2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧
ギレルモ・デル・トロが製作している作品って、どれも恐ろしくて哀しくて愛おしいという印象。この映画にもそういう部分があります。 他の作品もだけど、なかなかエグい。かなり猟奇的。親子関係が壊れている、という精神的な部分を超えて、伝説の鬼(のよう…
ある日突然、大富豪の遺産を相続したディーズは、最近の映画にはまるで出てこない、竹を割ったようなストレートな男。自分の善悪の物差しが一本すっと通っていて、判断したことはすぐにその場で口に出す。こんな甥がいれば私も遺産を残したいです。(※遺産が…
人質に取られて犯人を好きになる話、それ自体は既視感がある。「悪人」とか、。そして、この映画は「ストックホルム・ケース」という事象そのものを、すごくまっすぐに真ん中に取り上げた作品だなと思う。熱くてちょっと抜けててどこか憎めない犯人にイーサ…
1979年のアメリカ映画。アメリカは開発当初から現在に至るまで、原子力に一番詳しい国ではあるけど、こんなに昔に、原発事故をここまで正確に予測した映画があったなんて驚く。正確さにも驚くけど、これを世に出す勇気もすごい。こういう映画を作り続けられ…
サイモンが年とった。1997年の「ヘンリー・フール」から17年後の2014年の作品だからな。 ヘンリーとフェイの息子ネッドが、馴染みの牧師に感化されて敬虔に生きようとする、というのも、どこか想像通りでみょうに安心感がある。ネッドにつきまとう、賢そうだ…
「ヘンリー・フール」の登場人物を使って別の作品を映画化したのかな?と思うくらいトーンが違う。サイモンもフェイも、なかなか登場しないヘンリー・フールも、あたまいい人たちみたいになってて、彼らが愛する怠惰な日常じゃなくて、国家の大義のために命…
面白かった。主役が女性ならエイドリアン・シェリー、男性だとこうなるのか。サイモンは鋭い感受性を持った男だけど教育をあまり受けていない。彼の書くものは卑猥だとか言う人もいるけど、読んだ者の心をざわつかせる。後の評価から考えるとボブ・ディラン…
<結末にふれています> これはきっと、「幽霊自身はどんな気持ちなんだろう」というのを想像して作ってみた作品なんだな。 愛する妻がいて、これからの人生を想像している男が突然命を絶たれた。彼女への思いが強すぎて、現世から魂が離れられない。彼女を…
ビアトリクスの両親がこの映画を見たら何て言うか・・・(「ミス・ポター」を見たばかりなので) というより私はどう思うのか。ピーター・ラビットのキャラクターが描かれたグッズを1つ2つは持っていたことがあり、英国的なものが大好きな一般日本人の私は…
見る前から「トーベ」「リンドグレーン」を思い出しますね。彼女たち二人と違ってビアトリクス・ポターは19世紀生まれで、英国のかなり高い階級の生まれということもあって、今見ると異常なほど格式ばった家庭で育ったようです。彼女の本を出版してくれた人…
U-NEXTの紹介ページに、ウディ・アレンがイングマール・ベルイマン監督にオマージュを捧げた作品って書いてあったけど本当? そう言われてみれば、そんな気がしないこともない。出演者がリヴ・ウルマンじゃなくてダイアン・キートンというだけのことか?でも…
オリヴィア・ニュートン・ジョンが亡くなったときこの作品もVODで探したけど見つからなかった。これがU-NEXTに新入荷してたので早速見てみます。 アイドル的な映画に往年の大スター、ジーン・ケリー。こんな人が出てたのか・・・。で、ELOが音楽をやってたん…
だいぶ前に録画したのをやっと見ました。いい映画だなぁこれ。「シティ・オブ・ゴッド」や「モーターサイクル・ダイアリーズ」の監督なんだ。都会の大きな駅に集まってくる、今日一日食いつなぐことに精一杯の人たちの、生きるパワーがあふれる作品です。 元…
「パラレル・マザーズ」と同時上映してた短編。(別料金だけど) アルモドバル監督vsティルダ・スウィントン。(「デッド・ドント・ダイ」の、と言いたい。いつも印象強いけどあれは秀逸だった) これも「パラレル・マザーズ」も、劇場で見るとアルモドバル…
<ネタバレあります> やっと見てきた。アルモドバル監督、完全復活、って感じ。「トーク・トゥ・ハー」や「私が、生きる肌」のように、一つの主題をひねってひっくり返して、彼以外の誰も思いつかないところまで料理するという、監督らしい世界の真骨頂です…
アルモドバル監督の作品はほとんど見てるけど、劇場で見たのはこれが最初。新作「パラレル・マザーズ」を折をみて見に行こうと思っているいま、この作品を見直してみました。 劇場で見たときは、色の洪水!と思って圧倒されたけど、家のテレビで見ると、監督…
U-NEXTで視聴。この監督は「ワイルド・スピード」の人か。なるほど。このトーキョーはブレードランナーというより、羽田空港国際線ターミナルの、アニメとジャパンをまぜこぜにしてしまったショッピングエリアに似てる。(なんで国内なのに、外国で日本を誤…
モニカ・ヴィッティがもはや気だるい美女にしか見えないという刷り込みをさらに深める作品。でも「赤い砂漠」よりは笑顔が多い気もする。 アフリカの人のまねをするのは、彼らのエネルギーに惹かれるからか。彼女は一貫して意志や考えなしに、流されていきま…
いいなぁ。こういう映画、好きです。さすがRotten Tomato観客評価97%。友達がご招待された試写会にくっついて行って、「ウェルシュケーキ」のお土産までいただいたから誉めてるわけじゃないですよ! なんとなくションボリした英国のある町の人々が、がんば…
主役はヴァネッサ・レッドグレイヴ!?なんで彼女が(私の世代だと、強いおばさん~おばあさん役で馴染んでる)イタリア映画に? でも冒頭からスウィンギン・ロンドンな感じで、イギリスが舞台の作品なんですね。デヴィッド・ヘミングスっていかにもロンドン…
見た人の多くが「難解」「わからなかった」「モニカ・ヴェッティ美しい」と書いていて、おおむね同感です。 1回流して見て「???」となったので2回目に見てみてもやっぱり謎だったけど、霧の中で彼女が港をさまよう映像は不条理劇の雰囲気で、イタリアン…
<ネタバレあります> この映画の感想もまっさらな気持ちでは書けないな、私は佐藤正午が通うという佐世保競輪を見るためだけに長崎行ってくるくらいのガチなファンだから。といっても長年、すぐに人妻と寝る金欠の小説家が出てくる作品(イメージ)を書き続…