映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

アルフレッド・ヒッチコック 監督「暗殺者の家」1053本目

1934年の作品。 「知りすぎた男」としてのちにヒッチコック自身がリメイクした作品の前身。 なんとピーター・ローレが出てる! 「M」より後なので、彼が出てきただけでサイコパス的犯罪者なのでは?と、つい疑ってしまいます。 その後しばらく登場しませんが…

リチャード・アッテンボロー 監督「遠すぎた橋」1051本目

1977年の作品。 オランダのアーネムの橋の近辺で繰り広げられた、第二次大戦中特に壊滅的だった戦闘を描いた映画、だそうです。ヨーロッパの国々って、あの面積の中にあれだけ多様な言語や文化が自己主張をしつづけてきて、大昔から国境線を何度も何度も変え…

アルフレッド・ヒッチコック監督「サボタージュ」1052本目

<ネタバレあり> 1936年、ヒッチコックのイギリス時代の作品。いかにもヒッチコックっぽい、人のよこしまな心の動きを追うカメラワークは随所に健在。というよりむしろ、ゾクゾクするような印象的な場面がたくさんあります。「だ〜れが殺したクックロビン♪ …

ノーラ・エフロン 監督「ジュリー&ジュリア」1050本目

あー、ほっこりした。 あー、おなか空いた〜。 という映画です。 お料理上手な妻って最高だろうな。お腹すかせて早く家に帰ろうって思うよね。 エイミー・アダムスが演じるジュリーが可愛いんですよ。ダンナが暖かくて、いいカップルだよね〜。 って私オバち…

黒木和雄 監督「紙屋悦子の青春」1049本目

古いような新しいような映画だ。 老人メイクがまるで初々しくて、小学生が老人のふりをしてるみたいで、この監督はどういう人なんだろうって思った。実は老監督の最後の作品だったんですね。会話で語らせるという作りになっていて、カメラワークはまったく固…

大森立嗣 監督「まほろ駅前狂騒曲」1048本目

見る順番を間違えました(泣) 多田さんと行天とヤクザとはるちゃん、関係性が唐突に設定されていたのはそういうことだったのね。 あんまりよく意味がわからないし、面白い!と思えなくて残念でした。しくしく。

ジョシュア・オッペンハイマー監督「アクト・オブ・キリング」1047本目

インドネシアで、それほど遠くない昔に行われた共産党員(と疑われた人たち)の大規模虐殺の、加害当事者の今を映画にしたもの。「ドキュメンタリー」っていうより、現実をもとにしたフィクション映画のメイキングって感じです。 当事者たちが派手なメイクや…

ジョン・カーニー 監督「はじまりのうた」1046本目

「バンドやろうぜ」ものには本当に弱いのだ。 音楽って人の心の中から生まれ出てくるものだから、人と人が出会って、音楽を持ち寄って、ひとつのハーモニーを作り出していくということは最高に素敵なコミュニケーションなんだ。 「ONCE ダブリンの街角で」も…

ティム・バートン監督「ビッグ・アイズ」1045本目

事実は小説よりも奇なり…。 どうしてもマーガレットのほうに肩入れしてしまって、夫の振る舞いにイライラしたり不快になったりしますが、とても面白かったです。騙されやすい女性画家マーガレットを演じるのはエイミー・アダムス。もっとアクの強い役をやる…

アルフォンソ・キュアロン監督「トゥモロー・ワールド」1044本目

この映画好きだな。 ”子孫を残す”という人類不変の課題を、「じゃあもし残せなくなったら?」という状況を巧みに設定をすることでリアルに深く考えさせます。「天国の口」も「ゼログラビティ」も、目を奪われる面白さだけど、人間ってものを深く深く突き詰め…

クリント・イーストウッド監督「J.エドガー」1043本目

一番印象に残ったのは、デカプリオとナオミ・ワッツの見事な老けメイク。 「百歳老人」のほうが意外と気にならなかったんだけどなぁ。ストーリーは、ちょっと偏執狂的なプロフェッショナルが天下のFBIを築き上げて自分の人生を振り返るというもの。いろんな…

佐藤東弥 監督「ST 赤と白の捜査ファイル」1041本目

バンコクに行った帰りのフライトで見た。 藤原竜也が、いつもより正直な役どころで、岡田将生くんがニヒルじゃなくて熱いのが魅力的。 期待してなかったけど、面白かったです。 テレビドラマはあんまり見ないんだけど、映画化されるほど人気があったのか〜。…

リチャード・グラッツァー 監督「アリスのままで」1042本目

ジュリアン・ムーア熱演。 完全に壊れる前に映画は終わるんだけど、若年性アルツハイマーを発症してしまったお母さんと、動揺しながら受け入れ、支えていく家族の愛情をやさしく描いた映画でした。

山中貞雄監督「河内山宗俊」1040本目

1936年、昭和11年の作品。 ヒロインはまだ16歳の原節子!しかも、いまだ見たことのない町娘姿です。 (昔の人の頭は大きく結ってあったらしい。最近の時代劇は、あまり盛らずにさらっとまとめたくらいの軽い結い方だけど、この頃の頭は大きいなぁ。リア…

ウォルター・ヒル監督「ワイルド・ビル」1039本目

1995年作品。 主人公は長い口ひげをたくわえた、長髪のウェービーヘアの保安官。 ジェフ・ブリッジズが、今より若くて細いとはいえ、このルックスは日本ではギャグにしか見えない…。 ヒーロー保安官だったはずなのに、阿片窟にこもったり、カタギの女を棄て…

