映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アルバート・メイズルス監督「アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー」1496本目

ニューヨークの超ファッショナブルな老婦人のドキュメンタリー。
ずっとインテリア・デザイナーをしていた人らしいのですが、若いころからずっとファッション・アイコンとしても有名で、名だたるブランドのデザイナー達にインスピレーションを与え続けてきた、偉大なるおばあちゃまです。

原色の大胆な組み合わせ。肩こりしそうな巨大なネックレスを3連、5連とつける。
蚤の市や旅行先で買った民芸品も、高級デザイナーの服も、おんなじように選んで合わせる・・・。
予告編を見て絶対これ見よう!と思って楽しみにしてました。私この人のファッション大好きなんですよ〜。コンゴの「サプール」も大好き。元気でパワフルで、明るいエネルギーを周りの人たちに与えてくれてる感じがします。

ファッションって自己表現なんでしょうね。私は自分が着る服で冒険したことはないんだけど、うんと派手な服装の人って昔から好きで、ついつい寄っていって仲良くなってしまう。ファッションだけじゃなくて、なにか一つ”常識”の枠を超えてはじけてる人に憧れます。

ご主人が彼女の個性をこよなく愛していて、ずっと二人一緒にいるところがまた素敵。
日本でいえばペー&パー子か、ぺこ&りゅうちぇるか・・・。(イメージ違ってたらすみません)
この映画はDVD買っちゃおうかしら。サプールの写真集も欲しいなぁ。

新海誠監督「君の名は。」1497 本目

やっと見たよ。去年の8月公開作品が年明け2月にまだ渋谷の映画館で新作上映されてるって何事??
そして、図らずも泣いた。
新海誠でしょ、どうせ背景の方が人間よりずっと描き込まれてて、もどかしくてもどかしくて、会いたいけど会えなくてムズムズしてるうちに終わるんでしょ、(←過去作品全部見てる)と思ってたのに、大事件が起こるじゃないですか。会えなかったりするけど会えちゃうじゃないですか。何となく悲しいまま終わったり、しないじゃないですか。大人になったなぁ、誠。思いをちゃんと伝えるところまで、あと半歩だぞ。
何かを成就する勇気が持てただけでも、おめでとう。大きな進歩だ。
(でも、思いをぶつけた後まで描く大人になってしまうと、おそらく作品が枯れた中年夫婦の物語みたいになってしまいそうなので、今がピークかもしれない。とうとう人々がジブリでなく新海を求める日が来た・・・とも思ったけど、この後何を作るんだろうな)

というわけで、新海誠の集大成と呼びたい。

去年の夏、シンゴジラでなくこの映画を見に行っていたら・・・
などとタラレバってしまう渋谷の夜でした。

それにしても、西新宿やら御苑方面やら代々木駅やら渋谷駅前やら、見慣れた街並みがすんごい出てくるなぁ。どうりで最近ますます、この辺で中国の人に道を訊かれることが多いわけだ(しかも親日的)。