映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

マイク・ニコルズ 監督「卒業」793本目

子供の頃から、40年以上も前から知っていたのに初めて見る映画。わくわく。 1967年の映画にしては現代的。70年代映画の雰囲気だなぁ。 このとき30歳のダスティン・ホフマンが20歳のスター学生ベンジャミンを演じています。今だったらマーク・ザッカー…

スティーヴン・ダルドリー 監督「めぐり会う時間たち」792本目

監督の名前聞いたことあるなと思ったら、「リトル・ダンサー」と「愛を読む人」、「ものすごくうるさく、ありえないほど近い」か。人の痛みを痛いまま描く監督だ。美しいまま描く監督だ。この映画は、すうっと入ってきて私の胸も苦しくなった。人が自分で死…

ジョン・カーニー 監督「ONCE ダブリンの街角で」791本目

「低予算だけどいい映画」「とにかく音楽がいい」とどこを見ても書いてある。実際見てみたら、それ以外の形容のしかたが思いつかない。 その辺のストリートにいそうな歌うたいの青年と、その辺で雑誌を売っていそうな移民の女性。そのリアリティがとてもよく…

ウォルター・サレス 監督「オン・ザ・ロード」790本目

このところ、ひとりビートニクスブームで、この映画の原作、ジャック・ケルアック「オンザロード」を読んだので、映像も見てみようと思いました。小説のほうは、若造(といっても戦争帰りなので若干タフな感じ)がアメリカ国内をふらふら旅しては酒や薬や女…

ワリス・フセイン 監督「小さな恋のメロディ」789本目

かの有名な作品。マーク・レスター、トレイシー・ハイド、ジャック・ワイルド、この3人がとてつもなく魅力的でした。子供時代の曇りのない心、果てしなく広がる夢、なんてものに想いを馳せました。単なる美少年美少女というより、思っていたより3人3様で…

ジョシュア・ローガン 監督「バス停留所」785本目

急に不自然になったと思ったら、アクターズスタジオに通ってたんですって。余計なことをしてしまったようです。娯楽映画としては楽しめるけど、彼女のイノセントな魅力がそういうことで半減している気がするので、点はちょっと辛め。脳みそ筋肉なかんじもカ…

ニキ・カーロ 監督「クジラの島の少女」784本目

先月行ってきたニュージーランドの、マオリ族を取り上げたファンタジー。 クジラに乗ってニュージーランドに渡ってきたと言われる一族の、伝統に厳格な父とそれに反発して外国へ行ってしまった息子、島に残った孫娘。代々男子だけが伝統を受け継ぐことになっ…

テリー・ジョーンズ監督「モンティ・パイソン ライフ・オブ・ブライアン」788本目

思いのほか、完成度の高い作品でした。 つまり、起承転結を含む構成がかっちりしている。美術(衣装、セット)が大変凝っている。 パロディの質が高く、かつ誰が見てもバカバカしくて大笑いできる。 メインの登場人物のほとんどをたった6人で演じ分けている…

ジョエル・コーエン 監督「ビッグ・リボウスキ」787本目

先日初めてファーゴを見てから、コーエン兄弟ヤバいと思ってこの映画も見てみたのですが、おかしなキャラクターが出てくる出てくる、期待をさらに超える大笑いでした。笑えるだけじゃなく、実に生きてる。登場人物が生きてる連続ドラマみたい、という意味で…

ロマン・ポランスキー監督「フランティック」786本目

ポランスキーがハリソンフォードを主役にした映画かぁ。 クライムサスペンスとしては、チャイナタウンの方がずっと上と思えるので、チャイナタウンの10年以上あとでこの作品というのは、ちょっと物足りないです。ハリソンフォードとの相性もあるのかな?出張…

ジャック・スマイト監督「動く標的」783本目

ポールニューマンが爽やかで気ままで、素敵。ストーリーは、わりとスリリングではあるけど、ローレンバコールの役どころにヒネリがなくて出番も少ないし(弁護士とできてんのかなと思ったのにそういうわけでもない)、失踪した富豪は一度もちゃんと登場しな…

サントーシュ・シヴァン 監督「秘剣ウルミ バスコ・ダ・ガマに挑んだ男」781本目

バスコダガマは、偉人なんかじゃないやい!奴らは僕らの国を踏み荒らしたのだ!…という映画。 インド映画ってどれを見ても、すごく“楽しさ”レベルが高い。美しい女性、強い男性、コミカルでリズミカルなダンス、わかりやすい悪者、けなげな子ども…。見る人に…