映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

成瀬巳喜男監督「流れる」40

1957年作品。 山田五十鈴演じる小さな芸者置屋の主人のところに、田中絹代演じる中年の女中が雇われてきます。イジワルもあるし、裏表もあるし、ごまかしやねたみもある女の世界です。芸は確かだけど商売はうまくない。好きな男に入れ込んでだまされ、好きで…

私立探偵 濱マイク 3 萩生田宏治監督「どこまでも遠くへ」39

この前に「2前田良輔監督 歌姫」も見ました。UAの歌が素晴らしいんだけど「1」ほど書くことが見つからなかったのでスキップ…。「2」は憂歌団の木村充輝が出てたりして音楽マニアっぽい作品でした。「3」はわりとテレビドラマらしく、明るい昼間の屋外の…

ロマン・ポランスキー監督「チャイナタウン」38

1974年作品。ジャック・ニコルソン演じる私立探偵のところに、ある女性が夫の浮気調査の依頼にやってくる。夫はダムの放水流域について一言持っている水道局長。浮気現場を撮影した写真が知らないうちに新聞に漏れて大騒ぎになった後、依頼者が実は妻とは別…

豊田四郎監督「夫婦善哉」37

1955年、昭和30年作品。なななんと!夫婦善哉の夫婦は正式な夫婦じゃなくて、妻のいる男と女だったとは。 古女房と添い遂げる、というような話じゃなくて、駆け落ちした不倫カップルが苦労しながら夫婦になっていくという映画でした。途中で男の妻は亡くなり…

山中貞雄監督「丹下左膳余話 百万両の壺」36

また帰ってから映画見てしまった。なんと1935年作品。昭和10年です。すごく面白かったです。 カラっとした笑いの、明るい時代劇。あるお侍が相続した小汚い壺に実は財宝のありかが隠されていることがわかって、そりゃ大変だと戻ってみたら、奥方が屑屋に売り…

和田誠監督「麻雀放浪記」35

今日の一言 ”そうかチンチロリンってのは、サイコロが転がって出す音のことだったんだなぁ。”1984年作品。25年も前なんだ! 西原理恵子の「まあじゃんほうろうき」の元ネタとなったことで知られている、阿佐田哲也の小説の映画化。(ほんとか)真田広之演じ…

ロマン・ポランスキー監督「ゴーストライター」34

イギリスの前首相(ピアース・ブロスナン)の自伝のゴーストライターを引き受けた男(ユアン・マクレガー)の物語。前任者が不慮の死を遂げていて、最初から不吉な予感…。ヒューマントラスト渋谷で、開場の5分後にすっと入れてわりとガラガラでした。有楽町…

緒方明監督「私立探偵濱マイク TVシリーズ1 33→1の神話」33

2002年作品。「濱マイク」シリーズは林海象監督で永瀬正敏が主人公の映画が1993年から1996年の間に3本公開された後、2002年に毎回違う監督で12回TVシリーズが放映されました。私はTVシリーズではまって映画も一通り見ましたが、改めて見直してみたくなったの…

豊田四郎監督「駅前旅館」32

1958年作品。森繁久彌、伴淳三郎、フランキー堺の3人を主人公にしてたくさん作られた「駅前シリーズ」映画の最初の作品。ただし、井伏鱒二原作のこの作品の成功にあやかって次々と新作が撮られたらしいのですが、監督はいろいろです。感想:面白い! 喜劇な…