映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

犬童一心 監督「眉山」914本目

松嶋菜々子キレイだなぁ。
ちっちゃい女の子みたいな表情をするのが可愛いです。
この映画は、彼女の最高に美しい時期を記録したものとして残るのでしょうか。

ストーリーは目新しいものではないけど、情感がしっとりとしていて、映像表現も美しい。
父と母のほんとうに一瞬の再会、見るだけで会えない再会、という場面がクライマックスなのですが、多分原作者は阿波踊りの列をはさんだ観客席のこっち側からあっち側を見ていて、妄想したんじゃないか。あーよく見えるけど絶対横切れないよなぁ、それでもこっちとあっちに織姫と彦星みたいな二人がいて、その二人を見つけさせるために、美しい女の子が踊りの列に突っ込んでいったらドラマチックだろうなぁ…。という場面を想像して、その前後を組み立てていったのではないか。

宮本信子は素敵だけど、30年間一人でぐっとふんばってきた女の執念、というような重量感が少し物足りない気がしました。