映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

デイミアン・チャゼル 監督「セッション」1145本目

こわ〜〜〜いよ〜〜!
ガクガクブルブル、という感じの映画です。
しかし本物の天才を作り出すためのせめぎあいが終わるのは、本物の天才が現れたときなのでした。
そういう意味で、これが音楽であってもスポーツであっても骨組みは同じ。スポーツじゃなくて音楽だからここまで面白くなったのだと思います。

観客を画面に吸い付ける力がすごいですね。
何でしょうこの、土星の重力のような。
まったく言葉の要らない。
音と動きと表情でぜんぶわかる。
音楽は、共通の音符を知っていれば、ぶっつけ本番ができる。
「合図するから」

知らない1曲をやり終えた後で一度舞台袖に引っ込むところがいいですね。
父親が待っていてハグするところがいいですね。
それを振り切ってまた出て行くところがまたすごいですね。そこまで来れば終わったも同然(いやそこからがクライマックスなんだけど)。

怖いとか嫌だとかすごいとか、いろんな感想を聞いたけど、そういうことだったのかなるほど、と思いました。
それにしても、フレッチャー教授の演技もすごいけど、マイルズ・テラーのドラムもすごすぎて驚愕でした。