日本映画(90年代以降)
「おみおくりの作法」をリメイクしたくなる気持ちもわかるし、日本なら誰だろう?と考えてみたら、阿部サダヲでもいいかもしれない。元ネタの「おみおくりの作法」はさらっと見て最後にグッときてしまったので、これもまず最後まで見てみます。 いつもはあん…
静かな映画だなぁ。同じ田中裕子が出てた「いつか読書する日」を思い出した。 この映画の印象は、静かだけどズン、ズン、と同じ調子で畳みかけてきて、第一印象よりは熱い作品だな。田中裕子の(「怪物」でも見せた)隠れた狂気みたいなものが夜の闇に漏れ出…
見る前は、尺が76分と短いので、こじんまりと終わっちゃうのかな?とか、シリアスすぎたら楽しめないかな?などと心配しましたが、なかなか濃くて面白い「シチュエーション・コメディ」でした。 ベトナムから来た技能実習生がトラブルに見舞われ、彼女を守り…
阿津川辰巳の作品集「透明人間は密室に潜む」の中にアイドル関連の事件を裁判員たちが審判するという短編があって、その流れでこの作品の名前が目につきました。2007年の作品。文化的には大きく変わってない気がするけど、まだスマホじゃなくてケータイの時…
公開すぐに劇場で見たけど、今度は家でVODで見ました。 佐藤正午は、今いちばん本当に面白い小説を書く作家だと思ってる(40年くらい前から)。日常から逸脱に逸脱を重ねて、どこまでも途方もなく遠くまで行ってしまうプロットを、推敲に推敲を重ねて仕上げ…
新宿JAMの存在くらいは知ってたしコレクターズのライブもどこかで見た記憶のある元ロック娘の私でも、この映画の存在は知らなかった。これからこの映画を見る人はどれくらいいるんだろう。みんな見ればいいのになぁ。 JAMの場所は東新宿のほうなのか。全く行…
これは、胸に来るな・・・。戦後の混乱のなかを必死で生き抜いてきた人たち。世の中のモラルは、いつも後付けなのだ。一番大切なのは、生きること。それと、愛すること。その二つをまっとうした美しい生命たちの可憐な姿をいくつも見せてもらいました。 元次…
枯れた味わいのある、山菜や筍の土くささが漂ってくるような作品。河瀨直美の一連の作品や、「リトルフォレスト」や、NHKの「やまと尼寺 精進日記」など、山のものを料理するいろんな映像を思い出す。(お通夜の日にネクタイ締めて料理している沢田研二は、…
アイデアは既視感がある。でも安藤サクラ、窪田正孝、妻夫木聡をはじめとする役者さんたちの演技がよくて、ぐいぐいと見せてくれました。出自を偽りたい事情のある人はたぶんたくさんいて、それぞれに深くて暗い物語があるから、まだまだ映画はこのテーマを…
日本ではこんなに本格的な法廷ものの映画って少ないんじゃないかな?構成も背景調査もしっかりした作品で、映画としての出来はすごく良かったと思います。 一方、取り上げられた事件そのものについてはどうなのか?・・・一昨日この映画を見に行ってから、あ…
村田喜代子「偏愛ムラタ美術館【発掘篇】」という本を読んだら、黒澤明の絵コンテ集のことが書かれていました。映画より絵コンテのほうを強烈で面白いと感じる著者に共感するところがあったので、本で絵コンテが引用された映画をさらっと何本か見直してみよ…
マグニチュード7の地震のあと、まだ復興していないネパールの震源地近くの村の状況を撮った、報道写真みたいなドキュメンタリー映画でした。 最近、ネパールのことが身近でよく話題になる。ときどき大久保のネパール料理店で600円の「ダルバート」(豆のス…
「PLAN75」と同様、これも誰かが作らなければいけなかった映画なんだろうな。最初に聞いたときは、おおげさだったり感傷的だったりしないといいなとちょっと心配になったけど、いい映画でした。実際に起こったシャロン・テート事件に対してタランティーノが…
このテーマの作品はいつか誰かが作ることが決まっていたような気がするし、それが超高齢化社会を突き進んでいながら少子化対策も高齢者の政策も全然整っていない日本で作られたのは、必然なんじゃないかと思います。 映画好きな大勢の人たちに愛されてきた倍…
「精神」は2008年。この作品の12年前です。この作品のなかでフラッシュバックみたいに白黒映像ではさみこまれる、当時?の医師とその妻の様子が、今よりだいぶ若い。今が後期高齢者で、当時はまだ中年という印象です。 「精神」では、ひたすら患者のほうに見…
