本屋の店頭で、レンタル落ちを290円で売ってたのを買いました。
1976年といえば、もう37年も前の作品です。
シドニー・ルメット監督って、名作「12人の怒れる男」を撮った人で、その後も相当な数の映画を撮ってるんだけど、ふしぎとこの作品以外にあまり知られた作品がありません。
この作品は、当時のアメリカの華やかなテレビ業界の空気を感じさせる、スピーディで緊張感あふれる展開で、冒頭から引き込まれます。大笑いしてしまう場面もある一方、ジョークの裏にある人間の性がミステリアスで、とてもスリリング。テレビを作っている人も、見ている人たちも、みんな欲張りで、人間ってひどいもんだけど、最高に面白い。と感じました。
ウィリアム・ホールデン、ロバート・デュバル、ピーター・フィンチといった中年俳優の演技がすごい。重厚で威厳があるのに、人間本来の欲望は若者よりも鬱屈して強くなっている、というイヤラシい姿を演じきっています。
そしてフェイ・ダナウェイのエロいことといったら!「なぜシャツのボタンをそこまで外す!?」と突っ込みたくなります。でも、彼女がどん欲なのは仕事に対してだけで、人間関係には執着がないので、ここまでやってもどこか爽やかです。人間の、女性のイヤラシさの魅力に魅了されます。
人間のおかしさに大笑いし、かつゾッとする、というこの感覚…「博士の異常な愛情」をちょっと思い出しました。
「I'm as mad as hell! I'm not gonna take this anymore!」私も窓を開けて叫びだしたくなります。きっとサタデーナイトライブとかでも、さんざんパロディにされたんだろうなぁ〜〜