映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ディック・リチャーズ 監督「さらば愛しき女よ」1324本目

1975年、けっこう前の作品です。 骨太なロバート・ミッチャムが、身体の負担が大きそうな、くたびれたおじさんになってます。 コケティシュな”判事の妻”にシャーロット・ランプリング。この人は、クールなのにやたらと扇情的で、なんかすごい。「ハードボイ…

ジョシュア・ローガン 監督「サヨナラ」1323本目

1957年のハリウッド映画です。ハリウッド! これほど興味深い作品は、いまだかつて見たことがない、といってもいいかも。 アメリカから見たエキゾチックなジャパン像の妄想が詰まった、キッチュでロマンチックな作品です。 違和感ありありの日本像を除けば、…

森一生 監督「不知火検校」1322本目

つい先日、松本幸四郎が検校役をつとめる歌舞伎を見たので、それにちなんでこの映画も見てみることにしました。 原作が書かれたのは、実はこの映画の数年前。それが当たったから1960年に大映が映画化したが、鳴かず飛ばずだった勝新太郎がこの映画で大当たり…

ガイ・ハミルトン 監督「007 ゴールドフィンガー」1321本目

1964年作品。ずいぶん立て続けに作ったんだなぁ。 子どもの頃に見て、身体中に金粉を塗られて皮膚呼吸ができずに死ぬって怖い!って思ったのをおぼえてて、ちょっとホラーな印象だけ残ってたけど、今見るとその場面は一瞬でした。 ゴールドフィンガー氏って…

ヤン・シュヴァンクマイエル監督「ルナシー」1320本目

チェコです。 変な監督の変な映画。 「哲学的ホラー」と彼はこの映画を呼んでるらしいけど、見るほうがどう定義付けても自由! むしろ「ブラック・コメディ」と呼んだほうが入りやすいと思う。ヨーロッパのどこかに長居したときに、スーパーで買ってきた、分…

ジュゼッペ・トルナトーレ 監督「鑑定士と顔のない依頼人」1319本目

これ、イタリア映画ですよ! だって、「ニュー・シネマ・パラダイス」の監督だし。 出演者みんなイギリスっぽい英語だけど、イタリアで英語の映画を作ると、こんなふうにイギリス風になるのか。(マカロニ・ウエスタンはアメリカ映画に見えたけど) しかしこ…

木下恵介 監督「衝動殺人 息子よ」1318本目

1979年作品。 犯罪被害者の遺族という人たちの気持ちを、どこまで私は想像できるだろう?10年や20年で吹っ切れるようなものではないように思えるだけです。 仇討ちっていうものが認められる時代じゃないけど、その気持ちの行き場を探すのは当然の成り行…

ヴィンセント・ミネリ 監督「バンド・ワゴン」1317本目

54歳のフレッド・アステアの、円熟のダンスと演技が満載。 まるで宝塚みたいな、美しい楽しい夢のような歌と踊りの世界。 この時代の若者になって、ウキウキしながらこの映画を封切り初日に銀座で見てみたかった。それにしても、彼が出ているどの映画を見て…

エリック・ラルティゴ 監督「エール!」1316本目

原題は「ベリエ家」なんだな。 主役を演じてるルアンヌ・エメラのさりげない存在感と、自然で豊かな歌声が本当に気持ちいいです。 歌の先生はロッキー・ホラー・ショーかニューヨーク・ドールズのどこかにいたかようなグラマラスな男で。デュエットを歌う男…

セオドア・メルフィ 監督「ヴィンセントが教えてくれたこと」1315本目

ナオミ・ワッツ…この人ほど、金髪碧眼の白人美人であることに頓着しない女優っていないよなぁ。 この映画では、移民の娼婦で”腹ボテ”。なまりのある英語のうまいこと。美人っちゃ美人の役だけど、これほど演じにくい、ちゅうとはんぱに底辺っぽい役もなかな…

阪本順治 監督「北のカナリア」1314本目

2012年の作品。阪本順治監督で、主演が吉永小百合で、原作が湊かなえって。 不思議な組み合わせ…感情の起伏と清潔さと人間の汚さ? でも退屈な映画とは思えないので、ちょっとどきどきして見ました。北のカナリアたちと自称する子供たちのハーモニーは実際と…

テレンス・ヤング監督「007 ロシアより愛をこめて」1313本目

1963年の作品。 この作品は、「ドクター・ノオ」と比べて、その後の007シリーズに近く感じられる部分が多いですね。 冒頭のグラフィックやテーマ曲の感じとか。第1作は”美人スパイ”じゃなくて無垢な若い娘をボンドが守ろうとするけど、この作品ではロシア人…

テレンス・ヤング 監督「007 ドクター・ノオ」1312本目

1962年制作のイギリス映画。イギリスですよ、みなさん!007シリーズは最初のこの作品から今に至るまで、ずっとイギリスで作られてます。さてこの映画、なんか昔の冒険活劇の匂いがしますね。「ミスター・モト」シリーズや初期の手塚治虫まんがをホウフツとさ…

ロバート・アルトマン 監督「ロング・グッドバイ」1311本目

1970年のアメリカ映画。 うーむ。どこから突っ込み始めよう。 昔アメリカで”ハードボイルド”って呼ばれていた価値観は、2016年の日本でいう”コミュ障”の”中2病”なのか? 冒頭から猫にからまれてうれしそうなフィリプ・マーロウ探偵は、夜中にもかかわらず…

セルジオ・ソリーマ 監督「狼の挽歌」1310本目

1970年のイタリア映画。 主役はチャールズ・ブロンソン。イタリア語喋れるんだ?と思ってよく見たら、どうも口パクです。ほかの出演者も。これがマカロニ・ウエスタンの作り方か・・・。この映画は西部劇じゃないけど。 とはいえ西部劇にも匹敵するストーリ…

クロード・シャブロル 監督「主婦マリーがしたこと」1309本目

1989年のフランス映画。若かりし頃のイザベル・ユペールが見たくて借りてみた。 このとき35歳か。 娼婦役の美しい女優さんの名前はマリー・トランティニャン。ということは、ジャンルイの・・・娘でした。 お父さんに似た美形ですが、なんとわずか41歳の…

ロバート・ロレンツ 監督「人生の特等席」1308本目

クリント・イーストウッドは、プロデューサーと主演をやっているけど監督ではありません。といってもロバート・ロレンツという人は、彼の映画の多くでプロデューサーをやっている人なので、この映画もそのタッグで作られた作品のひとつ、なのですね。イース…

ギャスパー・ノエ 監督「アレックス」1307本目

フランス映画。今話題の「LOVE 3D」を撮ったギャスパー・ノエってどんな監督だろうと思って(「LOVE 3D」を見にいく勇気がなくて)、まずこっちを見てみました。 他の人の感想に「モニカ・ベルッチのレイプシーンを期待して見に行ったオヤジたちがひどい目に…

中村義洋 監督「白ゆき姫殺人事件」1306本目

原作とは、まとめ方が違うけど、面白い。原作のことをいうと、湊かなえだから、およそ情感や温かみというものはない原作だったけど、SNSの中にしかない狭くて暗いいリアルを描いて、読む人をゾッとさせる読み応えがありました。赤毛のアンのエピソードや、終…