日本映画(90年代以降)
日本ではこんなに本格的な法廷ものの映画って少ないんじゃないかな?構成も背景調査もしっかりした作品で、映画としての出来はすごく良かったと思います。 一方、取り上げられた事件そのものについてはどうなのか?・・・一昨日この映画を見に行ってから、あ…
村田喜代子「偏愛ムラタ美術館【発掘篇】」という本を読んだら、黒澤明の絵コンテ集のことが書かれていました。映画より絵コンテのほうを強烈で面白いと感じる著者に共感するところがあったので、本で絵コンテが引用された映画をさらっと何本か見直してみよ…
マグニチュード7の地震のあと、まだ復興していないネパールの震源地近くの村の状況を撮った、報道写真みたいなドキュメンタリー映画でした。 最近、ネパールのことが身近でよく話題になる。ときどき大久保のネパール料理店で600円の「ダルバート」(豆のス…
「PLAN75」と同様、これも誰かが作らなければいけなかった映画なんだろうな。最初に聞いたときは、おおげさだったり感傷的だったりしないといいなとちょっと心配になったけど、いい映画でした。実際に起こったシャロン・テート事件に対してタランティーノが…
このテーマの作品はいつか誰かが作ることが決まっていたような気がするし、それが超高齢化社会を突き進んでいながら少子化対策も高齢者の政策も全然整っていない日本で作られたのは、必然なんじゃないかと思います。 映画好きな大勢の人たちに愛されてきた倍…
「精神」は2008年。この作品の12年前です。この作品のなかでフラッシュバックみたいに白黒映像ではさみこまれる、当時?の医師とその妻の様子が、今よりだいぶ若い。今が後期高齢者で、当時はまだ中年という印象です。 「精神」では、ひたすら患者のほうに見…
冒頭に「ワクチンに疑問を呈するための映画ではない」という断り書きが出て、どうなんだろうと疑いながら見てみたら、実際ワクチンはたまたま取り上げたトピックでしかなくて、くわしく語られることもなかった。・・・コロナに関してワクチンの有効性はたぶ…
このタイトル、最初に使ったもの勝ち。この引きの強さ。 でもこの映画のなかのどれが「最初」の晩餐だっけ?と思ってしまった。(わかるようになってたのに見逃したのかも) 永瀬正敏側は染谷将太と戸田恵梨香の姉弟、斉藤由貴側は窪塚洋介という子持ちどう…
重そうなので元気なときに見てみた。思ったほど重くなかったかな。 この監督の作品は「悪人」が最高に好きで、あの中の深津絵里と妻夫木聡の、ふだんから遠く離れた”きたない”姿が素晴らしく美しかったのを思い出すと、この映画は、私の眼には、ちょっとキレ…
林海象監督の映画って、VODやDVDレンタルで見られないものが多い。「濱マイク」が昔大好きで、テレビシリーズはDVDでレンタルして何度も見たけど、映画化作品は見逃したものもけっこうある・・・。 監督が事故で大けがをしてずっと療養してたことも知らなか…
<ネタバレあります> この映画の感想もまっさらな気持ちでは書けないな、私は佐藤正午が通うという佐世保競輪を見るためだけに長崎行ってくるくらいのガチなファンだから。といっても長年、すぐに人妻と寝る金欠の小説家が出てくる作品(イメージ)を書き続…
2007年の作品なので今からもう15年も前だ。どんなお家騒動があったのかなかったのか知らないけど、このとき売れない二つ目だった国分太一は、ジャニーズアイランドの社長になってしまった。彼、なかなかうまいなぁ。平凡な明るい落語家の卵に、見える。口下…
これすごく見たかったやつ。田中泯のたくましく、なまめかしい佇まいがドラマの中に現れると、何をしてても投げ出して見入ってしまう。これまた大好きな元ブランキー・ジェット・シティの中村達也のドラムに載せて踊るなんて、すごい。刺激的。二人とも時代…
なんでレンタルしたか思い出せない。堀北真希に関心を持ったことがあったっけ。 この作品は59分という小品で、この監督はかなりの数の作品を監督しているのに、不思議と私は今までに1本も見てない。 原作は、昭和から平成にかけて話題になった鷺沢萠のもの。…
<ネタバレあります> この映画も痛い・・・痛くて痛くて。第三者的に言うわけじゃなくて、31歳のときの、シャイだとか言っても、もう可愛いと思ってもらえなくなった年齢の自分を思い出して、いたたまれない気持ちで爆発しそうになります。 こっぱずかしい…
