映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

吉田大八監督「パーマネント野ばら」507本目

菅野美穂小池栄子池脇千鶴の3人がとてもいいです。
でも実はパンチのおばちゃんたちも素晴らしい。
ダメなところのいっぱいある人たちが、支え合って生きていることが胸を打ちます。
結局、完全にまともで立派な人なんて一人もいない。でもそれでいい。

「なんべんも聞いたよ。忘れんぼやな、なおちゃんは。いいき、なんべんでも話して。」
この台詞があるから、この役は池脇千鶴じゃないといけなかったんだな…。

「あたし狂うちゅう?」
「そんなんやったら、この町の女はみんな狂うちゅう。」
これも、小池栄子の言葉だよなぁ。

みんな支え合ってる。子どもも母を支える。家族ってそういうものだ。

ところで。この映画での夏木マリのオバちゃんっぷりを見たプロデューサーが、「カーネーション」で糸子の晩年役を彼女に決めたのに違いない…。