映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

日本映画(90年代以降)

佐藤太監督「hide 50th anniversary FILM JUNK STORY」3780本目

hideが亡くなった1998年に私は何をしてたか?IT会社の派遣から社員になったところで、「Pink Spider」が、当時契約してたケーブルTVのSpace Shower TVでヘビロテしてて、鮮烈な印象があったのを記憶してる。まさにこれから世界に打って出るぜ!というときの…

原恵一 監督「かがみの孤城」3775本目

すっかり原作を読んだ気になってたけど、実はどこかであらすじを見ただけだった。それだけで足りる部分もある。足りなかった部分は、この子たちの痛みをどのように丁寧に描いているか、という点で、見てよかったと思います。 過去にじゅうりんされた記憶は消…

園子温監督「0cm4」3771本目

園監督の映画を片っ端から見てた時期があって、これを渋谷TSUTAYAのレアものDVDコーナーで何回も探したけど、常に貸し出し中だったっけ。10年ちょっと前か、映画を集中して見始めた時期。渋谷でもはDVDの扱いをとうとう止めるんですってね。その前に新宿TSUT…

渡辺一貴 監督「岸辺露伴ルーヴルへ行く」3769本目

「世界で最も黒い黒」って、実際に追求している人たちがいるのだ。むかし三鷹光器という会社を取材したとき、スペースシャトルに搭載する望遠鏡の内側に、彼らが開発した、炭を使った塗料を塗ると、完全な漆黒に近い闇を作ることができて、宇宙の光をもれな…

山口淳太監督「ドロステのはてで僕ら」3765本目

「リバー、流れないでよ」が面白かったので、前作も見てみました。 最初すごく戸惑った!なんで、いつこの主人公は2分間の仕組みを知ったのか?・・・謎は謎のまま、とにかく映画は進んでいきます。この映画でも、藤谷理子のふつうすぎる自然な演技で、「あ…

山口淳太監督「リバー、流れないでよ」3764本目

何これ面白い!タイトルから内容がまったく想像できなかったけど、それよりさらに意外な内容でした。連休ひまだし、なんとなくU-NEXTで作品を見繕ってみて、コメディということで気楽に見始めたけど、すんごく普通の温泉旅館の日常もののように始まり、ひた…

片岡翔監督「この子は邪悪」3759本目

<ネタバレあります> TSUTAYAの企画コンペ入賞、と聞いて、誰が企画してどのように映画化されたのか?と思ってTSUTAYAのサイトを見てみたら、片岡監督自身の企画で、彼自身が脚本と監督をやったんですね。監督としては初めての作品だけど、商業映画の脚本を…

武内英樹 監督「翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて」3758本目

国内便のフライトでも、羽田那覇便くらい距離があると映画1本見てしまえる。・・・はずだったけど、疲れた帰路だし空港でオリオンビールを飲んだとなれば、途中で寝てしまうのは当然・・・最初は「今回も超おもしろ!」と盛り上がってたのに気を失っていた…

関根光才 監督「燃えるドレスを紡いで」3757本目

いま旅行で那覇にいるのですが、今回は「暮らす旅」という趣旨でウィークリーマンションに滞在していることもあって、国際通りの裏道をぶらぶら歩いていたら「桜坂劇場」という、いかにもいい映画やってそうな映画館に行きあたったので、ちょうどいい時間か…

新海誠 監督「すずめの戸締まり」3753本目

これ見てなかった。テレビで映画を見るのは久しぶりだけど、たまたまノーカットで放送してたので見てみます。 ハッピーな学園ものみたいな登場人物たちで始まるけど、新海誠だ(天気の子以来だから、なんと5年ぶり!)。そこまで楽天的ではないだろう。と思…

原田眞人 監督「魍魎の匣」3748本目

U-NEXTに追加されていたので見てみました。勇気を出して、がんばって原作を読んだのは7年前。おどろおどろしく、独特の世界観が徹底していて、かなりはまって読んだ記憶があります。 この映画はロケ地が美しい。上海なんですって?みごとなロケ地です。昭和…

佐々木美佳 監督「タゴール・ソングス」3744本目

公開当時この映画が気になってたのでした。この作品は題材も舞台もわりと地味で新人監督の作品なので、見逃してもおかしくないけど、見つけられてよかったです。 何年か前にタゴールの詩集「ギタンジャリ」を読んだのは、瞑想に凝ってた頃にどこかで見たのか…

松山博昭 監督「ミステリと言う勿れ」3739本目

テレビ版を見てました。いろいろムリムリな設定やトリックばっかりなんだけど、私は「土曜ワイド劇場」を見て育った女。テレビのサスペンスドラマの空気感が好きなんですよね。今いちばん勢いのある素敵な役者さんたちが勢ぞろいしているという魅力もありま…

松浦弥太郎監督「場所はいつも旅先だった」3737本目

暮しの手帖もと編集長の松浦弥太郎が監督したドキュメンタリー。 ツアーでなく個人で旅行するときは、海外にかぎらず国内でも、いろんな場所にのこのこ出かけていったり、行きつけの店ができたりするのも楽しい。 私はどんな旅も好きで、いわゆる名所は膨大…

ヴィム・ヴェンダース監督「PERFECT DAYS」3720本目

(ネタバレあるかもです) 私の家の近くにもこのプロジェクトの公共トイレがあります。きれいでいいんだけど、用を足す勇気が全然出ない・・・。トイレという名のアートとして楽しんでいます、では、だめかな。 役所広司とヴィム・ヴェンダース監督だし、す…

