映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョン・フォード監督「静かなる男」3073本目

ジョン・フォード監督がジョン・ウェインを主役にした映画に、西部劇以外のものがあるって知らなかった。舞台はアイルランドか。出演者の名前には「オなんとか」「マクなんとか」「フィッツなんとか」が並んでいて、アイルランド系勢ぞろい!

ウェイン演じる元ボクサーがアメリカから帰国して購入した家は、何もない場所の一軒家。私の大好きな風景だ。村の男たちは言動が荒い!よく飲む、けんかっ早い。写真だけ見ると荒涼としてるのに、人間たちが加わると急に騒々しく、賑やかになる。

家を売ってくれる老婦人を見たことがあると思ったら、「ハリーの災難」で人を殴り殺したんじゃないかとオロオロする夫人役の人だった。

「黒いビールを頼む」「ああ、ポーターだね」…ポーターというのは黒いビールのことらしい(固有名詞ではない)。

など、風土というか文化というか、土着的な匂いが強くて、ジョン・フォードって人はアメリカ人じゃなくて一生アイルランド人だったんだなーと思いました。 

静かなる男(字幕版)

静かなる男(字幕版)

  • ジョン・ウェイン
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