映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョン・ヒューストン監督「007/カジノ・ロワイヤル(1967)」930本目

まいったなぁ。
私イギリス大好きなんだけど、この映画ってすっごくイギリスっぽいんだけど、なんかダメな映画だなぁ。
オースティン・パワーズ」のような映画を作ろうとしてちょっと失敗しちゃったみたいな。
イギリスって普段がガチガチにお堅いから、こういうむちゃくちゃでハチャメチャな映画が楽しめるのかな。
あるいは私たちはアメリカ風の派手でわかりやすい笑いに慣れ過ぎてしまったのかしら。
これが年末年始の、たとえば「ガキの使いスペシャル」として放送されたんだったら、けっこう楽しいかもしれない。30分置きくらいに、スタジオコーナーがあったり、違う番組が挟まれたりして、飽きないように作られていたら。
逆に、日本の内輪ウケっぽいお笑い番組は、きっと他の国では受けないんだろうし。

そうはいっても私はピーター・セラーズがとても好きで、オーソンウェルズもいいし、やけに声量のあるテーマ音楽の歌手はバーバカラックだし、カジノのドレスはギラロッシュだし、ウディアレンは若い頃からやっぱりイヤラシイし、確かにジャンポール・ベルモントも出てた!

まあ、ダニエル…クレイグの「カジノ・ロワイヤル」とは比べてみるものではないですね。全く別の、イギリス的特殊コメディ映画でした。