映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ロネ・シェルフィグ 監督「幸せになるためのイタリア語講座」1400本目

2000年のデンマーク映画。 デンマーク!! 英語かイタリア語の映画かと思ってた。NHKの語学番組みたいで愉快なタイトルだけで選んだDVDなので、まさかの雰囲気で笑いました。だって出てくる女性の顔だちが北欧すぎて。 しかし、イタリア語を勉強するデンマー…

オットー・プレミンジャー 監督「ローラ殺人事件」1399本目

1944年の作品。 これは面白い、素晴らしい映画でした。 ローラを演じるジーン・ティアニー、初めて見たけどなんて美しくて可愛いんでしょう。 彼女を取り巻く男たちも素敵。ドラキュラ役がはまりそうなクリフトン・ウェッブのダンディぶり、女ったらしのヴィ…

「ライヴ!CBGB 30thアニバーサリー ~CBGB 最強のパンク野郎ども~ 」1398本目

2003年、ニューヨークの老舗ライブハウスが30周年を記念して行ったライブのDVDだそうです。 その後わりとすぐに閉店したと思うけど。CBGBといえば、たとえばルー・リード、ラモーンズ、といった大御所(故人だらけ)のイメージが強くて、私も初めてNYに旅行…

セルゲイ・パラジャーノフ監督「火の馬」1397本目

パラジャーノフの映画の舞台は、映画ごとに地域や民族が違っているみたいで、この映画ではウクライナのカルパチア山地です。同日に見た「ざくろの色」は、神か!?と思うほど美しい顔の男女が出てきて驚いたけど、この映画の人たちは大変美しいけど土着感が…

セルゲイ・パラジャーノフ監督「ざくろの色」1396本目

1971年の作品。 10年くらい前かな、一度映画館で見たことがあります。そのときの印象が鮮烈で、その後も小さい映画館で上映するたびに、少しずつこの監督の映画を見てきました。いつかもう一度見たいと思っていたこの映画も、おとといやっと2回目を見ました。…

諏訪敦彦 「2/デュオ」1395本目

1997年の作品。西島秀俊が若い! なんだか、彼氏と別れそうになっている友達の家に行ったみたいな、親密でよそいき感のない映画。 彼女役は柳愛里という女優さんで、今は活動してないのかな。すごい美人ってほど目を引くわけではないけど、綺麗でちょっとも…

東陽一監督「だれかの木琴」1394本目

試写会に当たって見てきました。 夫に愛されて恵まれている専業主婦の常盤貴子が、ふと入った美容室の若い美容師をへんなふうに追っかけてしまって、ストーカーめいた行動にはしってしまう、というお話。 優しいストーカー(といえるかどうかわからないけど…

ジョナサン・デミ監督「ストップ・メイキング・センス」1393本目

1984年、今から32年も前の、もはやクラシックといっていい作品だ。 そのころ私はパンクのバカさに参っていて、この頭のよさそうな人たちのことが好きになれなかった。(気取りやがって、何がセンスだよ)その後音楽を聴く機会もあったし、この映画も一度見て…

庵野秀明 総監督「シン・ゴジラ」1392本目

見ましたよ。旬なうちに。 なんていうんだろう?ものすごく日本的な、生ニュースドキュメンタリー+その舞台裏映像みたいな映画だった。日本的な組織の弱さと強さを皮肉りつつも、映画自体が日本的な枠を強調してきわめて日本らしい。<以下一部ネタバレ> …

市川崑 監督「雪之丞変化」1391本目

1963年の作品。主人公、女形の大スター「雪之丞」を演じるのが、当時55歳の長谷川一夫なんだけど、美形にはちげぇねぇが女らしさが皆無だ。(←なんか変な影響受けてる) 一人二役で演じる「闇太郎」のほうは、典型的な時代劇の名優らしい、大層な貫禄だ。女…

