような配置です。が、あれほどカメラが引きではなくて、その後も映画全体を通じて、人物に寄った構図が多く出て来ます。「影武者」はモスフィ…

オムニバス「ベトナムから遠く離れて」696本目

1967年の作品。ベトナム戦争は1960年頃から75年まで続いたそうなので、その真ん中あたりで作られたものです。 フランスは確かにベトナムからはるか遠いところにあるし、この戦争はソ連・中国/アメリカの冷戦対決だったのだと思うけど、それより前にヨーロッ…

ジョエル・コーエン 監督「ファーゴ」695本目

面白かった。 「面白い」にもいろんな意味があると思うけど、この映画の面白さは、アメリカの片田舎のフツーの人たちのリアリティの中から見えてくる、人間の本質…可笑しさ、怖さ、いいかげんさ。そんな中でも正しいことを貫き通そうとする人のもたらす、か…

スチュアート・ローゼンバーグ 監督「暴力脱獄」694本目

1967年とはまた、意外なほど昔の作品。 権力に屈せず、いつも微笑みを浮かべている”打たれ強い”ヒーローが、脱獄を繰り返し最後まで自由を求める物語。誰にも媚びず、ルールを笑うので最初はいじめられるけれど、一貫した態度に皆だんだん引かれていきます。…

ハワード・ホークス監督「ヒズ・ガール・フライデー」693本目

ケーリー・グラントの真骨頂。 昔の映画って台詞めちゃくちゃ多いのがありますよね。 カメラもすごく長回しだし、俳優さん大変だったろうなぁ。 ストーリー展開はすごく速く、昔の新聞社は今と違って牧歌的だったのでは、なんて思うと真逆です。 メールもFax…

マイケル・チミノ監督「天国の門」692本目

「タクシードライバー」のマイケル・チミノ監督が、膨大なコストをかけて作ったけど、興行的には大失敗に終わった作品、と聞いて見てみました。 膨大なコストは間違いなくリアルさの追求に役立っていて、実際に今その人たちがそうやって暮らしている、という…

ゲイリー・ロス 監督「ハンガー・ゲーム」691本目

「バトルロワイヤル」の仲間? なんでだかわからないけど、少年少女が殺し合わなければいけない世界。 しかしそこで、ジェニファー・ローレンスは、彼女の「重力」に観客がぐぐーっと引き寄せられるほどの、中身の詰まったリアルな存在感。彼女のおかげでい…

エドワード・ズウィック 監督「グローリー」689本目

1989年のアメリカ映画で、南北戦争の黒人部隊について描いた作品です。 南北戦争ってアメリカの国内の争いなんだよね。小さい国で資本主義と共産主義が、それぞれ強大な国をバックにつけて争う、というのとは違う。大昔からある、単なる権力争いとも違う。ひ…

ジョン・ヒューストン監督「女と男の名誉」690本目

そうか、あのジョン・ヒューストン監督の作品なのか。 ゴッドファーザーのパロディみたいな、女が強くてワルいダークコメディでした。 この映画も、期待以上の面白さ。「どんでん返し」ものは、期待値が低ければ低いほど盛り上がるので、たまたまテレビとか…

堤幸彦監督「明日の記憶」688本目

アルツハイマー型認知症患者の映画、とだけ知っていましたが、発病してからの症状を中心に描いたというより、第一線で仕事をバリバリこなしていた男が、自宅での生活を送れなくなるまでの本人と周囲の人々の「受け入れ」の段階を描いた映画でした。 本人だけ…

ウール・グロスバード監督「恋におちて」687本目

メリル・ストリープとロバート・デニーロ。 見る前は、デニーロがこんなスイートな恋愛映画に出るなんて!と思ったけど、どの映画でも彼は役の中でステキな女性に恋をしてましたっけね。まったく違和感のない、情熱的でチャーミングな恋愛でした。 といって…

アモール・グプテ 監督「スタンリーのお弁当箱」686本目

「きっと、うまくいく」の流れのつもりで見たので、起承転結の激しい大人間ドラマかと思ったら、小粒でほんのりとした映画でした。期待値が、最大で始まって終わる頃にはちょっと「あれ?」という気持ちになってしまいましたが。エンドロールのときに、イン…

黒澤明監督「蜘蛛巣城」685本目

濃い映画だったー。 権力とか欲望とか戦争とか死、魔性や奇跡や、盛りだくさん。 落語や歌舞伎のような、昔の庶民的な娯楽と似ている印象です。 怪談とかね。どきどきして怖くて。役者さんたちは素晴らしいと思うけど、おどろおどろしさが私にはちょっと強す…

アンヌ・フォンテーヌ 監督「ココ・アヴァン・シャネル」684本目

アメリのオドレイ・トトゥがココ・シャネルを演じています。 ファッションには全然詳しくないので、世界を変えるほどの変革を起こしたシャネル創業者が、小さい頃から最高のドレスを着てたんじゃなくて、叩き上げだと知っただけでも驚きでした。でも、つい朝…

青山真治 監督「東京公園」683本目

若いいい役者さんがたくさん出てる。淡々として、しずかですこし優しい空気。 とっつきやすい映画で、誰からも嫌われない人みたいだけど、いい意味で快く感じました。「五右衛門ロック3」で男っぽさをまき散らしてた三浦春馬でしたが、この映画では私のイメ…

クリストファー・ノーラン監督「メメント」682本目

この映画もずっと見たかったんだ。こういう映画だったのか。 むかしイギリス人とロンドン土産の話をしたときに「souvenir」じゃなく「memento」って言った。記念の品、思い出の品、というような意味かな。時間をさかのぼっていく映画だということだけは事前…

熊切和嘉 監督「夏の終り」681本目

満島ひかりが瀬戸内晴美を演じるなら見てみようと思いました。 もっと言うと、その相手が小林薫と綾野剛ならますます見てみたい。エロスってのは1:1のものだから、端から見てる分には別に色っぽい感じなど何もないのかもしれない。人妻が若い男に走り、そ…

渡部武彦 監督 ゲキ×シネ「ZIPANG PUNK 五右衛門ロックIII」680本目

以前誘われてゲキ×シネを見たら面白かったので、これで3回目。 出演は最初に見た「蛮幽鬼」が上川達也/堺雅人/早乙女太一/稲森いずみ、次に見た「髑髏城の7人」が小栗旬に森山未來、小池栄子に仲里依紗。今回の目玉は三浦春馬とすっかり大人になった蒼…

新藤兼人監督「悪党」679本目

新藤兼人作品にハズレなし。 しかしこの作品は、その中では比較的とっつきにくい印象です。 なぜだろう。私は彼の静かでやさしい作品のほうが好き(午後の遺言状とか)で、これは”むき出しの生死・情欲”を描いたものだからかな。でも「鬼婆」はすごい作品だ…

イングマール・ベルイマン「不良少女モニカ」678本目

9日ぶりの映画。こんなに空いたことは、海外旅行中でもなかったような。真面目な少年が「不良少女モニカ」と出会い、恋に落ちて、逃避行の末に子どもができて、町に戻って結婚し、まじめに暮らそうとしてたのに、モニカが相変わらず不良少女なので、別れて…