沖田監督の作品は好きでよく見てます。公開初日に劇場で見たのは「映画の日」だから、もあるけど、去年1日だけこの映画のエキストラ撮影に参加したので、自分が映ってるのかどうか早く見てみたかったのが一番の理由です。 撮影時には監督名以外すべて伏せら…
もののけ姫みたいな世界を予想してたので、いきなり仮想空間でびっくり。”姫”の”そばかす”は、AIで生成されたモデルだったってことなのね。ベルの歌声は、合唱団の超絶うまいソリストみたいに、お行儀がよくて整ってる感じがする。現実世界ではめちゃくちゃ…
<ネタバレあります!> エンドクレジットの中に「企画 川村元気」とあって納得した。この映画、キャラクター設定はいいと思うんですよ。必要以上に残虐なのも、最近の少年マンガはみんなそうだから(鬼滅の刃でさえ)驚きはない。でも、刑事が何の前触れも…
ここ2週間で、国内の飛行機往復を2回やったので、とぎれとぎれに見てみました。(今って国内線のプレミアムじゃない普通席でも映画がこんなに見られるのね。たまたま持ってた自前のイヤホンで聞いたら音も鮮明!) 「ダー子」「ボクちゃん」「リチャード」…
テレビで放送したのを録画したら、映画の前に監督のインタビューも入ってました。彼自身が勉強したくて、それにアイヌが演じるアイヌの映画を作ってみたくて、この映画を作ったとのこと。子熊を大事に育てた後でいけにえとして神に捧げる、昔からの「イオマ…
<ネタバレご注意!> いくつ続くんだ「シン・」シリーズ。でも盛り上がってるみたいなので、何度でも乗ります!・・・というわけで見てきました。 いろいろ笑えたなぁ。Twitterに流れてくるいろんな情報をすでに見てたけど、「巨大な桜井浩子」はそういう意…
<ストーリーに触れています> 原作がとても好きなんだけど、こんなお話だったっけ? 冒頭、暗いスタジオの上階からフロアで踊るリナ(芳根京子)を見下ろすエマ(寺島しのぶ)。トランスっぽい音楽の感じもあって、ギャスパー・ノエの「CLIMAX」の冒頭部分…
これもずっと見たかった。「これから見る」リスト数百本の中から、最近話した人がめちゃくちゃほめてたので、これを先に見てみることにしました。 まず造形が本当に素晴らしいですね。キャラクターも、動きも、大道具・小道具も、画面構成も、音のつけ方も、…
タイトルなんとかならないのかなぁ?全く内容の想像がつかない、印象も弱いこんなタイトルにしたのは、細野さんのことだからわざとかな? すぐわかるナレーションは星野源。ぴったりだ。星野源が細野さんに対して持っているリスペクトはあちこちで見聞きして…
この感想もまた、自分語りに終始してしまいそう。すごく親密だったけど完全に距離を置いてからもう20年も経ってしまった世界に、一瞬で振り戻されたようで、めまいがする。 この映画ではフィッシュマンズ結成の頃からたどっていて、初期の元気なスカバンドの…
劇場公開は2022年5月6日だけど、NHKBS1で放送したものを録画して3月27日に見た。(Netflixみたいな感じ)メイキング映像まで見たよ。 クルド人問題だけでなく、近代史や政治には相当うとい私ですが、「風の電話」に出てくるクルド人の町は見たし、クルド料理…
この監督の作品は、なぜかあまり相性が良くないんだけど、安田顕の主役が見てみたくて。 ロケ先の飲み屋のおかみとちょっといい雰囲気になったり、来日して働いてる女の子との芝居が現実とごっちゃになったり。「いとみち」もこの映画も、主役がとても魅力的…
沖田修一監督らしい作品だった。やっぱ好きだな。タイトルは…そうか「大人は判ってくれない」の逆か。まさかのトリュフォーオマージュ!(原作の漫画が) もかちゃんは明るくてちょっと三枚目っぽくて、もねちゃんの可哀想な演技させたらリリアン・ギッシュ…
最近、仕事でジャニーズ関連の調べものをすることが多くて、今のジャニーズ(※嵐より後、くらいのざっくりした感じ)どうなってるんだろうと思って見てみることにしました。私が知ってるのは「レンタルなんもしない人」に出てたNEWSの増田貴久、「カムカムエ…
お見合いの高級レストランに、普段着に本物のバーキンで行くのが”貴族”… 空気を読まない私にとって、”カースト”を描きがちな山内マリコはかなり苦手分野で「ここは退屈」とかもキツかったんだけど、今は「女同士で争ってもしょうがないじゃない。でしょう?…