冒頭に大写しになる男、ジャンピエール・レオに似てるな、そういえば「ラ・ヴィ・ド・ボエーム」にも出てたな、監督はこういう人が好きなんだなー・・・じゃなくてこれも本人でした。(なんでいちいち勘違いするんだろう、私)(だってカウリスマキ監督の映画に出るはずがない俳優だから)彼、どはまりですね。なんかMr.ビーンに見えてくるくらい、とぼけたギャグをかましてることが、彼が演じているとわかりやすい。しかめっ面なのに。北欧の人の場合、ギャグなのか真面目なのか普通なのか、知り合いがいなさすぎてわかりません。
言語は英語。ジャンピエールはイギリスで働く外国人という設定です。彼にも監督にも外国で外国語。「中をとって」って感じ。
ホノルルという名の暗い地下クラブ、中はいつものヘルシンキみたいな暗さだけど、ここもロンドンロケなんだろうか。その後カフェで殺し屋を待っていたときに現れた真っ白いプラチナブロンドの花売りの女性、すごく綺麗だけど、これは髪色が似合ってるからかも。(ブルネットだと普通っぽく見えるかも)ハスキーな声も素敵。
そうこうしていると、ロンドンらしくパンクっぽい音楽…と思ったら今度はジョー・ストラマー本人じゃないですか。1990年か、まだ若い。さすがいい声してます。…なんの突っ込みもなく流して、つぎは強盗の場面。とリズミカルにストーリーが進展していきます。その間ジャンピエールはずっと、カウリスマキ監督の主役然としてちょっと抜けた男をしっかり演じます。この人には実はコメディアンの才能があったのか。
起承転結もしっかりしていて、主人公たちに肩入れしていた観客もなんとなく納得する結末。この監督の作品をあまりまだ見ていない人に、最初に見てもらうと良い作品かもしれないですね。面白かったです。