映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ディアオ・イーナン監督「鵞鳥湖の夜」3074本目

グイ・ルンメイがきれいでフー・ゴーがかっこいい。この二人は、どんなヨゴレた格好をしても存在感が透き通ってるような感じがするなぁ。

バイク泥棒のグループの仲間割れから、誤って警官を殺害してしまった男。こうなったからには警察からの報奨金を妻に残していこうと思い立つ。敵対するグループの男は彼を捕まえるために彼の妻を探す。その任務を託されたのが「水浴嬢」。…など、ついストーリーを語ってしまうくらい、ちょっとわかりにくいところがあるんだけど、わからずに見ててもいいくらい映像が魅力的です。

主役の二人の汚れた美しさもだけど、窃盗グループと警察の捜査の熱さや、中国の郊外の町のたたずまいに目を奪われます。バイオレンスの表現は激しいけど下品に落ちません。

堕ちていくだけだとわかってても、彼女たちといっしょに鵞鳥湖のほとりにいたいような気がしてくるくらい…すごく惹かれる作品でした。

牛肉麺食べたい…。