冒頭に「ワクチンに疑問を呈するための映画ではない」という断り書きが出て、どうなんだろうと疑いながら見てみたら、実際ワクチンはたまたま取り上げたトピックでしかなくて、くわしく語られることもなかった。・・・コロナに関してワクチンの有効性はたぶ…
このタイトル、最初に使ったもの勝ち。この引きの強さ。 でもこの映画のなかのどれが「最初」の晩餐だっけ?と思ってしまった。(わかるようになってたのに見逃したのかも) 永瀬正敏側は染谷将太と戸田恵梨香の姉弟、斉藤由貴側は窪塚洋介という子持ちどう…
重そうなので元気なときに見てみた。思ったほど重くなかったかな。 この監督の作品は「悪人」が最高に好きで、あの中の深津絵里と妻夫木聡の、ふだんから遠く離れた”きたない”姿が素晴らしく美しかったのを思い出すと、この映画は、私の眼には、ちょっとキレ…
林海象監督の映画って、VODやDVDレンタルで見られないものが多い。「濱マイク」が昔大好きで、テレビシリーズはDVDでレンタルして何度も見たけど、映画化作品は見逃したものもけっこうある・・・。 監督が事故で大けがをしてずっと療養してたことも知らなか…
<ネタバレあります> この映画の感想もまっさらな気持ちでは書けないな、私は佐藤正午が通うという佐世保競輪を見るためだけに長崎行ってくるくらいのガチなファンだから。といっても長年、すぐに人妻と寝る金欠の小説家が出てくる作品(イメージ)を書き続…
2007年の作品なので今からもう15年も前だ。どんなお家騒動があったのかなかったのか知らないけど、このとき売れない二つ目だった国分太一は、ジャニーズアイランドの社長になってしまった。彼、なかなかうまいなぁ。平凡な明るい落語家の卵に、見える。口下…
これすごく見たかったやつ。田中泯のたくましく、なまめかしい佇まいがドラマの中に現れると、何をしてても投げ出して見入ってしまう。これまた大好きな元ブランキー・ジェット・シティの中村達也のドラムに載せて踊るなんて、すごい。刺激的。二人とも時代…
なんでレンタルしたか思い出せない。堀北真希に関心を持ったことがあったっけ。 この作品は59分という小品で、この監督はかなりの数の作品を監督しているのに、不思議と私は今までに1本も見てない。 原作は、昭和から平成にかけて話題になった鷺沢萠のもの。…
<ネタバレあります> この映画も痛い・・・痛くて痛くて。第三者的に言うわけじゃなくて、31歳のときの、シャイだとか言っても、もう可愛いと思ってもらえなくなった年齢の自分を思い出して、いたたまれない気持ちで爆発しそうになります。 こっぱずかしい…
沖田監督の作品は好きでよく見てます。公開初日に劇場で見たのは「映画の日」だから、もあるけど、去年1日だけこの映画のエキストラ撮影に参加したので、自分が映ってるのかどうか早く見てみたかったのが一番の理由です。 撮影時には監督名以外すべて伏せら…
もののけ姫みたいな世界を予想してたので、いきなり仮想空間でびっくり。”姫”の”そばかす”は、AIで生成されたモデルだったってことなのね。ベルの歌声は、合唱団の超絶うまいソリストみたいに、お行儀がよくて整ってる感じがする。現実世界ではめちゃくちゃ…
<ネタバレあります!> エンドクレジットの中に「企画 川村元気」とあって納得した。この映画、キャラクター設定はいいと思うんですよ。必要以上に残虐なのも、最近の少年マンガはみんなそうだから(鬼滅の刃でさえ)驚きはない。でも、刑事が何の前触れも…
ここ2週間で、国内の飛行機往復を2回やったので、とぎれとぎれに見てみました。(今って国内線のプレミアムじゃない普通席でも映画がこんなに見られるのね。たまたま持ってた自前のイヤホンで聞いたら音も鮮明!) 「ダー子」「ボクちゃん」「リチャード」…
テレビで放送したのを録画したら、映画の前に監督のインタビューも入ってました。彼自身が勉強したくて、それにアイヌが演じるアイヌの映画を作ってみたくて、この映画を作ったとのこと。子熊を大事に育てた後でいけにえとして神に捧げる、昔からの「イオマ…
<ネタバレご注意!> いくつ続くんだ「シン・」シリーズ。でも盛り上がってるみたいなので、何度でも乗ります!・・・というわけで見てきました。 いろいろ笑えたなぁ。Twitterに流れてくるいろんな情報をすでに見てたけど、「巨大な桜井浩子」はそういう意…