映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

デヴィッド・フランケル監督「プラダを着た悪魔」159本目

2006年作品。

女友達の間でずっと話題になってた映画です。

メリル・ストリープがここまで怖い役をやってるのが楽しいし、ダサダサの新人アン・ハサウェイは最初から生まれたてみたいに美しい。キラキラ輝く、宝石のように美しい洋服たち、靴たち、モデルたち。まぶしい・・・。

悪魔との日々の中で、ずうずうしさを身につけていき、ファッションセンスも磨かれていく新人。ハリポタの出版前の原稿を人を使ってゲットしたり、もう十分そっちの世界に染まって行ったのに、その後に起こる事件のなかで、これでいいのかと迷い・・・。

以下ネタバレ。
面白かったし美しくて素敵な映画だったけど、あそこまで行って最後に元のボーイフレンドのところに戻って、元の夢だったジャーナリストの職を得る、っていうオチはないでしょう。ファッション業界のおかげでできた映画で、最後に否定するなんて・・・。
私は断言するよ、アンドレア、ジャーナリストの道もファッションと同じくらいケモノ道だよ。
メリル・ストリープを悪魔と呼んだあと、どうオチをつけるかってのは至難の業だと思うけど、アンが出て行ったあとでメリルがいい人に見えるエピソードを挟み込んだところで、全部チャラになるわけではないし・・・。ということで、最後の10分間でちょっと点をマイナスしました。以上。