2010年作品。
原作を1988年くらいに読んで以来だから、あんまり筋を覚えてないと、映画を見ながら思いました。当時は読んでものすごく暗くなったように記憶してます。登場人物と年齢が近かったし、いろんなことがあって自分を映してしまって。
自分のまわりに彼らがいたら、直子はエキセントリックで扱いにくい女の子だろうけど、ワタナベくんも良かれと思って鈍感なことを言ってしまう、じつはヤバイ男の子だなぁと、当時思ってました。その印象はこの映画でも同じで、ただ見てる自分はだいぶ大人になったなと思います。
なんか、堅い映画でした。マツケン、菊池凛子、水原希子、キャスティングはぴったりだし、みんながんばってるんだけど、何だろう、少々消化不良な感じ。直子の幻聴がひどくなるあたりから、直子と緑の不安を映してだんだん感情移入していくんだけど・・・
キズキと直子の死の描写だけは、あれはないだろう!
直子を最後に訪ねたとき、ワタナベの前で服を脱いだけどできなかったんじゃなかったっけ?
レイコさんとワタナベは、「今何を考えてる?」「同じこと」って言って寝たんじゃなかったっけ?
・・・そういう細部が、正確にだか不正確にだか、やけに頭に焼きついていて、それと違うなぁと思う場面がいくつかありました。
マツケンは恋人に死なれてはじめて出てくる陰が見当たらなくて、そこだけは物足りない気がします。
20歳くらいまでは、死の影というものと正面から渡りあうことが難しい、と思う。鈍感なふりをしてやり過ごす以外にない・・・ことってあるよね。
ところで・・・直子と緑は、エヴァンゲリオンでいえば綾波とアスカというかんじ、しませんか?