2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧
こういう、日常のなかの大爆発!ってコントみたいだな。瞬発力が必要なこういう映像を長編映画1本分作るのってすごいエネルギーだな。制作年は1984年とのこと、そういえばこの頃はなんだか世の中全体が前向きでエネルギッシュだった気がする。 小林克也が若…
製作国がフランス・アメリカになってる。名高い英国の美術館なのに。 ロンドンに半年だけ駐在していたのは、なんと、今年でちょうど30年前だ。友達もいないしやることもなく、週末は美術館ばかり行ってた記憶があるけど、テート・ギャラリー(今のテート・ブ…
「ラルジャン」の底のない悪の連鎖が印象に残るブレッソン監督。この作品はぱっと見、暗く難しげに見えたけど、徹底して淡々と脱獄に至る日々を描いていて、本当に日記のようでした。日々のリズムが単調なのもリアル。実話と思えないくらい管理がザルな監獄…
ミレーの名画が「落ち葉拾い」じゃなくて「落穂拾い」だと気づいたのは割と最近。それでも、単に刈り取った人たちが残りを拾い集めて出荷するくらいに思ってました。この作品はミレーの有名な名画について探る作品ではなく、畑のじゃがいも、パン屋の朝のご…
ドキュメンタリーなので比較的新しい作品ではあるけど、1975年なのでもう50年も前です。中年の夫婦が「1925年に生まれた」と話してたりすると「ん?」と思うけど、今ご存命なら97歳だ。取り上げられたお年寄りたちはもとより、中年の人たちもほとんど生きて…
タイトルは、この映画に出てくる夫婦の夫のほうの生まれ育った町の名前らしい。映画ビジュアルの、男女の顔が重なってる写真、完全に「写真美術館」に展示されてる往年のフォトグラファーの作品に見える。彼女のビジュアルセンスは卓越してるよなぁ。デザイ…
もうこうなったらジャック・ドゥミ&アニエス・ヴァルダ夫妻の作品を片っ端から見るのだ。 この作品はカトリーヌ・ドヌーヴとマルチェロ・マストロヤンニという豪華キャストで、なんとマストロヤンニが「妊娠する」というコメディ。彼フランス語しゃべるのか…
さんざん毎日KINENOTEでお世話になっているキネマ旬報の「キネ旬シアター柏」に、初めて行ってきました。友人に、どうしてもこの映画が見たいから付き合って~と言われて。コロナで席が1つおきになってるため、すぐに満席。客層は(マスクでよくわからない…
冒頭の60秒間の、まぁなんてスタイリッシュなこと。何度も見ちゃった。くわえタバコでやさぐれたジャンヌ・モローからすごい速さで遠ざかっていくカメラ、ミシェル・ルグランのドラマチックなピアノ。(最初クイーンの「セブン・シーズ・オブ・ライ」イント…
<ネタバレあります> リドリー・スコット監督が話題なので、見てみました。(ハウスオブグッチも早く見たい) テーマがいいですね。「羅生門」か、はたまた「サロメ」か?…大人でも自分を守るために嘘や見栄で取り繕う。善も悪も演じきれる二人、マット・デ…
ウェス・アンダーソン監督の新作を見る心構えとして、KINENOTE登録作品のうちこれだけまだ見てなかったので見てみます。こういうの、見つけてすぐ家で見られるようになってVODはありがたい。 「犬が島」の前にこれを見ておけば衝撃?は少なかったかな。いや…
アンダーソン監督の新作が見たいなと思って、過去作品リストを見てたら、未見の2作ともU-NEXTに入ってたので見てみます。 オーエン・ウィルソンは「ミッドナイト・イン・パリ」の人か。弟ルークはその悪い相棒。似てるよ顔が!ひょうひょうとしたオーエン、”…
これは彼女が夫のために「ジャック・ドゥミの少年期」を作って送り出したように、今度は自分を語る作品を作ったものですね。「5時から7時までのクレオ」など、見ておいてよかった。やっとこの作品を見る用意ができました。 「少年期」があまりにも愛にあふれ…
