映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アンジェイ・ワイダ監督「灰とダイヤモンド」466本目

1958年のポーランド映画
第二次大戦の終戦間近のポーランドが舞台。
「蜂起」なんて言葉が普通に出て来るのですが、それが何をさすのか、わからなくてあわててググる。というくらいヨーロッパの歴史を私は知りません…ヨーロッパの人たちが「シュリ」とか「JSA」とか見ても、こんな感じなんだろうな、とふと思いました。

でこの映画ですが、主役の若いチンピラ、マーチェクを演じたズビグニエフ・チブルスキーがとても魅力的です。ポーランドのジェームス・ディーンとか書いてありますが、ルックスは尾崎豊的?
相手役の女優さんエヴァ・クジジェフスカも美しい!うっとりするようなツーショットです。
すばらしい美的センスのある画面で、隙のない構成。無駄がなくシンプル。残酷で美しい。だーれも幸せになりません。

暗殺者などという立場は、どんな世の中でも肯定的に捉えにくいものだと思いますが、マーチェクの無邪気さやひたむきさが、見ている者に親近感をもたせます。

ズビ…ズビ…えーと、マーチェクまた見たい。という気持ちが脳に刻まれました。