テリー・ギリアム監督「バロン」1038本目

1989年作品。イギリス中世貴族のきらびやかで豪華絢爛なビジュアルが印象的ですが、最初から最後まで、休み少なく大騒ぎしまくりな感じで、途中で疲れてしまいました。この監督わりと大騒ぎ多いですよね、大好きなんですけど。 是枝裕和監督とか河瀬直美監督…

クリント・イーストウッド監督「ミリオンダラー・ベイビー」1037本目

ちきしょう、この往年の名俳優、いい映画を撮るじゃないか。 長い人生の中で、死ぬ瞬間はとても短い。生のあいだをどう生きるかが問題で、生が終わったら死ぬのだ。 科学の力で生と死の間が引き伸ばされてしまって、うまく死ねない人が増えてる。 貧しくて生…

スティーヴン・ザイリアン 監督「オール・ザ・キングスメン」1036本目

設定が理解できるまで時間がかかってしまった。 これは私の理解力が低いせいだと思う…。 でも理解できたら面白くなってきた。地方の知事選やその周りの人たちの不正、巻き込まれる人たちを描いた作品。 普遍的なテーマだけど、候補者同士だけじゃなく、関係…

エドワード・ズウィック 監督「ディファイアンス」1035本目

辛いなぁ。 国どうしですらなく、ただ民族のせいで虐殺されていた人たちが、勇気を振り絞って生き延びようとする姿に、思い切り感情移入して、彼らの仲間がやられるたびに「ああっ!」と声が出たり、涙ぐんでしまったりします。 それでもこの映画には光があ…

武正晴 監督「百円の恋」1034本目

面白かったしいい映画だった。全体の出来とか考えても、「0.5ミリ」よりいい映画かもしれない。 でも構成がキレイすぎて、どん底の人間でも這い上がれるぞというような夢をみさせようとしてるのか、というようなまとまりがありすぎる。などと思ってしまう…

安藤モモ子監督「0.5ミリ」1033本目

面白かったー。3時間半あっという間。 エピソードの1つ1つが、普通なら「ありえない!」と思いそうなんだけど、ここまでアケスケに人間の裸の部分を見せつけられると、当たり前に思えてきます。年をとると変わるんじゃなくて1枚1枚何かが剥がれて、隠し…

倉田準二 監督「十兵衛暗殺剣」1032本目

1964年作品。 印象的な点の多い、興味深い映画でした。 何が面白いって、せいぜい50年前の映画なのに、私が知ってる俳優が少ない。見たことのない美男たちが戦いまくる、なんだか遠い不思議な国の映画のような感じです。だいたい、”湖賊”って!?本当にい…

リチャード・フライシャー監督「マジェスティック」1030本目

1974年のアメリカ映画。 だよね、チャールズ・ブロンソン全盛期だもん。存在感がカッコイイですね。この映画、後半のカーチェイス〜撃ち合い(破壊する!っていうんじゃなく、頭脳で勝つ)が非常に面白くて、なるほど見ておくべきだなと実感できるんだけど、…

中島哲也監督「渇き。」1031本目

この映画は、公開当時すごく気になってたんだけど、映画館で見るには体調がよくないと厳しそうなので、結局行かずじまい。評判も必ずしも良くなかった。見てみたら、うん、確かに筋がよくわからなかった。誰がどういう役割か、時系列がどうなっているか、な…

ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督「トゥルー・グリット」1028本目

これは面白かった。 勇敢で可愛い少女が主役の映画って、いいですよね。血で血を洗うような内容でも、清潔感が出て後味がいい。 コーエン兄弟の映画は本当に、人物が生きてますね。長所短所というより、匂いのような”その人らしさ”がみっちりと詰まっていて…

ジョエル・コーエン監督「オー・ブラザー!」1029本目

これでコーエン監督特集も終わり。 2001年公開作品です。ダメ男を生き生きと演じるジョージ・クルーニー、ダメ男をダメダメな感じに演じるジョン・タトゥーロ+1。 相変わらず、いわくいいがたい風合いがたまりません。 期待して驚かされ、笑ってはハラハラ…

ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督「レディ・キラーズ」1026本目

思ったより楽しめました。 犯罪ものなので、こわ〜い映画かと思ったら、コメディ系でしたね。 トム・ハンクスがいい人顔して冷たいことを言うのがなかなかゾッとしましたが、おお間抜けな盗賊がうまくやったり大失敗したりして、結局のところ強く正しい心を…

ジョエル・コーエン監督「ディボース・ショウ」1025本目

これは、緊張しないで楽しめる作品。 キャサリン・ゼタ・ジョーンズの悪女っぷりが似合ってて痛快なわりに、ジョージ・クルーニーが実際よりおバカすぎていまひとつピンときませんが。 とはいえ、いちいち細かい点までウィットが効いていて、さすがコーエン…

是枝裕和 監督「奇跡」1024本目

「まえだまえだ」は、「テレビで基礎英語」(もう再放送も終わっちゃった)で見ていて、なんて賢くていい子達なんだろう〜と思ってました。 この映画は「誰も知らない」みたいなドキュメンタリー的なものを勝手に期待してしまって、思ったよりは、いかにもフ…

ジョエル・コーエン監督「バーバー」1023本目

コーエン兄弟の映画、しかもまだ見てないマイナー映画を中心にこう続けて見てると、だんだん神経症的に息苦しくなってきます。この映画はシリアスに(コミカルでもあるけど)人が追い詰められていくので途中で重くなって、半分見たところで「主役とコーエン…