映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

藤井秀剛 監督「猿ノ王国」3593本目

冒頭に「ワクチンに疑問を呈するための映画ではない」という断り書きが出て、どうなんだろうと疑いながら見てみたら、実際ワクチンはたまたま取り上げたトピックでしかなくて、くわしく語られることもなかった。・・・コロナに関してワクチンの有効性はたぶん確立されていて、一方で副作用はほかのどの製剤とも同じように存在すると思うけど、ここでは、きわめて低い割合で重篤な副作用が発生するならワクチンを止めてみんなで滅びるのか、それともできるだけ多くの人が生き延びられるようにするのか、という判断が必要になる。誰に対しても副作用のない薬は、これまでも、これからも、存在しない。

それはそうと、テレビ局の上層部の「保身」や「事なかれ主義」を描いたこういう作品には見入ってしまう。ホラーっぽい演出や、筋を追いにくい部分もあるけど、まだまだこの分野には切り込んでほしいので、私はこの映画は支持したいなと思います。

猿ノ王国

猿ノ王国

  • 坂井貴子
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