映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ロン・ハワード 監督「ラッシュ プライドと友情」1062本目

命がけでレースに挑む男の人たちの気持ちは、正直よくわからないのですが、全く違うタイプのジェームス・ハントニキ・ラウダのライバル心と友情が素晴らしかったです。いい映画やねぇ。

方や、見かけにまったく頓着せず、ひたすらマシンの調整と運転技術の研究に没頭するオタク的レーサー。
方や、女性も車も欲望のまま。自分が快く思うところへ徹底して向かっていくプレイボーイ。
この二人が気が合うとは一見考えられないけど、じつは他人からどう見られるかを気にしないで、徹底的に自分の道を行こうとするところがよく似ているのです。二人とも(モデルとなった当人たちも)笑顔がほんとうに澄み切ってますね!

大雨のなかのレースに突き進んでいく心情って、勝ち目のない戦争を続けるのと同じような気がする。決行を決める人は痛くもかゆくもなくて、命をかけなければいけないのは現場の人間。こういう危険すぎる判断だけは、なくなってほしいと思います…。スポーツなんだから。