映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

大友啓史監督「プラチナデータ」593本目

絵もきれいで力が入っているし、構成もよく練られていて気持ちいい起承転結がある。ストーリーは、似たものが他にもある気はするけど、DNAクラウドや防犯カメラの追尾システムは楽しめる仕掛けだった。

面白かった!のになんとなく腹七分目な感じがするのは、キレイにまとめすぎてるのかな。
テレビドラマの名作にちょっとプラスαした感じ。
これがテレビだったらかなりの力作と感じるだろうけど、映画として見るものにはそれにプラスして、人生を変える感動を求めてしまってるのかな。
主人公の父の死の理由が薄すぎたり、結局なんで天才少女が殺されなければならなかったかよくわからなかったり。全体としては楽しめるのに、いろんな欠落もあったし。

ところで、キャスティング最高ですね。
トヨエツと二宮くんははまり役だし、杏も鈴木保奈美水原希子も、それぞれクールで美しくてこの映画の世界にいることに違和感がありませんでした。