映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ロルフ・シューベル 監督「暗い日曜日」968本目

Netflixのリード・ヘイスティングスが、雑誌のインタビューで、一番好きな映画はと聞かれて答えたのがこれ。
「60年前に作られた曲」という言葉が出てくるけど、1945年から数えても60年後が2005年。…そんなに時間がたってしまったんですね。
テーマとなった「暗い日曜日」gloomy sundayは、本当にgloomyっていう形容詞がぴったりの曲で、この映画が一番好きな人って暗い、暗すぎる。
血圧がゆっくり下がっていくような感じがして、冷たくなって動かなくなったら心地よいだろうなーという気がしてくる。危険な曲です。麻薬のよう。

kinenoteではジャンルが「ドキュメンタリー」となっていますが、特典映像で出演者が「これはフィクションだ」と語っていますし、実際の曲の作曲家と登場人物は名前も違います。とてもロマンチックだし、フィクションだよね??

好きか嫌いかというと…好きかな。イロナと二人の男性がとても素敵だし(関係は苦しそうだけど)、この”死に死にした”雰囲気の蔓延に堕ちていきそうです。でも”これじゃいかん、これじゃいかん”っていう反発も強いなぁ。