映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

デレク・ツァン 監督「少年の君」3664本目

美しくてとても切ない作品だった。

チョウ・ドンユイ。すごい若さ!撮影時26歳だけど高校生といっても幼いくらいに見える。一方のイー・ヤンチェンシーは当時17歳の現役高校生だ。彼の方がたくましく大人に見える。

いじめって、主導者になる者はとてつもなく鈍いか嫌われる勇気のある人で、誰でもなるわけじゃないけど、その周囲を囲む人には誰でもなれる。事務所のトップが所属タレントに片っ端から手を付けても気づかない振りをし続けたり、おおかた噂は本当だと知っていても事務所に頭を下げてタレントを使い続けるテレビ局や雑誌社も同じ。日本でもどの国でも同じように、人の集団はひどい圧迫が続くと一番弱い部分にひずみが生じてそこが圧迫の中心になる。中心がすぽっと抜けてなくなると、次に弱い部分に集中する。いじめをなくそうなんて、いじめてる人たちがスローガンとして言ってそれで赦される気になってるとしか思えない。

日本の特徴は、被害者が一生烙印を押されて攻撃にさらされ続けるところじゃないかな。

人間には美しい面とみにくい面があって、ターゲットになるとどんなに恐ろしい目に遭うか、小学校の道徳の時間で教えてほしいと思う。そうなってしまった場合にどう逃げて生き延びるかも。いじめた場合、最悪どういう刑罰が下ることになってるかも。

こういう映画って、見ると辛くなるから、もう見ないほうがいいのかな。。。

少年の君

少年の君

  • チョウ・ドンユイ
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