前田哲 監督「老後の資金がありません!」3719本目

会社の倒産、オレオレ詐欺、子どもの結婚・・・想像するお金のトラブルが全部、立て続けに起こります。想像どおりの展開だけど、天海祐希のタフさと図々しさ(役柄上の)が心地よく、それより何より草笛光子のかくしゃくとした美しさやリンとした歌声に惚れ…

渡辺謙作 監督「はい、泳げません」3700本目

今年の4月から水泳教室に通い始めて、7カ月たったところ。いちおう背泳ぎとクロールはできたはずなのに、息継ぎのしかたを忘れてまるで泳げなくなってた。「はい、泳げ・・・ません(涙)」それでも先生方の教え方がうまくて、この7カ月でずいぶん泳げるよう…

阪本順治監督「冬薔薇」3698本目

ほかの方々もわりと低めの評価の方がけっこういらっしゃいましたが、私もあまり高く評価できないな~と思いました。 阪本監督の作品は、大好きなもの(「顔」とか)と、そうでもないものの差が私はけっこうあります。この作品は、小林薫と余貴美子の夫婦の演…

三宅唱 監督「ケイコ 目を澄ませて」3696本目

岸井ゆきのがいいよね。失恋しても、人生につまづいてもがんばる若い女性。過去に見た他の映画からの刷り込みが効きすぎてる?いや、彼女のキャラクターはいつも同じというわけではない。不屈の根性だけが共通で、性格はそれぞれ違うし行く道も違う。たぶん…

すずきじゅんいち監督「442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍」3690本目

タイトルを見ただけで緊張します。まず、誰がお金を出して誰が監督した映画なのか? 監督は日本人の名前。製作国は日本・アメリカとなってる。監督は長年アメリカで日本に関連した映画の仕事をしてた人なんだな。442部隊に加わった日系人たちの痛みを身近に…

水田伸生 監督「アイ・アム・まきもと」3671本目

「おみおくりの作法」をリメイクしたくなる気持ちもわかるし、日本なら誰だろう?と考えてみたら、阿部サダヲでもいいかもしれない。元ネタの「おみおくりの作法」はさらっと見て最後にグッときてしまったので、これもまず最後まで見てみます。 いつもはあん…

久保田直監督「千夜、一夜」3665本目

静かな映画だなぁ。同じ田中裕子が出てた「いつか読書する日」を思い出した。 この映画の印象は、静かだけどズン、ズン、と同じ調子で畳みかけてきて、第一印象よりは熱い作品だな。田中裕子の(「怪物」でも見せた)隠れた狂気みたいなものが夜の闇に漏れ出…

なるせゆうせい監督「縁の下のイミグレ」3660本目

見る前は、尺が76分と短いので、こじんまりと終わっちゃうのかな?とか、シリアスすぎたら楽しめないかな?などと心配しましたが、なかなか濃くて面白い「シチュエーション・コメディ」でした。 ベトナムから来た技能実習生がトラブルに見舞われ、彼女を守り…

佐藤祐市 監督「キサラギ」3652本目

阿津川辰巳の作品集「透明人間は密室に潜む」の中にアイドル関連の事件を裁判員たちが審判するという短編があって、その流れでこの作品の名前が目につきました。2007年の作品。文化的には大きく変わってない気がするけど、まだスマホじゃなくてケータイの時…

タカハタ秀太 監督「鳩の撃退法」3647本目

公開すぐに劇場で見たけど、今度は家でVODで見ました。 佐藤正午は、今いちばん本当に面白い小説を書く作家だと思ってる(40年くらい前から)。日常から逸脱に逸脱を重ねて、どこまでも途方もなく遠くまで行ってしまうプロットを、推敲に推敲を重ねて仕上げ…

川口潤 監督「THE COLLECTORS さらば青春の新宿JAM」3642本目

新宿JAMの存在くらいは知ってたしコレクターズのライブもどこかで見た記憶のある元ロック娘の私でも、この映画の存在は知らなかった。これからこの映画を見る人はどれくらいいるんだろう。みんな見ればいいのになぁ。 JAMの場所は東新宿のほうなのか。全く行…

中村高寛監督「ヨコハマメリー」3639本目

これは、胸に来るな・・・。戦後の混乱のなかを必死で生き抜いてきた人たち。世の中のモラルは、いつも後付けなのだ。一番大切なのは、生きること。それと、愛すること。その二つをまっとうした美しい生命たちの可憐な姿をいくつも見せてもらいました。 元次…

中江裕司 監督「土を喰らう十二ヵ月」3638本目

枯れた味わいのある、山菜や筍の土くささが漂ってくるような作品。河瀨直美の一連の作品や、「リトルフォレスト」や、NHKの「やまと尼寺 精進日記」など、山のものを料理するいろんな映像を思い出す。(お通夜の日にネクタイ締めて料理している沢田研二は、…

石川慶 監督「ある男」3636本目

アイデアは既視感がある。でも安藤サクラ、窪田正孝、妻夫木聡をはじめとする役者さんたちの演技がよくて、ぐいぐいと見せてくれました。出自を偽りたい事情のある人はたぶんたくさんいて、それぞれに深くて暗い物語があるから、まだまだ映画はこのテーマを…

松本優作 監督「Winny」3616本目

日本ではこんなに本格的な法廷ものの映画って少ないんじゃないかな?構成も背景調査もしっかりした作品で、映画としての出来はすごく良かったと思います。 一方、取り上げられた事件そのものについてはどうなのか?・・・一昨日この映画を見に行ってから、あ…