1956年作品。
面白かった。
“太陽族”っていうのは、何だったんでしょう?
裕福で育ちもいい若者たちが、お坊ちゃんらしく気ままに贅沢に遊び、おそらくその後はみんな落ち着いて会社の重役や一流俳優になったりしたのだろうな、と思います。本当に踏み外して落ちてしまうのは、そこから少し外れた真っ直ぐすぎる青年だったのだ、と。
展開が一筋縄ではいかず、思わず見入ってしまう構成。生き生きとした脚本。
でも何より魅力的なのは役者さんたちですよね。若いのに目が据わった裕次郎は、このときすでに本物のスターだし、甘ったるいしゃべり方をする初々しい津川雅彦には真面目すぎるゆえの狂気がにじみ出ているし、北原三枝は野性的で大人で、湿り気のない魅力であふれています。
「フランスのヌーベルバーグの影響」があるとすれば、結末の黒さとエンディングの不協和音かなぁ。最後の津川雅彦の顔が最高に良かったです。
確かに、日本の映画の歴史の一こまとして、見ておくべき映画だったと思います。