ラース・フォン・トリアー 「メランコリア」1392本目

いやー、これは面白かった。 DVDの予告編がホラー映画ばっかりだし、ほかの人の感想を見たら「鬱になりそう」とかばっかりだったので、かなり心配してたけど、正気と狂気のあいだの、正気に近いほうの人が、すこし暗い夢をみているような、不思議で美しい世…

スティーヴン・スピルバーグ監督「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」1391本目

楽しかった。 ストーリーもよく出来てるけど、何しろCGに力が入っています。 モロッコの街角で、戦車が門をひきずってぐるぐる走り回る場面とか、CGでなければ実現できない自由な表現だと思います。しかしタンタンのイメージがちょっと違うなぁ。金髪だから…

ジャン=マルク・ヴァレ監督「わたしに会うための1600キロ」1390本目

リアルで痛い、実在の女性の道のりを描いていて、共感しました。 リース・ウィザースプーンが、あのお人形みたいなキューティ・ブロンドだった彼女が、汚れ役といえそうな役どころを誠実に演じています。むしろ・・・エンドロールに出てくる著者より、この物…

ジョージ・P・コスマトス 監督「コブラ」1389本目

わりと最近の映画かと思ってたら1986年、なんともう30年も前! シルベスター・スタローンが、どうりで若い。 映画は、予想どおりだけど、さらにそれを超えるくらい、グラマー美人とマッチョがこれでもか、これでもか、とフィーチャーされていて、もう安心…

スティーヴン・スピルバーグ 監督「ブリッジ・オブ・スパイ」1388本目

スピルバーグとコーエン兄弟?? と思ったけど、映画を見てみたら、両方のシリアス路線がいい形でコラボしてるなと感じました。 スピルバーグは、どんなに重いテーマにもまっすぐ取り組むけど、希望をなくさない。 コーエン兄弟は、人間の可笑しいところをほ…

オリヴァー・ヒルシュビーゲル 監督「ヒトラー 最期の12日間」1387本目

ヒトラーは「ベルリン天使の詩」で感受性の強い男性を演じた、あのブルーノ・ガンツか。 「永遠と一日」で人生の終わりを静かに迎えつつある老人を演じた、あのブルーノ・ガンツか。すごい演技力だなぁ!しかし、この映画をいま(といっても2004年、12年も前…

増村保造 監督「卍」1386本目

1964年作品。 若尾文子と岸田今日子。なんと新藤兼人が、谷崎の小説を脚色したんですね。どうりで、じっとりと絡みつくような人間くささ。若尾文子ってほんとに、どうしてこんな役ばっかりだったんだろ。いまは深田恭子が(もともと容貌に共通点が多い気がす…

ダニー・ボイル 監督「スティーブ・ジョブズ」1385本目

なんと、ダニー・ボイルだったのか・・・ファンのつもりなのに知らずに見てしまった。 一部の人が駄作と呼ぶ「ザ・ビーチ」も十分味わって鑑賞した私ですが、この映画ばかりは褒めるのが難しい。 史上最大のバックステージ映画、とか呼びたくなってしまう。 …

マーク・フォースター 監督「ワールド・ウォーZ」1384本目

刺激的な映像、具体的には折り重なって打たれたり焼かれたりするゾンビの群れとか、が多くて、うゎ!って感じが強いけど、面白かったです。こういうのを見てもフィクションとして楽しめるくらいの大人にはなりました。思うに、これよりさらにエグいゾンビマ…

アンソニー・ハーヴェイ 監督「冬のライオン」1383本目

舞台の中世が、なんとなく古臭く思えて、なかなか入り込めなかったけど、人間ドラマとしてそれぞれの性格が際立っていて、なかなかの名作だと最後には思えました。ピーター・オトゥールはアラビアのロレンスだったはずなのに、ヘンリー王はずいぶんアクが強…

松木創 監督「映画 中村勘三郎」1382本目

本当に素敵な役者でした。 あまりにも急に亡くなってしまった、と思っていたのですが、この記録映画を見て、実際、直前まで当然のように仕事をされていたことがよくわかりました。 もともとはこまごまと、いろいろな番組のために撮られた舞台やインタビュー…