映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

市川崑監督「黒い十人の女」1187本目

前に見たのはいつだっけ。3、4年前? なぜか感想を書いてなかったので、改めて書きます。 こんなに面白い、怖い映画があるかしら?と、そのときも思いました。女優たちの美しいこと、可愛いこと。 宮城まり子、岸田今日子、岸恵子、中村玉緒、山本富士子・…

園子温監督「ラブ&ピース」1186本目

こう来たか・・・・。 エロ超大作でも、泥沼を這いつくばるような怪作でもなく、きれいな”大人のためのファンタジー”でもなく。 新宿壊滅状態。 カメちゃんが、こんなにチャチい作りなのに、なんか可愛い。 ガメラ!そして、最後にカ〜ラ〜ジオ〜から〜〜ス…

ミミ・レダー 監督「ディープ・インパクト」1185本目

玉砕。 まあまあ面白い映画なんだけど、特に科学的でもなく、かといってインチキ科学ふうの楽しさもなく、人間を深く掘り下げるのでもなく、なんとなく感じのいい人たちが一生懸命生き延びようとする。誰も人を陥れようとしないし、誰も不幸のどん底にも落ち…

ドン・ホール / クリス・ウィリアムズ 監督「ベイマックス」1184本目

いいお話だね。 ヒロがちょっとオタクでちょっとひねくれた、普通の少年なのがいい。別にカッコよくもない。 いい大人とわるい大人が、そう簡単に割り切れないのもいい。 ベイマックスが微妙に融通が利かないのも。 子供に見せるなら、せめてこのくらい、考…

グザヴィエ・ドラン監督「わたしはロランス」1183本目

若い頃、たとえば20歳前後で、自分が本当にやりたいことがわかってる人っているよね。グザヴィエ・ドランって人も、そういう人だ。才能や実行力もだけど、そこが何よりうらやましい。抑圧された欲望があるからるからやりたいことが研ぎ澄まされてくるんだ…

ヌリ・ビルゲ・ジェイラン 監督「雪の轍」1182本目

トルコ映画ってのは、こんなに老成してるのか。「サイの季節」もイランとトルコの映画らしいし、映画業界の成熟を感じますね。 これは家族のあいだのつながりや、人間の強さと弱さと・・・言葉で言うことと心の中にあること、をキリキリと深く踏み込んで描い…

バフマン・ゴバディ 監督「サイの季節」1181本目

詩人と運転手の現在の姿が、どっちがどっちかわからなくなっちゃって、がんばって見たけどちょっと混乱した。 しかしストーリーはわかった。 革命・・・がすべての原因で、それだけなのかな。これは才能と愛のあふれるカップルに横恋慕した男の執念の物語だ…

市川崑 監督「野火」1180本目

1959年作品。 コントラストの強い白黒映像。泥池に足を取られて、仲間が撃たれて、民間人を撃ち抜いて、もう辛いとか苦しいとかではなくて、生きるか死ぬかしかない。でももう生きていても死んでいてもどうでもいい。たいがいの人が、追い詰められてそういう…

ガス・ヴァン・サント 監督「永遠の僕たち」1179本目

よかった。 Rotten Tomatoではボロカスだったらしいけど、私の琴線には触れる。 まさかこの、原題のかけらも残ってない邦題は「永遠の0」にちなんだものではないと思いたいけど、優しげな特攻服の天使/死神の意味は、なかなかアメリカ人には理解できないも…