タイトルにドン引きしてたんだけど、友達に激しく勧められて、やっと見た。思ってたのと全然違う、めちゃくちゃ”こじらせた”、めんどくさい(私みたいな)男女の恋のおはなしだった。ここまで似たものどうしでも、うまくいかなくなるのだ。この映画では、ま…
これまで、私が見た園監督の最も新しい作品はAmazonオリジナルの2017年「東京ヴァンパイアホテル」だった。あれはひどい(いい意味で、きわめて園子温的)、やりたい放題の作品だったので、園監督を「エッシャー通り」を作らずにいられなくしたのは、直近の…
重度というのは、一人で生活するための介護が必要な度合いのことを示すのかな。首から下が動かない人とか。勉強したことがないのでそこをいい加減に推測するのはやめておきます。NHKの「バリバラ」で見たことのある人が何人か登場してる。重度の障害をもつ人…
「桜桃の味」の2年後に作られた作品。 つづら折りの道をたどって登っていく車…墓穴を掘る人…といった既視感。でもこの作品は主役の監督が役者っぽいのと、砂の風景だけでなく青いベランダ、白い壁といったギリシャ?トルコ?にも似たカラフルさが印象に残る…
これはフィクションじゃなくてドキュメンタリー。多すぎる宿題、見てやれる人が家にいないのに「聞き取り」ばかりの内容、といったイランの教育システムに問題意識のある監督が実態を記録するために子どもたちや親たちにインタビューしています。 キアロスタ…
シンプルだけどよく作られた映画だなぁ。子どもたちの憧れやズルさといった心の動きに自然に共感できる一方、「悪いことはやっぱりそれなりの結果しか生まない」という諦念が、逆の見方をすれば子どもの道徳教材にも使えそうだったりして。 たくさん嘘をつい…
岩井俊二監督の作品はけっこう見たつもりだったけど、これは今さらの初見。テレビ用に作られたから、アニメが公開される前はソフト化されてなかった?とか? 冒頭の先生役の麻木久仁子が若い。主人公の奥菜恵は、かなり小さいころから出てた記憶があるからこ…
この作品を最初に見てたら、監督のイメージがもうちょっと“人情派”っぽくなってたかも。この映画に温かみがあるっていうわけじゃないけど、人の間抜けさ、強欲やずるさを大きく受け止めて笑いにしてるような印象があります。実際に最初に見た「ゆれる」は怖…
切り裂きジャックとマルコム・マクダウェル。マルコムが殺人鬼ではなかった。彼は自作のタイムマシンを悪用して追っ手を逃れた切り裂きジャックを追いかけて現代のロサンゼルスへタイムトリップします。ロスのロンドン銀行の窓口にいたのがメアリー・スタイ…
<各短編の結末にふれています> このタイトルは、確信犯だと思うんだ。ジェーン・オースティン「自負と偏見」みたいに日本語だと全くピンとこないけど、欧米の映画の原題みたいな感じがあるから多分、欧米言語話者には響くタイトルなんだろう。実際初公開の…
<ネタバレあります> 「ゆれる」の、「夢売るふたり」の、西川美和監督の作品。明るい未来やすばらしい世界など一切期待せずに見ます。 原作の佐木隆三は「復讐するは我にあり」の原作者か。あれも北部九州が舞台の犯罪小説だ。 これは…「由宇子の天秤」の…
これも映画館に行きそびれてしまったやつ。寒波に襲われた日本列島で、こんなビーチの日陰で冷たい飲み物を飲んでる場面なんか見せられたら… 私はドミニカに行ったこともないし移民の知り合いもいないけど、日本でもアメリカでも移民の苦境について見たり聞…
17年ほど前にブータンに旅行したときのガイドの名前がウゲンさんだった。そのときに仲良くなった男の子たちの名前はカルマくんとドルジくんだったけど、一度連絡を絶ってしまうと、同じ名前の人が多すぎて、多分もう彼らとSNS上でつながることはできないんだ…
年を越えて「ひとりジャック・ドゥミ/アニエス・ヴァルダ特集」は続く。 この作品は「ジャック・ドゥミの少年期」で彼が作っていたロマンチックなアニメーションの実写化という感じ。内容はディズニーワールドです。ジャック・ドゥミって映画監督にならなか…